三千世界の鴉を殺し(14)三千世界の鴉を殺し(14)
津守時生

新書館 2008-11-10
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ボーイズラブ・レビュー


1巻で筋肉ダルマどもに腕組んでスキップさせていた、超絶美形長髪不良大尉の物語もはや14冊目。
けっこうな冊数です。
さぞかし話が進んだんだろうと思いきや、なんと作中時間は2ヶ月くらいしか進んでおりません。いやいや、シリーズ始まってすでに10年ですよ。
10年かかって2ヶ月って!

どんな浦島太郎物語でしょうか。

竜宮城で日々楽しく遊んでる訳じゃないので、話が3年くらい進んで完結までの道筋が見えた頃には、私は干からびてペラペラになっているかもしれません。
3倍くらいの早さで進めてちょうどくらいではなかろうか。
ちょっと表紙を赤くしてみるのも手だと思います。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

ニコルを狙う砲撃はやまない。やむなく流民街の真ん中で、装甲車を降りる一行だが、今度は生身のニコルを銃弾が襲う。“もう一度逢いたい、ルシファード—”。薄れゆく意識の中、ニコルは視る。現れた彼の頭上に輝く、王家の星を…。ルシファの不倶戴天の仇敵、アルジャハル教授登場。破壊と混乱、衝撃のシリーズ最新巻。


粗筋を読んでもなんのことかさっぱり分からないほど、前巻までの流れが脳内から美しく消失しておりました。まったく、大した記憶力です。
でも1年も新刊が出ないのに、主人公の友人が敵に狙われてカーチェイス&銃撃戦の真っ最中! なんて半端なところでぶつっと終わって待て次巻って、それはどうなんでしょうか。
そんな、週刊連載の引きじゃないんだから……ふう。

そして1冊前の復習をしようと思って自分で書いた感想を読み返しに行ったら、同じようなことが書いてあって、ああ、私も全然進歩しとらんわ、と思いました。
前巻の時もリアル世界では忙しくてへろへろだったらしいです。でもこの時はまだ下っ端だったんですが、なんか今やタログ編集の責任者になってるわけです。
時の流れを感じますね……全然、感じたくないんですけど。

で、その銃撃戦。何とか切り抜けたのは良いんですが、ルシファの部下&友人が負傷して重症。友人のニコルなんか、助けたと思ったら心肺停止、そこも乗り切ったと思ったら今度は記憶喪失です。
なんだこの不幸の三連打は。
ルシファをリーダーに進められつつある、「この星に巣食う悪の組織を根絶やしにするぞ作戦」は大打撃です。
こんなに障害ばっか発生させて、これ以上ストーリーの歩みを遅めてどうするつもりなんでしょうか。また1年以上放置プレイを食らうのかと思うとちょっと涙が出そうです。
せめて半年に1冊出てくれたらなぁ。

ちなみに自分はホモじゃない! 軍内BL雑誌は愛読しても三次元は絶対遠慮!!
と言い張る主人公のルシファの、今回の台詞。

「あんたが俺なんか知らないと言ったら、俺はあんたごとこの惑星を砕いていた」

「俺の一番じゃないあんたなら用はない。わずらわしいから、みんな消す

あんたというのが、とっても美人でマッドなサイコドクター(♂)
ルシファは、星をまるっと消し飛ばせるくらいの強烈な超能力が使えるのです。
使えるからといって、大好きな人が頭打って記憶喪失になったくらいで星ごと砕かれても困ります。傍迷惑にもほどがあります。

なんか色々と大事なところが欠落していて先行き不安な主人公ですが、同じくらい、このお話のゴールの遠さにも不安を感じる今日この頃でした。

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