春を抱いていた 13 春を抱いていた 13
新田 祐克

リブレ出版 2008-03-10
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ボーイズラブ コミック・レビュー


10周年企画が熱い(?)春を抱いていたの13巻。
えらい久しぶりに読む気がするなぁと思ったら、1年ぶりの新刊でした。
この絵柄、久々に見るとやっぱり強烈です。
初めて読んだ時、馴染むのに3冊くらいかかったしなー。
苦手な絵なんですが、面白いので読み進めているうちに慣れてしまったのでした。
そして、苦手だと思いつつ、馴染んでくるとクセになる感じ。
なんかもう(強烈な)芸風が確立されている作家さんだなーと思います。

さてこの作品も、長期化するに連れて落としどころをどこに持ってくるのかが分からなくなってきました。
というか放っておいたら二人が白髪になるまでやりそうだから怖いです。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

日本アカデミー賞ノミネート前夜。 『いったいどちらが主演男優賞にノミネートされるのか?』 緊迫した雰囲気が関係者の間に流れていた。 岩城と香藤も役者としてのプライドと、互いへの愛情の狭間で激しく揺れ動く!! 過去・現在・未来をテーマにした番外編三部作と、商業誌未発表作品も収録した、ロングランヒット第13巻!!

二人の出会い編が最初にありますが、なんか思いのほか険悪です。
香藤は岩城さんのことバカにしてるし、岩城さんは岩城さんで、めちゃめちゃあからさまに挑発するし。
これが1巻に繋がってあっちこっちに感情が転がってできあがったカップルだったよそういえばと、今更のように思い出しました。
このカップルは最初からおしどり夫婦じゃなかったんですよねー。

今となっては公然と付き合ってる二人。
(男二人がどうこうというスキャンダルがフツーにスクープされたりする世界ですよ、どんだけフリーダムなんだ、放送倫理はどこへ行った)
今や両者揃って大物俳優になった香藤と岩城ですが、どうやら岩城のほうは独立しようとしている模様。
でも、社長にOKもらった直後、その社長がきな臭い理由で手が後ろに回り、新社長は岩城の独立? 何それ俺そんなの許した覚えないし、という感じで、どうも一山二山ありそうな予感がします。
なんか岩城の周りではうるさい浅野とかいう小蠅もブンブン飛んでましたし、色々大変そうです。


お話の筋にはあんまり関係ないんですが、二人が川でイチャイチャするシーンがありまして。
水着もタオルもないというのに、綺麗な水の誘惑に負けた岩城さんはあっさり泳ぐことにしたのです。着衣のままドボンといくのかと思いきや……
水着持ってこなかったからって真っ裸で入ってしまうんですかー!?
で、豪快にお洋服を脱いでしまった岩城さんを見た香藤は、

「水の精だ」

と呟きながら悩殺されてました。
水の精て。あれはウンディーネっつー女性じゃないのか? ……精霊なので性別はない感じですが、だいたい女性の姿で語られる気がするんですが。
結局、香藤も岩城さんに習って禊ぎる(どんな動詞だよ)ことに。
それにしても真っ昼間に滝の下で――って、開放感に浸るにもほどがあるだろうに。


独立話を軸にあれこれ話が転がりそうなところで終わっていますが、さて次の新刊はいつになるんでしょうか。
話の内容を忘れる前に出てくれたらとても嬉しいです。

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