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ボーイズラブ・レビュー
翻訳BL2冊目。
どっちかというとこっちの方が好みだったかなー。
しかし前半と後半のテイストの違いにお茶吹きましたよ。
和製ボーイズラブと比べたら……もう差が歴然すぎてブラインドテイスティングしても見分けられるんじゃないかと思いました、小説なのに!
翻訳の萌え、濃いです、いろいろと!
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
恋人を上司にとられたうえに失業中のジュードは、"なにか"に呼ばれて夜の公園に行った。そこで、狼のように巨大な犬に遭遇してジョーと名づける。だが、犬の姿をしていても、ジョーは犬ではなかった。彼は異世界から来たオーエンという名の守護者で、ジュードの世界では犬の姿にしかなれないのだ。ジュードが自分の伴侶だと気づいたオーエンは、人間の姿に戻って求愛したいと思うが……。
狼!!
狼サイズの犬をさらにでかい犬が3頭で襲ってる場面で襲われてる方を助けようと思うとかすごい蛮勇ですよ!
前半は、やたらかしこい巨大犬とジュードのコメディタッチでお話が進みます。
恋人(男)を上司(男)に寝取られたジュードはやってられっかと仕事を辞め、就活中に犬を拾ったのでした。
この犬、ジュードがちょっといい男と楽しく夜を過ごそうとすると、ものすごい頑張って止めるんですよ。
頼もしくも迷惑なボディガードだったのです。
なんかもうこの前半の現代舞台のパートがすごく楽しくて大変でした。
ジュードは離職しますが、会社は売れっ子デザイナーでクライアントもガッツリついてる人材を手放すつもりはなく、彼の上司に何としても復職させろと厳命します。
なにしろ、復職させられなかったらおまえはクビだと宣言されるくらいですからね。
で、上司は頑張ってジュードの説得にかかるわけですが、何しろ事情が事情です。
しかも浮気相手とまだ上手くいっているならともかく、既に破綻しているのです。
理性に負けて部下の男を寝取った挙げ句に自分の首が飛んだのでは格好が付きません。
しかも。
本気で爆笑したんですがこの上司、相手の属性を確かめもせずに浮気に踏み切ったんですよ!!
浮気したは良いが両方とも攻志望だったとかもう笑うしかないよね!
攻×攻じゃどーしようもありません。
ちょい役の当て馬ズのクセに設定にパンチ効きすぎですメアリー先生!
海の向こう独特の表現とか言い回しも楽しくて、いやー、良い本ゲットしたぜ!
とウハウハでございました。
そんで、こんなにコメディで愉快な前半から一転して、後半は異世界にトリップして純度100%のシリアスファンタジーが始まりました。
いやもう実際何が起こったのというくらい空気が違って流石にびっくりしました。
なにしろ脳みそはコメディのままなのに、いつの間にか登場人物達は異世界で真剣に国がどうの王様がどうの裏切りがどうのという話を始めるのです。
かしこい犬はイケメンでガタイの良い男に変身しておりました。
ジュードはなし崩しに口説かれて、落とされて、ふたりは屋根のあるところまで待てずにお洋服を脱いでしまいます。
え、え、え、えええ!!!?
と目を剥いているうちに愛が芽生えて物語はどんどん進みます。
ものごっつ正統派のハーレクインロマンスでした。
これはこれで楽しかったんですが、2作に分けても良いんじゃないかしら、ってくらいテイストが違ってね……。
1冊で2度美味しい! ってなるか混ぜるな危険! てなるか微妙なラインです。
総合的に色々楽しすぎたので私は大好きですけども!
あとねー…………………。
もうねー、肌色シーンがねー、決定的に即物的なの、表現がすごいの!
英語の語彙だとこうならざるを得ないのか、この作家さんの作風なのかはまだ分かんないんですけどね。
とにかく使われる単語がもう。
いや……みなまで言うまい。
ぜひ現物で読んでいただきたい。
思い出しても笑えるのがね、書いちゃうよ、書いちゃうからね……1個だけね…………
しわの寄った穴
え、いや……あの……、うん?
細部が漢字だったか平仮名だったかは衝撃のあまり忘れた。
いやしかしまさかBL読んでて単語だけで笑う日が来るとは思わなかったんだけど、これ英語で何て書いてあったんだろう。
和製だとそりゃもう色々、きれーにぼかすじゃないですか、菊花とか菊門とかアソコとか、双丘を押し開いて慎ましく隠された蕾をとか、最奥の秘所をとか、パッと思いつくだけでもけっこう色々と奥ゆかしい表現じゃないですか、しわの寄った穴に比べたら!!!
とにかくあらゆる言葉が即物的で、すっごく新鮮でした、いやまじで。
肌色シーンはかなり濃いめだったんですが、色気よりも度肝を抜かれた気分です……。
メアリー先生の2作目が大変楽しみです。
もうファンですよ、マジでファンレター書きたいよ!
↓WEB拍手です↓
アキミ
「翻訳BLって、どうなのかな〜」と思いながら 感想を拝見させていただきましたが、これは!!
もう、パンチがききすぎて、笑いが止まりません!
日本語って、奥深く慎ましいものだと 改めて思いました。
このストレートな表現が、翻訳BLの良い所になるんでしょうね(笑)
いやぁ・・・日頃 BL小説をあまり読まないんですが、これは本当に気になります。
また お伺いしますv