青空の澄んだ色は青空の澄んだ色は
天禅 桃子

大洋図書 2008-08-25
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ボーイズラブコミック・レビュー


爽やかで切ない。

オビは

「憧れが好きに変わる」

と、まんま直球です。
学園モノで教師×教師(元生徒)。
設定だってたいして目新しくありません。

なのになんでこんなにときめくのでしょうか。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
教師を目指す杉浦秀は、講師として小学校に赴任する。そこで、秀が小学校の時担任だった深田龍二と再会する。秀にとって、深田は憧れの人であり、心の支えだった。再び会えたことに驚く秀だったが、昔の印象とは違う深田に戸惑いを感じる。しかし、次第に深田への想いは形を変えていき…

小学校だった自分に、何があっても守るという言葉をくれて、支えになってくれた憧れの先生との再会。
話はそこから始まります。
格好良かった先生は、今やずぼらでだらしないオッサン教師と成り果て少なからずショックを受ける杉浦先生。

でも、ずぼらと見せかけて柔軟性がある、生徒を見て対応を変えられる臨機応変さを持つベテラン教師なんだと気付くのにそれほど時間はかかりませんでした。
それでも、当初のようなひたむきさが見られなくて、そのことを残念に思う杉浦先生。

ぐるぐると色々考えてドツボにはまっていく杉浦先生は、いつの間にか元先生で同僚に恋心を抱いていたのでした。


一方の深田先生も、徐々に杉浦先生が気になり始めます。


小学校で男性教師同士が密かに恋愛という、割と不埒なことになっていますが、不思議とふしだらな感じはしません。


沈みがちな杉浦先生を励ます為に、深田は昔生徒に見せいていたとんぼ返りを見せるべく密かに特訓します。で、二人しかいない体育館で鮮やかにとんぼを切って見せます。
なんのことはない、ただのとんぼ返りです。
それでも杉浦先生には、自分を守ると断言してくれた大好きな先生を思い出させてくれる特別なものでした。

日常の中にあるカタルシスと言うんでしょうか。
当たり前なのに特別なことがある、と思わせられる見事なとんぼでした。


男の裸に萌えるんじゃなく、関係性に萌えるというのは一種の真理だなと思わせてくれた作品でした。

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