捨て猫の家捨て猫の家
井上 ナヲ

大洋図書 2008-09-01
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ボーイズラブコミック・レビュー


吸血鬼モノです。
お相手は人間です。

気まぐれで拾った人間の男の子を育てる吸血鬼のお話。
柔らかくて繊細な感じの絵で、ストーリーも絵にマッチしていて素敵でした。

表紙もきれいです。
何事もなかったかのように本屋さんで買えました。


しかし、ただ繊細で切ないだけのお話と思うなかれ
私は心底びっくりしたのですから。


以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

■■永遠を誓い合う 最初で最後の 本当の恋■■

ひとり孤独に生きてきた吸血鬼のエドは、ある日、気まぐれから 捨て子の少年フィルを拾い、以来一緒に暮らしている。 好きだと言い、無邪気になついてくるフィル。 そんなフィルにエドは欲情し、戸惑う。
この気持ちは・・・
長い間忘れていた感情に支配されたエドは、フィルにくちづけるのだが・・・


気まぐれで拾って家に住まわせていた少年は、素直で可愛くてとても良い子でした。
吸血鬼のエドは、いつの間にかその少年のことを意識するようになり、そこ事実に戸惑い、突き放し、一度は追い出してしまいます。
が。
離れてみて、昔なじみに背中を押され、気付きます。

運命は起こるべくして起こるもの

恋は落ちるべくして落ちるもの

「君は見つけてしまったんだな…君と時間を共有できる者を」

そして、追い出されてあっと言う間に売り飛ばされてしまったフィルを探し出し、ヘンタイ親父の元からあっさり奪還。
二人は永遠を誓います。
フィルはエドの血を飲んで、吸血鬼と同じ時間を生きることに。


実に美しい、素敵なお話です。
おとぎ話のようです。
しかし。
グリム童話でシンデレラが王子様と幸せになったあと姉にえげつない復讐をしたように、ボーイズラブには永遠を誓った後の行為が不可欠です
お洋服を脱いで二人で楽しむアレですね。


気付いてた? 僕の手 エドの手より大きいんだよ
背だってそう
僕だっていつまでもエドに手をひかれる子どもじゃないんだよ


……?

大人になればエドにこうして触れることも許されると思ってた

!?

エドが全部僕のものになればいいのに

ええええええええええっ!!!?




いやね、私はオビのあらすじを読んだ瞬間から、吸血鬼×人間、つまりエド×フィルを想定していたわけですよ。
なんつーかほら、源氏物語の紫の上のような?
好みに育てて、その上でおいしく頂こう的な。

それが蓋を開けてみたら、元人間×吸血鬼ですよ。

「受だと思ってたら成長して攻になってしまったっ!!」

思わず絶叫です。
したら、横で聞いてた弟が冷静に一言。

そんなこともあるやろ


ねーよ!!


つか、様々なパターンを熟知したような口を聞くんじゃねぇ、
この腐男子予備軍がっ!


私は一瞬、妹に突っ込まれたのかと錯覚してしまいましたよ。
なんでここでおまえが突っ込むんだ弟よ……。

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