恋の記憶 (SHYノベルズ)恋の記憶 (SHYノベルズ)
山田 ユギ

大洋図書 2008-12-11
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ボーイズラブ・レビュー


相変わらず、切ないお話が得意な作家さんだなー。
Jガーデンで買った同人誌が、ちょっと怖くてまだ読み始められない今日この頃。
↑なぜならお題モノで、そのお題が「ハゲの30歳以上の主人公で脇キャラがパンチパーマかリーゼント」……リアルでへろへろの時に読むにはあまりに濃い設定なので、ははは。

で、商業誌から先に攻めることにしたわけです。
今回は幼馴染みが久々に再会して~というお話でした。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
『淋しいだけじゃ、俺はひとを好きにはならないよ』
姉の結婚式の日、理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。高校にあがるまで、ふたりはとても仲のよい従兄弟同士であり、理也にとって高成といる空間はひどく居心地のいいものだった。
けれど、ふたりの間にはなにか曖昧なものが忍びこみ、いつしか距離をおくようになっていたのだ・・・結婚式の夜をきっかけに再び一緒の時間を過ごすようになったふたりだが、曖昧だったなにかが露になってゆき!?

ストーリーとしては、小さい頃から攻が受のことを好きだったけど、受は気付かず、高校進学と同時に疎遠に。で、社会人になってから姉の結婚式で再会して、色々と動き始める――という大まかな流れがあります。
由緒正しい幼馴染みモノです。

攻・高成は受・理也のことがほんとに好きなんだけど、受はなかなか踏ん切れない。
で、踏ん切る前に一回、敵前逃亡してしまうわけです。

ここで、攻は追いかけないんですよ。
この、理也の出した「付き合えない」結論を受け入れてしまうんです。

「理也の『答え』がノーなら、俺はもう会わないよ。一銭を越えるのは、その覚悟だったんだ」

恋人になれないなら、友達としても従弟としても、もう会うつもりはない、会わないと覚悟を決めて、ずっと思い続けてきた相手に手を出したんですねー。

強引に囲って抱きしめていやよいやよも~で押しまくって、鼓膜が融けそーな甘い言葉で口説いてくれる攻も好きですが、今回はこの高成の覚悟が美しいと思いました。


最後は良い感じでくっついちゃうんですが、この1冊の中では高成が理也の「友達に戻りたい」という願いを断る場面が一番好きです。
なんか男らしい! と思って。

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