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ボーイズラブ・レビュー
年の差カップルです。
年下攻です。
……なんか最近、年下攻をたくさん読んでいるような気がします。
年の差で年上攻がツボなのになんだこの最近のマイチョイス。
砂原 糖子さんのデビュー作が文庫化したものです。
そっかこれでデビューかぁ。なんか正統派だなーという印象でした。
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文です。
海沿いの町で一人暮らしを始めた浅名は、コンビニでバイトをしている男・永倉に声をかけられる。なれなれしく、陽気で明るい永倉は、浅名にとってひどく苦手な存在だった。だが、人懐っこい笑顔と人のいい性格に、片想いに疲れ、独りの時間を求めていた浅名のかたくなな心も次第に溶け、お互いに惹かれ合うようになるが…。―第3回小説アイス新人大賞期待賞に入選した力作。デビュー作品。
ずーっと片想いしていた男が結婚してしまい、告白する前に失恋。
そのまま退職してフリーになって同居も解消して田舎にひっこみ……と、ご隠居さんコースまっしぐらだった三十路男が、新しい恋を見つけて元気になるお話です。
行きつけのコンビニでナンパされた浅名は、コイツマジうぜぇ、と思うわけですが、なんかいつの間にか相手のペースに巻きこまれ、あれよあれよと言ううちに付き合うことに。
相手は自称21歳の学生。
9歳差です。
でもまぁ、ハタチ超えたら10やそこらの年の差なんてたいしたことないです。
が。
その年齢、あくまで自称であって証明するもんなんかなーんもありません。
浅名は信じ込んでいましたが、私だって信じ込んでました。
だって永倉って、すごい余裕があるんですよね、言葉の端々に。
イラストも余裕で二十歳超えてる感じでしたし、疑う余地がなかったんですよね。
しかし永倉はだいぶ大胆に水増しやってました。
発覚は彼の同級生の女の子から。
「あたしと同じ二年生。クラスも一緒なんだけど……もしかして知らなかった?」
いや、もしかしなくても知らねーよ!!
高2て。
16か17歳じゃん!!
たかが4年と侮るなかれ。
高校生と大学生は違う!
十代と二十代も違う!
天と地くらい違う!!!
というかね。
女は16から結婚できますけど、男は18からです。
ええとええと、浅名さん。この関係って法的にOKなんでしょうか。
そこはかとなく危険な香りのする年齢ですよねこれって。
17×30
う、うーん。
微妙すぎる。
本当の年を言ったら相手にされないと思ったって、まぁそりゃそうでしょうけど。
浅名が前に好きだった男を忘れられないんだろうかとか、色々悩みどころもあったんでしょうけど。
ちょっと浅名が気の毒になりました。
この年齢差に、浅名はあらゆる場面で思い煩うことになるのです。
彼はとてもとても良識的な大人です。
彼の実年齢を考えてはためらい、将来を思って暗然とし、このままで良いのかと悩みます。
だって好きなんだからいいじゃん!
と言い切ってしまえる17歳とは違います。
若い時の勢いと無知とパワーが、とても眩しく見えてしまいました。
浅名は良い影響を受けて変わっていきましたが、どことなく危なっかしいカップルでした。
というか、いつの間にか浅名(30)視点で永倉(17)を眺めていた自分に気付いてちょっとばかし凹みました。
↓WEB拍手です↓
アキミ
ディアプラスから読み始めた作家さんなので、コメディっぽいのかなとか読む前は思ってました。
そして、浅名のように永倉は心配になりますよね。若さが眩しくて(笑)アキミさんのレビューに頷きましたよ〜。10代の視点からは多分、もう読めないだろうな…。