この夜のすべて(ミリオンコミックス) (HertZシリーズ)この夜のすべて(ミリオンコミックス) (HertZシリーズ)
ミナヅキ アキラ

大洋図書 2010-09-25
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ボーイズラブコミック・レビュー


このコミックス、今年読んだボーイズラブの中で一番グッときて面白かった作品かも……。
いやほんと、昨日2回読み返しちゃったですよ。
このエントリ更新する前にも読んだですよ。

せつな系ですが悲劇じゃないのでハッピーエンドしか受け付けない腐女子さんでも問題なく楽しめるはず。 この作家さんの前の作品、今夜はテイクアウトにても良い感じでしたが、これは別格。

どうしようもう大好きだ!!!

以下ネタバレ妄想注意!(珍しく結構詳細にネタバレしてます)


紹介文です。


心を殺さなければ・・・
ある政治家の私設警護班『士旗の会』に所属する七青は、新入りの葵の教育を任せられる。 軽薄なようでいて汚い仕事も淡々と確実にこなす七青と、優秀な腕と頭脳を持ちながら潔癖で純粋な一面がある葵。 水と油のようにまるで性質の違うふたりだったが、息の合った連携で次々と功績を上げていく。 しかし、葵にはある秘めた思いが胸にあって・・・
闇に生きる男たちが辿り着いた先とは?


なんかちょっと時代設定が明治初期っぽい。
戦争が終わって新しい世の中を作っていくぜ! くらいの黎明期の混沌とした感じがなんとなく。
あと刀とか出てくるし、洋装と和装がどっちも出てきます。
着崩した和装ほど色っぽいものはありません。日本の心です。

攻の七青は戦争で生き残ったものの、目的も守る物もなにもなく、腕だけがありました。
そんなところをある政治家に拾われ、彼のために刀を振るっています。
七青の仕事は色々で、腕が立つので暗殺とかも任されていたよう。
そして、怪しい新人の検分も。
不穏な(復讐目当てとか)目的で組織に入ってきた新人を監視し、尻尾を出したら始末してきたのです。

そして2年ほど組む相手のいなかった七青にあてがわれた新人・葵。
やけに立派な刀は一度も使った形跡が無く、本人も覚悟は決めてきたと言うが自分で人に手を下したことはなく、任務後に気が立た上司に身体を使って鎮めろと言われても何を言われているのか本気で理解できない純情っぷりが眩しすぎるTHE・受様です。

この新人に、七青がはまりました。
七青は葵のてを汚させたくなかった、それだけのために、任務だろうと彼に手を下させなかったし、押し倒そうとしたのも最初だけ。
大事に大事に守ったわけです。

なのに、葵は復讐者でした。
でも、始末する事なんて出来ないくらい、もう七青には彼しかいなかったんですね。
流されるまま生きていた七青は初めて自分の意志で刀を振るい、葵の仇――自分を拾って居場所を与えてくれた政治家先生を斬りました。
そして二人で逃亡して二人で生きていくのでした。

何も持って無くて何も欲しくなかった七青は、「お前だけだ」という男に出会い、復讐しか生きる目的が無かったのに七青に敵討ちを先回りされた葵は、いつの間にか七青が自分になくてはならない男になっていた事に気付きます。

互いにとって互いの存在だけが唯一絶対。

現実世界ではまずお目に掛かれない、それ故になんと甘美で耽美なファンタジー!
なんかもうすべての台詞が私の萌えスイッチを猛プッシュしてくれます。
もうたまらん!
脇を固める男達もいい男が揃い踏みだし、なんておいしいんでしょう。
これ、CDになったら買ってしまうかもしらん……。

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