真珠とカナリヤ (幻冬舎ルチル文庫)真珠とカナリヤ (幻冬舎ルチル文庫)
雪代 鞠絵 広乃 香子

幻冬舎コミックス 2011-02-15
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ボーイズラブ・レビュー


明治っぽい時代の身分差ボーイズラブです。
微妙にレトロな雰囲気があって近代設定のお話は大好き。

表紙の受さんは紅色の振り袖を着ておりますが、もちろんボーイッシュな少女じゃなくて線の細い可愛い少年です。
性別はレーベルで判断しましょう。
これがコバルト文庫の表紙だったら少女でも違和感ないです。
逆にBL系レーベルだったら100%男です。

……そう思うとおとなしめの表紙は一般人には立派なトラップですよねー。
最近、弟はどんなに控えめな表紙でも一発でBLと非BLを見分けるようになってきました。
就活の際は趣味・特技の欄に書き込ませてみようかしら。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。


貧しい村に生まれた千冬は、唯一の肉親である母を亡くし借金のカタに花街に売られてしまう。辱めを受けそうになり、北国の冷たい冬の海に身を投げた千冬は、奇跡的に浜辺に流れ着き玖珂伯爵家当主・玲人に助けられる。ショックで声の出なくなった千冬に、癒えるまで屋敷に滞在するよう優しく声をかける玲人だが、千冬は「華族」が嫌いで…。


母親が華族の男に捨てられたせいで華族嫌いの千冬ですが、売り飛ばされた花街から逃げて海に飛び込んで流れ着いたところを助けてくれたのが、その華族様でした。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと言わんばかりに、華族と聞いて怒りを覚える千冬ですが、結局所属する身分よりその人自身ってことで、次第に惹かれていきます。
惹かれていくけど身分違いで男同士で、しかも重なったショックのせいで口もきけず、イマイチ意思の疎通が上手くいきません。

彼らのちょっとぎこちないコミュニケーションが大変微笑ましい見所となっております。
華族である攻・玲人も、なにやら偶然見つけて連れ帰った少年が気に入って気になって手放す気になれません。
こっちも、憐れな少年を大事に思うようになります。


個人的には玲人の友人で財閥の御曹司・叶世と玲人の組み合わせも楽しそうだなーと思っていたのですが、あいにく叶世は女の人専門で、三角関係な泥沼展開は回避されました。
まあ代わりに彼の妹が出てきて色々と引っかき回してくれましたけど。

あれこれ小さなハプニングが重なり、ある時、玲人の理性が消し飛んで同意なく千冬を押し倒してしまいますが、その事件をきっかけに彼らの関係が変化して、一気に心が通うところまで話が進みます。
まあ、あのままお互い草食系なまま話が進んだら最後まで辿り着くまで3冊くらい必要だったかもしれないので、致し方ない部分もあるかなー。
まあリアルでやったら確実、手が後ろに回りますけどね!
BLなら許されるし萌えるのです、さすがファンタジー。
愛してるぜ!!

結局2人はごく小さい頃にも一度であって心を通わせたことがあり、なんと玲人の初恋の少女と思いこんでいた相手が千冬だったという、ファンタジックなミラクル落ちが用意されておりました。
どんだけすごい確率だよ!

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