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ボーイズラブ・レビュー

実は読んでなかったんです夜光花さんの凍る月シリーズ。
BLファンタジーが大好物だというのに未読だったのはマジで痛恨の極み。
なんで手を出してなかったのか自分でも不思議です。

獣人と呼ばれる、ヒトと獣の2つの形を取れる異形の人間と、彼らの「餌」となる人間がメインの現代舞台のファンタジーバトルものです。
ジャンルがボーイズラブということでバトル面はおとなしめでしたが、それでもなかなかすごかったと思います。

後書きで「後もう1冊、次も書けるかな……」という作家さんの次が出せるか出せないかのドキドキしてる具合がもう。リアルタイムで買い支えてくれた腐女子のみなさんありがとうございます……!

以下ネタバレ妄想注意!


受はそうと知らず獣人の「餌」として生まれ、占い師に「この子二十歳で死ぬわ」と予言された赤子でした。
怪我をしても瞬く間に治癒してしまう身体を持つ光陽は、二十歳の誕生日を目前に獣に強引に連れられ、餌として契約させられます。
えー、つまり彼の怪我がどんなに酷くてもソッコー治癒するのは「餌」として食っても食っても再生されるためという、まったくありがたみもへったくれもない理由からでした。
ちょっヒドイよね……。

で、光陽を攫った攻さんは獣人で梁井というのですが、どうも強引になりきれず、肉を食うのが駄目なら血、いやそれも駄目なら精液で良いから! と、
ハードルが高いんだか低いんだか頭を抱える懇願をしてくれます。
押し切られるような形とはいえよく光陽はOKしたよね。
で、この梁井さんと光陽の幼馴染みの亮とが、光陽を巡って三角関係を形成するというオプションまでついてきました。相変わらずBLは男率高いです。

獣人にははぐれ獣人と組織を作って群れている一派がいて、地味に対立していて、梁井ははぐれ組だけどいつの間にか組織と事を構えるような形であれこれ巻き込まれていきます。
光陽は脳天気を突き抜けた人の良さであれこれと首をつっこんで事件を磁石のごとく引き寄せつつ、敵味方問わず周りを脱力させ続けつつ、事態を転がしていきます。
マジでこの光陽が引き金になることの多さと来たら!

敵が現れて味方が増えて、敵か味方か良くわからんのも混じってきて、やばいなーどう収拾つける気だろうと思っていたら、なんと最終的に獣人の内輪揉めから飛び出して、
獣人VS人
という構図が完成……圧倒的に数が少なくて鉛玉の数発もぶち込まれたら昇天する獣人は大ピンチです。そう、敵の敵は味方。これは種族を超えても共通で、最後は獣人チームでなんとかまとまります。
まとまって人と対抗するんですが、ここでも光陽はやりました……。

警察と自衛隊相手にどう仲間を救出してその後の交渉を進めるか、というときに、

「天皇陛下にお手紙を書いて助けて貰おう!」

って言い出して実行しちゃったからね……。
まさか陛下にお手紙とか言い出すとは思ってなかった。
虚をつかれまくってシリアスな巻だというのに腹抱えて笑ってしまいました。
そりゃ梁井さんも苦労するわ。
しかもそのお手紙大作戦が功を奏しちゃったりするからすごいよね。

カップルがいくつかでき上がって、なかなかどの組み合わせもステキなのですが、私はメインカップルの梁井さん×光陽より、本編では脇にいた須王×巴がツボでした。
もっというと王子様キャラの須王が一番好きですハイ。
彼らの番外編は即注文しました。
あとは梁井さんの執事アレックスも好き。
ロマンスグレーで銃もぶっ放すワイルド執事さんです。

けっこう登場人物が多いのですが、みんな良い感じに立っていて、誰かは好きになれるんじゃないでしょうか。 読後感はなかなか爽やかでほっとしました。
シリーズではありますが、とりあえず本編は片手で収まってますし、ファンタジー好きなら気に入る人が多い気がします。私は大好き。
おかげさまで充実した休日になりました。

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