アナトミア (IDコミックス gateauコミックス)アナトミア (IDコミックス gateauコミックス)
藤 たまき

一迅社 2011-06-15
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ボーイズラブコミック・レビュー


会社が暑すぎて人間より先にPCがやられそうです。
湿度高くて気温高くておまけにホコリっぽいとか機械系には最悪の環境だよマジで。
扇風機回したら熱風で、もちろん人間の作業効率も低下して残業増えて節電になってるんだかなってないんだか微妙なところです。

まあ癒されBLでも読んで和もうかって気分にもなりますよ。
もはや栄養ドリンク的存在になりつつあるボーイズラブ……まあたまに栄養ドリンクかと思ったらパンチの効いた毒だったり強烈な睡眠薬だったりしますが、そのへんはご愛敬ってもんです。闇鍋みたいなところも楽しいですからね!

さて、藤たまきさんの新刊です。
復刊だそうですが私は初読み。

こっそり愛を信じてる、よいこのためのBL

だそうです。
なんか新しいキャッチコピーですよ。
安心して手に取れそうなコピーです。
個人的にはルビー文庫の昔のコピーが一番好きだけどねー。
私の中でこれを超えるこのジャンルのコピーはまだないです。

月の光でひそやかに読みたい本もある

ってやつ。月とBLはとても相性が良いと思います。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
美術学生のルーサは恋をした。それは、初めて知り得た甘くて苦い不思議な味。恋のお相手は奔放でエキセントリック、それでいて繊細な美しさを湛える美術教師のエバ。その胸に過去と傷を秘め、それらに翻弄されるエバに振り回されながらもルーサは恋に、エバにのめり込んでいく。エバの深遠な想いに触れてしまったルーサは…
人と想いと過去と未来が重なり合う、センシュアル・ラブストーリー。


子供の頃、近所の廃屋で後ろ姿に恋をした褪せた金髪のひとに恋をしたルーサ。
下敷きになってるモチーフがラプンツェルですからねー。
西洋方面が舞台で、ちょっとおとぎ話チックです。
そして受攻の両方が美術畑の人間です。
そりゃ浮世離れもしようってもんですよ。

エバは美術教師になっていました。
一風どころじゃなく変わっていて、奔放で、でも過去のトラウマを抱えているせいでひどく不安定なところもあり、とても炎を怖がります。
そんである時理性が吹っ飛んで襲い受になってしまいました。
先生なのに……!
そのくせその後で理性をかき集めて「付き合っても良いけどキスまでしかしない」とか言っちゃうのです。
それはひどいだろー先生。

ルーサはよく頑張りました。
年上なのに子供みたいなエバをがんばって口説きました。

なにしろエバのトラウマは結構重くて、大変です。
でも子供ながらエバは自分で考えて判断してエンリケについて行ったし、結果は残念なことになったけど現在に至るまで彼は後悔しているようには見えません。
たとえそれが、傍目には眉をしかめたくなるような関係だったとしても。
苦いけど大切なものを、エバはずっと抱えて生きているのです。

ルーサと出会って、いろいろ良い方向に向き始めて。
なんとなく精神的にも落ち着いてきて、このまま2人で幸せに時間を重ねていくんだろーなって思わせてくれる終わり方でした。
過去も現在もその先もみんな抱えたまま幸せになるといいよー!

そうしてふたりは、いつまでも幸せに暮らしました――って、うん、ちゃんとしっかりおとぎ話のようなストーリーじゃないか。
なんかこう……愛しい本です。

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