愛の言葉を囁いて愛の言葉を囁いて
いとう由貴

笠倉出版社 2008-08-08
売り上げランキング : 8262

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ボーイズラブ・レビュー


疲れてくると、パッパラパーと頭に花の咲いたような肌色ストーリーが読みたくなるのはなぜでしょう。
久々にエ口メインのボーイズラブを読んだ気がします。

というか、ここ最近のBL読了リストを思い返してみたらほぼ三分の一がアラブでした。
昔は避けて通っていたというのに。
どうも病んでくるとアラブが読みたくなるらしいです。

でもこの作品は、肌色物語ですがアラブではありません。
攻はアメリカの大企業総帥の金髪男で、舞台が日本とアメリカだったからです。
……が、粗筋はアラブと似通ったものがあるとは思います。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

「教えてやろう――男に愛されるすべてを」
ハートリー・グループ総帥のジェラルドに見初められた春彦は、契約を結ぶ為に身体で接待をさせられることになる。半ば騙された形での拘束に春彦は抗うが、逆らう毎に繰り返される淫らなお仕置きに、心は次第に麻痺していく。人格を無視され、人形のように抱かれる日々。ジェラルドにとって自分は恋人でなく、所詮愛玩物でしかないことに戸惑いを抑えられなくなった春彦は脱走を試みるが!?

傲慢自己中のゴーイングマイウェイアメリン野郎が今回の攻様。
大企業の総帥がちょっぴり日本の文化を勘違いしてひとりの日本人青年を自分の接待に回させるところからお話は始まります。

「接待だ、春彦。日本ではこういう接待があるのだろう?」

こういう接待というのが、「私の気に入った男性社員を差し出せばアンタの会社と契約してあげても良いけどどうする?」といってその男性社員を裸に剥いてあれこれさせることなんですから、もうどーしようもありません。
つかこれ、接待と言うより脅迫なんじゃ……と恐る恐るツッコミを入れつつ読み進むわけですが、世界は俺を中心にまわっているぜといわんばかりの攻様の勘違いは止まるところを知りません

会社の為に身体で接待と言われてうっかり丸め込まれそうになる23歳というのも色々どうかと思いますが、たぶんこの攻が相手では本気で嫌がったところで無駄だったような気もします。


いやだと言ったらお仕置きだ。

と言いながら、いやって言わなくてもそうするつもりだろアンタ! なコトをどんどんやっちゃう攻。
ここまでストレートというか捻りなく、いやよいやよも好きのうち、カラダから始まる真剣な恋だってあるんだよ+玉の輿ストーリーは、ある意味いっそ清々しいのかもしれません。

とにかく複雑なことはなーんもなくて、ひたすら肌色シーンがあり、次の肌色に至るまでのあれこれがあってまた肌色に戻り。

強引な肌色接待にはじまり、その先の脱走、拉致、奪還、仲直り、という4STEPをすべて肌色ベッドシーン絡みで進行させた、ある意味見事な作品でございました。

もう、色々楽しすぎます。
読み終わったらなんか世俗の様々な問題がほんの些末事のように思えるから不思議ですね。

しかしそれにしても、いくら一生、囲って愛してあげるよ私のお気に入りとか甘い言葉を垂れ流されても、アソコの毛を永久脱毛は……いくらなんでも受が哀れに過ぎると思うのは私だけでしょうか。

    ↓WEB拍手です↓
   web拍手