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ボーイズラブ・レビュー


なんといいますか。
忘れられないボーイズラブのアンケートで、私はずいぶんと散財しました。
結構な冊数を現在進行形で探してたり、特に迷いもせずざくざく買ってみたり……。
そしてせっぱ詰まった仕事の合間に若干睡眠時間を削りつつひたすら読む。
そして予定通り〆切を何日かぶっちぎって仕事が完了したので、ぼちぼち感想を、と思った次第です。

で、SFボーイズラブです。
ちなみにサイエンス・フィクションじゃなくてスペース・ファンタジーだそうです。
後書きで作者がそうのたまってました。
SFの誤略代表例(?)だと思っていたのですが、スペース・ファンタジーというジャンルはどこかで成立しているみたいです。
まぁ、楽しめればなんでも良いんですが。

まだボーイズラブにおける受攻の記号化が未成熟な時期に出版されているだけあって、なんか色んなところがちょっと無骨でそこが魅力的。
むしろ本文より後書きに時代を感じます。
ほとんど同人誌のフリートークのノリです。
今、商業誌でこれだけ奔放に色々書く作家さんはあんまりいないんじゃないかなー。
といっても普段はあんまり真面目に後書きとか読まないので断言はできませんが。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

巨大宇宙ステーション・ダレスの支配者・ラグイルは、整いすぎた顔と冷静な振るまいゆえにアンドロイドのようだと評されていた。そんなラグイルを王のようにも娼婦のようにも扱い、愛を語る謎の宇宙貿易商人ドレイク。煩わしさを感じつつも次第に惹かれていくラグイルだったが…。ある日、ダレスで一人の男が無惨な死体で見つかったことから二人は巨悪の陰謀に巻き込まれ…。小説エクリプス連載当時に話題を呼んだ壮大なスペースオペラが、今、幕を開ける―。


ええ、鱗付きの爬虫人類だった二人がカップルです。
なんと受は爬虫人類の王族で、クーデターを企て殺されそうになって逃げだし、攻と一緒に哺乳人類になる手術を受けていたのでした。

どんな手術だよ!

と突っ込んではいけません。
科学は発達して、人類は昔のサルのように枝分かれして進化したのです。
宇宙は果てしなく広く、鱗のある人類も、どこかで暮らしているのです。
遺伝子レベルで身体を作り替えることだって、カプセルに人体を放り込んで専門の技術者がちょちょいのちょいと機械を操作すればできてしまうのです。

個人で宇宙に浮かぶ要塞を購入して支配下においたりとか、なんかこうスケールの大きなことができてしまうんです。

でも舞台設定が壮大なわりに、あらすじにある巨悪の正体はめっちゃショボイです。
なにしろ黒幕は、犯罪者になっちゃった息子を始末した受に復讐を企てた、辺境小金持ちのちょっと頭の配線を間違えた母親だったので。
イッちゃってる人に金と権力を持たせるとろくなことないよね。
を地で行く親バカ具合でございました。

しかしそんなことはどうでも良い。
まったくもってどうでも良い。

この作品の見どころは、受々してない受と、攻々してない攻の関係性にあると思います。
攻は受を守ろうとしますが、真綿にくるむみたいにしてすべてから~といやり方ではありません。
なんかあからさまじゃないカップルに萌えました。

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