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ボーイズラブ・レビュー
タイトルからもおわかり頂けると思いますが、歴史ものボーイズラブでございます。
正確には歴史ベースのファンタジーBLです。
ちなみに私の苦手な世界史で、くっそややこしいハプスブルク家ものです。
こういう歴史ベースの小説を読むたびに、あーもっと真面目に世界史やっとけばよかったと後悔します。でもねー……藤原さんはいっぱいいても覚えられたけどカタカナの歴史人物がどうしてもダメだったんです。
きっと萌が足りなかったせいだと思います。
教科書編纂者には猛省を促したい!
冗談はさておき、なかなか濃い1冊でした。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
十九世紀末、皇帝の密命を受けたオーストリアの若き軍人レオポルトとマクシミリアンは、連続失踪事件の真相を探るべく、ヴェッテン城に向かう。だが、城の主人・シュメルツァー公の碧い双眸を見た瞬間、レオポルトの胸にかつてない感情が湧き上がる―。しだいに明らかになる失踪事件の謎。そして、シュメルツァー公出生の秘密。二人が城で見たものは黄昏のハプスブルク家が生み出した耽美な迷夢だった―。
えーと、ちゃんと粗筋を読まずに本編に突撃してしまったせいか、最初何の疑いもなく、ああ、生まれたときから一緒だった親友同士が、ついに友情の壁を突破して恋に落ちるのね……! と信じ込んでおりました。
しっかしどっちが受か攻か判別いたしかねるなー、私の腐女子センサーもガタがきたのか……と思ってたら、なんとカップリングになるはずの親友の片割れが死んじゃった!
えー、BL小説相手に何言ってるか分かんないと思いますが、大丈夫。
私も何が起こったのか分かんなかったですよ。
そこでハタと気づいたわけです。
そもそもこいつらのカップリングのお話ではないことに!
上記紹介文を見れば歴然としております。
主人公レオポルトのお相手は、事件解決のための出張先で出会った、妻子持ちで実は皇帝の隠し子(?)でもある美貌の青年でした。
性別的にも身分的にも禁断の愛でした。
ですよねー……デビュー作でいきなりカップリングの片割れが昇天とかないですよねー。
よかったよかった。
展開的にはかなりハードで、シュメルツァー公は実の父親と関係があったり、妻であるマリアが独占欲と恋心を暴走させまくって調査に来た軍人さんたちをあの世に送り込みまくったり、攻さんもその親友もマジでこの世とさよならしかけるし、色々と大変でした。
BLってあんまり女性の存在感がないものですが、マリアさんの存在感はマジ半端なかったです。つーかレオポルトより目立っていたのではないか。見ようによっては、男に夫を奪われ続けて発狂したマリアの物語と言えなくもないです。
彼女も好きになってはいけない相手を図らずも愛してしまってそのせいで親兄弟を失っていたり、2度目に愛した夫は男に奪われまくったりと気の毒な女性です……。
歴史ベースでミステリっぽくもあり、かなり濃いお話となっております。
ついでに言うと肌色シーンはかなりかなり控えめなこともあってあんまりBLっぽさがないです。
……いや、よくよく読めば肉親相手だったり男同士の関係があちこちに転がってたりと、受さんはけっこう泥沼な男性遍歴の持ち主なんですが、描写シーンの少なさにうっかり「大丈夫なんじゃないか?」と思わされるのです。
最終的にはレオとのカップリングは成立するのですが、どうしてもウィーンにやってこない受さんと一緒に暮らすという流れにはなりませんでした。
頑固な受さんですが、そこが可愛い。
なんだかんだで、みんなそれなりに幸せっぽく終わってほっとしました。
まあ、歴史的に見て個々人は幸せでも、国はすごい勢いで傾いていく時代の話なんですけどね……
あ、ちなみに死んだと思ってた親友は実は生きてました!びっくり。
↓WEB拍手です↓
アキミ
日本だと一族だから同姓ですけど、ヨーロッパの場合は同名がざくざく。
他人なのに同姓同名とか平気です。
だから、もう誰が誰やらわからりづらいのは当然なんですよ。
なぜなら、キリスト教徒の場合多くが「聖人」という祭られた人たちの
名前のうちからつけるしか、選択できないからです。
イタリアとかフランス当たりは昔は法律でそう決まっていたそうです。
そんなに人数いるわけでもないし、人気の聖人は決まってるので
そりゃ当然、被りまくっちゃうわけですね。
一応有名人は「○○の誰々」とか、別名はついたりするんですけど。
今では違いますが、フランスは誕生日以外に名前の聖人の日をお祝いするので、聖人の名前じゃないとお祝いが減っちゃうので
フリーダムな名前はつけづらいんだそうです。
よって、未だに同じ名前の人がゴロゴロしているという。