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フェア・ゲーム (モノクローム・ロマンス) (ディアプラス文庫)フェア・ゲーム (モノクローム・ロマンス) (ディアプラス文庫)
ジョシュ・ラニヨン 草間 さかえ

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ボーイズラブ・レビュー


ディアプラスから来ましたねー。
輸入ボーイズラブですよ。
なかなか開拓しづらい方面だとは思うのですが、海の向こうの萌が日本語で楽しめるとか大変美味しい話なので是非頑張っていただきたいところです。

ちなみにこの本の作者は男です。
ポイント違うって分かっちゃいるんですが、このBLロマンスを男性が書いているというシチュエーションに滾りましたよね……。
FBI捜査官×元FBI捜査官で現大学教員というカップリングで、ミステリテイストです。
最初に言っときますが、分厚いです。443ページあります。
あと草間さかえさんのイラストが素敵です。
表紙は一見ストイックな感じですが、裏表紙も見えるように広げると……ふふふ。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
元FBI特別捜査官で現在は大学で歴史を教えるエリオットの元に、失踪した学生の捜索依頼が持ち込まれた。捜査協力するFBI捜査官を前にエリオットは動揺を隠せない。そこには一番会いたくない、けれど決して忘れられない男、タッカーの姿があった。タッカーはかつてのエリオットの同僚で恋人。17ヵ月前、膝を砕かれ失意の底に沈んでいたエリオットに、冷たく背を向けた男―。シアトルの大学を舞台に繰り広げられる、甘く激しい男たちのミステリー・ロマンス。

元同僚で元恋人とひょんなきっかけでまた事件を軸に絡むことになったエリオット。
心中穏やかどころの騒ぎではありません。
FBIにも元恋人にも実は未練タラタラだったんだから仕方ないですよね。

とにかく、こいつらお互いにいい年した大人(三十代後半だ!)だというのに、意志疎通の下手くそさときたらシャイな日本人も真っ青です。
翻訳のせいもあるのかもしれないけども、台詞がいちいち理屈っぽい。
臆病から来る理屈っぽさとツンツン具合に、こいつら実は両方受だろう! 
と何度突っ込んだことでしょう。
ちょっと日本のスーパー攻様成分を分けてあげたくなりました。

ちなみに彼らの恋愛泥仕合のきっかけになった学生失踪事件は、いつの間にか立派なシリアルキラーが犯人の強烈なヤツへと見事な脱皮を遂げておりました。
つまり舞台設定は超シリアスです。
そんな深刻な事件なのに、メインの恋愛は壮大な痴話喧嘩
君たちホントにこれで良いの!?

お互い頑固なものですから、なかなか歩み寄りが進みません。
事件はどんどん進行して深刻な状況になっていくというのに!
じりじりじりじりと焦らされて……最後にストンと落ちます。
事件解決よりこいつらの恋愛沙汰が落ち着いたことにほっとしたのは、きっと腐女子だけじゃないと思う!

いつも読んでるボーイズラブにある萌とは、またツボと恋愛文法が違ったので多少まごつきましたが楽しく読めました。これ、このカップルでシリーズにしたらいいのに……。
毎回事件のたびに喧嘩して、解決と同時に仲直りするの。
安定の水戸黄門展開でよろしくお願いします。

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