妹が引越前の部屋整理をしています。
たぶん、奴の荷物の半分以上は本です。
大半は処分するとか言ってますが、おまえこの前ホモ御殿解体したんじゃなかったの?
と小首を傾げたくなるほどのあれやこれやがザックザクだったようです。
妹の部屋の奥にはボーイズラブが湧き出る泉でもあるんでしょうか。
……この後妹の部屋には弟が入る予定なんですが、うっかり彼がそこを掘り当てないよう祈りたいものです。

で、その整理のドタバタを他人事のように眺めていたんですが、一息つきにリビングにやってきた妹は、それはそれは可愛らしく笑いながら曰いました。


「姉さんに返す本、なんかいっぱい出てきたわぁ」


!?




返すって何を……?
ていうかほら、私の部屋の本棚とかもうすでにパンクしてるし?
あれとかそれとか長期貸し出し中で、それが並んでた本棚にはすでにこれとそれとが入居中で、つまり何が戻ってきても綺麗に収納できる場所とか皆無なんだけど?

途方に暮れている私にはお構いなしで、妹はよいしょと荷物を私の前に運びはじめました。


ダンボール単位で!


しかも。


「氷の魔物とシルバーダイヤモンドは預けるから。
シルバーの方は代わりにこの先集めといてな~


私の部屋はテメェのボーイズラブバンクじゃねぇ!
つか、数ヶ月に1冊・新刊六百円弱って。
どんだけ高い利子を要求するんだおまえは!

「だって姉さんだって読むやん。Yちゃんも読むし」

しれっと言うな!
他にもあれやこれやと運ばれ、挙げ句、

「これ面白いで。暗くてドロドロやけど!」

と言いながら少女マンガまで持ってくるわけです。


もう、肌色率8割超えのおにーさん達が、純白シーツの上でくんずほずれつしてるよーな表紙の本ばっかり集めてあいつの旦那宛に送りつけてやろうかと思ってしまいます。


ちなみに弟はテニプリなどの少年漫画系のあれこれをまとめて押しつけられた模様。
よりによってテニプリ。
しかも最初の10冊くらい。
うーん……なんかちょっと心配です。


私もそろそろまた部屋の整理をせねばならないようです。
ふう。

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