
アマゾンのKindleに対抗して日本の書店(紀伊国屋、三省堂、有隣堂、今井書店など)が電子書籍を販売する実証実験をするらしいですね。
(記事はこちら→書店で電子書籍販売へ 来春から13社、アマゾンに対抗)
どんな試みなのか見てみます。
書店の店頭に電子書籍の作品カードを並べ、店頭で決済。購入した人は、その作品カードに書いてある番号をもとに電子書籍をダウンロードする仕組みだ。………………ファッ!?
これはネタじゃなく本気でこの方式を考えている……?
で、どういう作品を並べるかというと、
これまで培った作家と書店の信頼関係をもとに、ネットよりも書店で先行販売する電子書籍を用意する考えだ。人気作家の作品をそろえて「本屋の店頭で選んで、電子書籍を買う」形を広め、書店を守りながら電子市場の拡大も目指す。「どれくらいの作品数を独自に集められるかが決め手になる」と関係者は言う。お、おう。
詳細は最後まで読んでもわからないんですが、どうも根本的にずれているというか、違うんじゃないかと思うんですよね……。
とりあえず今のところまだ、何かやってみようぜ的な段階だと思うので、気になることを書いていってみます。
……というのもBLって、けっこう電子書籍の需要が高いので上手くやれば伸びると思うんですよね。
現状、書店とか版元じゃないとこが電子書籍を流通させてるので弊害も大きいのです。
まず気になるのが販売形式。
書店の店頭に電子書籍の作品カードを並べ、店頭で決済。購入した人は、その作品カードに書いてある番号をもとに電子書籍をダウンロード……めんどくさいわ!!!!
そもそも書店に足を運ぶ最大の理由は何か。
それはランダム検索からの購入――つまり、並べられた本の表紙や背表紙をざっと見渡して気に入った本を探す→手に取る→パラ見する→気に入ったら買うという流れです。
なんとなく気になる本を探すという点に置いて、アナログ書店は素晴らしい場所なのです。
電子書籍の作品カードがどんなものか分からないですが、そんなに情報量はなさそうだし、デザインも統一になる気がするので、それならわざわざ書店に足を運ぶ意味はありません……ネットでも買えるように整備して欲しいところ。
さらに、購入した人は、その作品カードに書いてある番号をもとに電子書籍をダウンロード……ってこれまさかピコピコ数字を手入力か!?
めんどくさい……よほど操作性を考えないとやってられないと思います。
あと、将来的には端末を統一云々って書いてありました……
気になることとか希望とか色々。
・使いにくいサービスはいらん。
使いやすくて便利な外国のサービスと、使いにくく不便な国産サービスなら、前者にシェアが傾くのは当然だと思うの。国産サービスを広めたい、アマゾンに対抗したい。それはいい、気持ちは分かるし、私もできれば日本に税金払いたいよ?
でもわざわざ書店に行ってレジでお金払って、端末に番号を入力しないと読めない電子書籍が広く支持されるとは思えません。紙の本読むより手順が煩雑とかさすがにちょっと……。
・作家と培った信頼を元に品揃え云々は、ぜひ頑張ってください。
・紙本と同じ内容の物が読みたい!
BLのコミックなどは特にだけど、現在流通してる紙本より消しが厳しかったりと、紙の本を劣化させた電子書籍が平然と出回っています。書店連合の皆さんにはぜひ、紙とまったく同じ内容の電子書籍を流通させていただきたい。
・どの端末でも読めるようにして欲しいな。
端末を統一とかじゃなくてですね。世の中にはもう既に様々な電子媒体が存在します。PC、スマホ、タブレット、電子書籍専用端末……。家にいる時はPCの大きな画面で読みたい、集中して長時間読むなら疲れにくい電子書籍専用端末、出かけたらスマホやタブレットで読みたいんです。そこんとこよろしくお願いしたい。
汎用性のないデータなんかいらん。
私はガラケーで買っていた電子書籍数十冊がスマホで読めなくなった恨みを忘れないよ。
・データは所有したい。
楽天が率先して悪い見本を見せてくれたのは記憶に新しいです(Rabooサービス終了のお知らせ)。Rabooの利用者は利用している端末が壊れた場合、別の端末では閲覧できず再ダウンロードもできず、後続サービスとなったkoboでの同タイトルダウンロードすらさせてもらえませんでした。
そのサービスが終了したら読めなくなる……それは困る。たいへん困る。
紙の本なら、版元が倒産しようが書店が潰れようが、関係なく残ります。流通は減っても古書店などで探して買うことも可能です。データの不安定さは、電子データの最大の弱点とも言えると思います。
買った人の側でバックアップがとれるとか、なんらかの保険が欲しい。
「サービス終了=何かあったらもう買った本のデータ読めない」なら、なるべく潰れにくいところから買いたいという心理が働きますよね。書店連合はそうなれるのかな……?
国産電子書籍サービスが使いやすく便利な形で普及することを心から願っています!
↓WEB拍手です↓
アキミ
自分が機械音痴というのもありますが、
機械は突然の事故に弱いものです。
データ(電子書籍)をお金で買うわけですから、
もしそのようなことがあれば、機械もろとも、ということもありえます。
・データが飛んでしまったり(データ消失)、
・機械の故障のせいで書籍が読めなかったり、
・機械は正常でもデータが突然読み込めなくなったり、
・機械を買い替えたときの購入したデータの行方
(処分かデータの移行か)、
・“購入した”、“持っている”という実感が持てない…など。
まあ紙の本になじみ過ぎてるだけなのかもしれません。
データの行方がとくに痛いところです。
まあ試し読みや立ち読みで電子書籍を利用している身ですが。
前にパソコンで似たようなこと味わっているので、
ただのトラウマなのでしょう。失礼致しました。