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ボーイズラブ・レビュー


ボーイズラブには珍しい上下二段打ち+上下巻という結構なボリュームで読み応え抜群の本作。
しかもタイトル通り海賊モノでございます。

忌まわしい連日の残業と休日出勤にもめげず、〆切なんて消えてしまえと悪態をつきながらようやく昨日の晩に読了しました。

さらっと読めるのも好きですが、重量感のあるのはもっと好きです。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。
洋上任務を終え、帰国の途についていた英国海軍のフリゲート、インヴィンシブル号。その艦上にいた英国海軍将校のキャプテン・コリンズは、カリブ海を航海中、背中に深紅の鳥の刺青を背負った男を救助する。彼は海賊“ルビー・モーガン”の船長、山猫と恐れられるキャプテン・スカーレットだった。山猫を捕縛したコリンズだったが、偽ルビー・モーガン出現の報を受け、その討伐のため、嫌々ながらも山猫と行動を共にすることに…。

英国海軍のキャプテン・コリンズと、山猫と呼ばれる海賊キャプテン・スカーレット。追う者と追われる者、対極にいる二人だったが、同じ獲物を追ううちに再び巡り合うこととなった。コリンズを掌中に収めたい山猫は、あの手この手を使って彼を海賊に引き込もうとするが、いずれも空振りに終わる。業を煮やした山猫は、ついに強硬手段に出るが…。相容れない運命の二人の関係に、遂に終止符が打たれる―。


リンクスノベルだから山猫なんかなーとどうでも良いことを考えながら読み始めました。
今回のカップルは王道と言えば、ど真ん中真っ正面の組み合わせです。
社会的に敵対する相手とのラブロマンスです。
例えばやくざ×警察とか、検事×弁護士とかそんな感じです。
海軍×海賊です。
ボーイズラブじゃなくてもけっこう萌えます。

なんと海で漂っていたところを海軍に助けられた海賊が、その海軍と一時的に手を組んで別の海賊退治をし、そのあれこれの間に裸の付き合いをするようになってしまうのでした。
船に女を乗せるのはNGでも男同士の色事は特に問題ないんですね船長!


とにかく基本が取り締まる側と取り締まられる側の恋愛なんで、ベタベタ甘甘のラブラブハッピー! という事にはなりません。
どっちかっつーと、どつき漫才というか綱引きというか駆け引きが前面に出てます。なかなか小気味よくて面白い関係です。
海軍、こんなに海賊に甘くてもいいのか!?
と思わんでもないですが、だからといってあっさり捕まえて吊されたら、ちょっとジャンル的に不都合ありまくりなんで目を瞑るが吉です。

なんとかコリンズを海賊に転職させようとする山猫と、そうはいかんと踏ん張るコリンズのやりとりが、なかなかツボにはまって面白い。
荒事の得意な海賊のこと、もっと激しく派手にやらかしてもいいような気もしましたが、あんまりやりすぎたらコリンズもマジ切れしそうです。

結局、最後まで綱引きの決着はつかず、つかず離れずボチボチやっていきましょうや、と言う感じて手打ちとなりました。
まぁたしかに、これでコリンズが海賊に転職する決心して船の上でラブラブロマンスとかやられても興ざめなんで、これでよかったのです。
やっぱりちょっと物足りない感はあるんですが、ゲロ甘で砂糖まぶしのラストよりは……と己に言い聞かせて納得したのでした。

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