番人 番人
国枝 彩香

リブレ出版 2007-10-10
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ボーイズラブ・レビュー


短編集です。
めちゃめちゃごちゃまぜです。
とりあえず。

最初の作品と最後の作品のあまりの落差に呆然とします。

あまりにテイストが違うので、1話ずつ別の本を読んでいるような気になります。
表紙の美少年と上から垂れてる植物の蔓を見て、ごく自然に「ああ、触手モノかぁ」と思ってしまったのは内緒です。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

洋館に囚われた無垢な弟・霞に献身的に仕える、無口で無愛想な加納。
主人の胤彦は、感情を見せない加納に伽を命じる――この男の激情を感じるために。
そして暴かれる三人の秘密、本心、愛…死者が語る最後の一日とは。
他、著者の才能全てを揃えた傑作集。

最初の作品は、耽美です。JUNEです。
人里離れた洋館に銀髪赤目の美少年が隔離されていて世話をする無口な使用人がいて、美少年の兄がいて、なんか人間関係というか血縁関係がドロドロで、語り手が既に魂抜けちゃってる男で、とにかく由緒正しいジュネの香りがします。

そのあと2作、ちょっと切なかったり、人として駄目なことをやらかして不幸になっちゃう話が入って、本命のラスト。

ギャグです。
紛うことなきギャグです。
実はこれが初出ではなく、以前買ったb-boyアンソロジーの不細工特集に掲載された作品の再録です。私は最初のメガインパクトを、このアンソロジーで受けました。
その時の特集でほとんど唯一、本当に不細工な攻を臆面もなく描ききった潔い作品でした。
作家さんの名前まで覚えていなかったので、まさかこんなところで再会するとは思ってもいなくて本気でビビりました。
で、最初の一コマを見てその後の展開すべてを鮮明に思い出してしまいました。
なんと不細工攻のお相手は生き別れになっていた美形の兄です。
なにげに爛れてる!


ええ、色んな意味で傑作選になっていると思います。
古式ゆかしい正統派からゲテモノまで!
最初から最後まで表紙の耽美っぽいお話かと思って読み始めると、最後の最後でぶっ飛ぶこと受け合いです。

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