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京恋路上ル下ル (ディアプラス文庫)京恋路上ル下ル (ディアプラス文庫)
夕映 月子 まさお 三月

新書館 2013-11-09


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ボーイズラブ・レビュー


夕映月子さんの新刊ですよわーい!
ちょうど、京都に遊びに行ったときに寄った本屋さんで、特典ペーパーに抗いきれずに出先でお買い上げしてしまいました。ポチるとこれは付いてこないからね……。
ほんと、BL関連は特典追いかけ始めるときりがない、けど手が届く範囲ならゲットしたいものです。

ちょうど、というわけでもないんですが、京都が舞台のお話です。
京都弁ですよ京都弁。
関西弁の中でもちょっと独特というか、ポンポン荒くて調子の良い語調が多い中、はんなりおっとり成分が多めの方言なので、それに合わせてかいつもよりゆっくりめのスピードで読み進みました。
京都は近いし何人か友人知人もいるので口調がまるっと脳内再生されて、やべえ色っぺぇ! ってにやにやしながら読みました。
受が生粋の京都人ですよー!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
京町屋で古書店を営む伊織は、家庭を大切にする年上の男が好みだ。だから大学生の颯馬に告白されても拒絶する。己が失った家族の愛に恵まれた颯馬には、真っ当な恋をしてほしいから。けれど颯馬はいけず美人の伊織に焦がれ、追い続ける。伊織には幸せな恋をしてほしいし、自分がその相手に不足だとは思わないのだ。交わらぬ恋の道で、ふと大人びてきた颯馬に伊織が気づく時…?京の街ではんなり紡がれる恋双紙。大学生×古書店主の年下攻ラブ。

これな!
受の伊織が家族絡みのトラウマ持ちで、有り体に言えば自分の性的指向のせいで親に捨てられて弟に嫌われて祖父母に引き取られて育っている反動か、家族を大事にする年上の男が好みなんですよね。
しかも好きな相手は眺めるだけで、身体の方は別口の爛れた感じのお友達がいらっしゃるという……まあなんともわたし好みの美形な受様なのです。

そんな年上好みのトラウマ持ちに恋しちゃったのが一途な年下の少年です。
そう、少年の時に一目惚れして再会した後も伊織一筋な颯馬。
これがワンコか! って感じのキラキラしたものを持ったまま大きくなってます。
で、真っ直ぐ猪突のごとく、ぶつかっていってはかわされ、跳ね返され、それでも諦めないんですよね。まさにネバーギブアップの精神です。
もうねー、美形の好きな人にこれ言われたら心折れるやろおい……な容赦ないツンにも耐えるんですわ。大したタフガイです。

で、そのアタックを受ける伊織さんも、なかなかどうして強者です。
こんだけ迫られたら絆されるだろう? な押せ押せも、柳のよーに受け流します。
受け流し続けるんですが、しかしそれがね、いつの間にか受け流し損ねた欠片のようなものが彼の中に重なって重なって、溢れちゃうんですよね。
かなり強烈に拒絶した後で、もう颯馬のことが好きになっちゃってる自分に気付いちゃう。
ツンツンしてて、自分はずっとツンでいられると思ってたのに、無意識の領域がいつの間にかデレちゃってましたという、ツン成分多めの受好きには垂涎の流でございました。


最後の方、ちょっと伊織の実家絡みで修羅場ってたけど、伊織を育ててきた環境が彼を支えたし、もう恋人もいるからきっとこの先も大丈夫だよねって思えます。留蔵おじいちゃんカッコイイし!
穏やかで、ふんわり幸せな読後感を味わいました。
ごちそうさまでした!

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