どうしても触れたくないどうしても触れたくない
ヨネダ コウ

大洋図書 2008-09-01
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ボーイズラブ・レビュー


本屋さん平積んでくれててありがとうっ!
表紙がステキで表紙買いして大当たりという、なかなかに心地良いというか、爽快感のある作品でした。

コミックスでここまでキたのは久しぶりかもしれないです。

オフィスラブで上司と部下なのです。
順当に上司×部下。
日常に溶け込んだボーイズラブという感じです。
アラブの大富豪も、財閥の跡取り息子も執事も王子様も出てきません。
ふっつーの会社とその周りがメインのお話。
でもそこがイイ!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

新しい職場に初めて出社した日、 嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。
それが、新しい上司・外川との出会いだった。
無遠慮で図々しいように見えて、 気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、 傷ついた過去の経験から、一歩踏み出せずにいる。 一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも 外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。 好きだけど、素直にはなれない・・・
不器用な想いの行方は?


初めはなんとなくその場の流れと勢いで始まった関係だったのに、いつの間にかはまってる……あんまりムードはないけど、いかにもありそうな出会いでお話は動きはじめます。
外川、この攻は良いです。
大雑把なのに、押さえるところは押さえてくる男。
で、要所要所を押さえられて、ノンケにはもう手を出すまいと思っていた嶋はあっさり陥落。ノンケには懲りてるんで。と、コトが終わった後にまったく説得力の無いセリフを吐き、外川に、

「その割には理性が緩いことで」

と突っ込まれておりました。

こんな感じで身体の関係はあっさり出来上がり継続するのですが、そこに心がなかなか追いつけません。
外川が家族に憧れているのを知った嶋は、彼にそれを与えてやれない自分は傍にいられない……と思い詰めていきます。
どうして自分が男なのか、子どもも生めない不毛な恋なのに、気持ちは止められません。

せーつーなーいー!
これが男女で不倫カップルだったら、たぶんまったく同情できないと思うのに、男同士だというだけで胸にくるんでしょうかねー?
(どうして彼の奥さんは私じゃないのか、結婚も出来ない不毛な恋なのに、この関係を終わらせられない! って言われてもあんまりグッとこないわけです)


そんなこんなで、嶋に、俺じゃあなたに家族を与えてあげられないから、と振られた外川。 もう外川は嶋に本気なんです。
でもその嶋は、外川が憧れる家族をつくれないからもうこれ以上付き合えないと言います。 嶋は、外川が過去に得られなかった家族を、今度こそ作って欲しいと思ったんですが、外川が欲しいのはもう家族じゃなくて嶋だったのでした。

俺に過去を恨めって言うのか


うううーっ!
過去のせいで好きな男が手に入らないなんて辛いよね……。


臆病な嶋が最後の一歩を踏み出して何とか納まるところに納まってくれてホッとしました。 セピア色のBL版昼ドラに、腐女子はお茶の間ならぬ自室でちょっと涙腺を緩ませたのでした。

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