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ボーイズラブ・レビュー


昔、コバルトでボーイズラブを書いておられた作家さんです。
ずいぶん久しぶりにお名前を拝見しました。
いやー、懐かしい!

以前読んだドラマとか春恋。を思い出しました。
また書いてくれるんだなーと嬉しくなりました。
しかも今回は正真正銘、ボーイズラブレーベルからの作品です。
この数年で何か吹っ切れたりしたんでしょうか。

相変わらず切ないお話が得意な作家さんです。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。
高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず―。切なく心揺れるラブストーリー。

何かめっちゃハートフルな紹介文なんですが、今回の攻・成瀬は、夜のバイトをしている藍に、素肌に白シャツで、下には白のソックス! という、なかなかイケてるリクエストをしてきた猛者なんです。
好きな格好でお相手をしてくれるとはいえ、なかなか乙な趣味ですな。
と思っておりました。
しかも、そんなリクエストをする割に、契約した時間中、おしゃべりして抱きしめるだけという超絶・奥手な男だったりします。
逆に引かないかそれ? と思うわけですが、当人が良いんならまあいいか……と藍もなんとなく言われるまま抱きしめられるだけで、でもなんとなくその関係がホッとできて良い感じだなーとなっていくのでした。

だいたいBLって、受か攻のどっちかが押しが強かったり天然だったりしてお話をぐいぐい引っ張って、最後はベッドへ! な展開が多いわけですが、今回は二人ともがかなりの引っ込み思案かつネガティブシンキングなものですから、読んでる側はひたすらもどかしい思いに歯噛みすることになります。

そこはいっとけや!
とか拳を握りしめるのは紙の向こうの腐女子だけ……という、微妙な独り相撲
や、いいんですけども。


脇にいる、鬱陶しいくらいに天然闊達な野宮とかが良い味出してて好きでした。
アンタが出てる場面だけ妙に明るく光って見えるよ! みたいな。

ついでに、藍が夜のバイトをしていると知ってからの古本屋店長のセクハラは、あり得ないレベルのウザさでございました。
藍はよく我慢したよ……。


出会いは夜の怪しげなお店なのに、なんというか、いやらしさがほとんどない、ひたすら切ない感じにちょっと心が洗われました。

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