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ボーイズラブ・レビュー
一穂ミチさんの新刊です。
この作家さんの書くBLは、出てすぐむさぼるタイプじゃなくて、じんわり焦らしながら読みたくなるのを待つタイプなのかなと、ここ数冊くらいで思いました。
派手な展開が一切無いのに読ませるってこれ、結構すごいことだと思うんですよね。
以下ネタバレ妄想注意！
紹介文です。
まだ客のいないバーで葛西草がダーツの矢を放ったとき、なじみの金子が見かけぬ顔を連れて現れた。行く宛がないというその男―同じ中学校出身らしい湯浅麦を、草はいつもの調子であっさり受け入れ、奇妙に心地いい同居生活を送ることに。やがて、来る者拒まずのようでいて誰からも距離を置く草が、ただひとり執着する対象に気づいた麦は…。
テキトーと無関心を身体にぶち込んだみたいな2人が、流れでなんとなく一緒に暮らし始めて、なんとなくなんとなくお互いが気になりだして、いつの間にか相手のことが気になりだして、意識し始めたら喧嘩なんかもちょっとして、気付いたらくっついてました、みたいなお話です。
実は中学校が同じで再会して、っていう話なのですが、あまり再会ものという印象はなかったです。
友達の金子くんは、良い味出してましたけど。
とにかく今回のカップルは、なんとなくとか、ふと気付けばとか、そんなんの連続です。
いや、実の兄に本気で恋してる受とか、デイトレにのめり込みすぎて妻に捨てられる攻とか、けっこうディープで派手な設定だと思うんですけど、なんぞこの淡い雰囲気は？ という感じ。
まあ外から見たら変わってたり泥沼だったりしても日常のなかにとけ込めばそんなでもない、のかな。と思いこまされてしまうような？
特に受さんね。
一方的に兄貴を好きになって、そんで失恋して、10年口きかないとかすごいよ。
お兄ちゃんの方が境遇的に大変だというのにこの弟と来たら！
お兄ちゃん、無事女の人と結婚できてよかったですマジで。
傍迷惑なカップルですけども、なんとなくまったりずっと幸せに暮らしてくれそうでほんわか。
就職するまで夜は我慢する！ って宣言した攻さんが、就活する前に雑誌のパズルとかを作るフリーっぽい職に就いてしまったあたりに、性格にブレがねーなオイってちょっと笑いました。
↓WEB拍手です↓
アキミ
