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唇で壊される。唇で壊される。
奈良 千春

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ボーイズラブ・レビュー


多くは語るまい。

久々にボーイズラブ系でシリーズじゃない作品が殿堂入りしました。
(私の殿堂は、物理的な収納場所が非常に限られているため滅多に追加されません)

いやもう、超ツボ
昨日感想書くつもりでいたのに、感想書く前にもう1回と思って読み返してしまいました。
なんかクセになる作品です。
発売日が延びても、これを読ませてくれるなら待つわ、という感じです。
(関係者は堪ったもんじゃないでしょうけれど)

年下攻でも関係なし。
作中に流れる空気がとても好き。
ストーリー自体は単純で特筆すべき点はあまりないんですが、こう……キた作品って、ラストまでなんとなく展開が分かっても、それが興を削ぐことってないんです。

個人的には単発作品としては近年まれに見る大当たりだと思います。
もう今年のNO.1はこれだと今から宣言しても問題ない気がしてきた。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

~キスなんか挨拶みたいなものだ。
もう慣れたと思っていた。なのに、どうして・・・~
かつて年上の男との恋愛に傷ついた神流柚槻は、 本気で誰かを好きになることができなくなっていた。 キスまではいい。 でも、それ以上は許さない。 そんな柚槻の周囲には何人もの遊び相手がいた。 けれど、丘智周と出会ったときから、なにかが変わり始めた。 誰にでも優しく接し、相手をその気にさせる智周に恋人が途切れることはない。 そんな男に本気になってはいけない。 そうわかっていても、惹かれる心は止められなかった。 付き合い始めたふたりだが、好きになるほど不安と寂しさは深まっていき・・・!?


昔好きになった男が遊び人だったために、本気で惚れたら馬鹿を見るだけだ、と恋に臆病になっていた美青年が、懲りずに年下の男を本気で好きになって、あれこれあったあとに晴れて両想いに、というお話です。

いやもうホントにこれだけなんですよ。
青春というにはちょっぴり仄暗く、しっとりしてます。

突っ込みどころといえば、攻が、これが高校生とかマジありえねーというところくらい。
なにしろすぐ横に現役男子高校生(弟)とその仲間たちがいるもので……。
文字の中の彼とのギャップがちょっと。

カンナは制服来て現れた攻に呆然としてましたが、私もまさにポカーン。
という感じでした。
いや確かに年齢は言ってなかったけど、あの余裕で、あれで十七!?
受が実は初めてだってわかったとき、無茶させないで止める自制心を持ち、しかも相手を傷つけないさりげない気遣いまでできてしまう、そんな男が17!!
ないないないないっ!! そんなもんどこに落ちてんだよと。
落ちてんなら喜んで拾いに行くって!

で、時々出てくる高校生な部分が妙に可愛いんですよね。
汗臭くない? 6限体育で走ったから、とか。

色々好きな場面とか印象的なシーンはあるんですが、いちいち書くのは意味ない気もして、珍しく感想に書く内容に迷ってます。
だって書いても、個々の場面とかは大したことないんですよねーたぶん。
でもなんかイイという……。

相変わらずふわふわして静かで、ちょっと現実感のない作風なんですが、この作品に関してはそこがそのまま上手く働いてくれた感じなのです。
収納するまでにあと何回か読むなぁこれは。

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