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世界が終わるまできみと世界が終わるまできみと
杉原 理生

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ボーイズラブ・レビュー


私はっ! 貴女を捜していたんです。
ああ……ようやく見つけました……長かった。
星の国からで旧ビブロスからデビューされて以降、とんと名前を見かけなくなって、もしかしてもう筆を折ってしまわれたのかと勝手に凹んでおりました。
たまたま本屋さんで見つけた時は、なんか懐かしい名前だなーと思っただけでしたが、とりあえず買って帰って調べてみたら、星の国の人だったという。

この作家さんの書く雰囲気がとても好きだったので、まだ書いててくれてすごく嬉しいです。もう一冊の「いとしさを追いかける」も買わないと。

さて。この作品は、中学生で恋に落ちて、そこから5年ほどブランクを経て再会してお話が動き始める、というまったりした構成になっております。
イラストと内容、ベストマッチというくらい合ってました。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

中学2年生の速水有理は、父親と弟と3人で暮らしていた。やがて3人は父の友人・高宮の家に身を寄せることになるが、そこには有理と同じ歳の怜人という息子がいた。次第に親しくなり、恋に落ちる2人だったが…。怜人との突然の別れと父の失踪から5年後。大学生になった有理は弟の学と2人で慎ましやかな生活を送っていた。そんなある日、怜人と再会するが―。

なんだろう、とてもイイ。
まったりと生き急がない雰囲気というか、作中の時間がゆっくり進んでいく様な錯覚にとらわれる優しい感覚にホッとするのです。
ちょっとばかし浮世離れした感じが、なんか心地良い。
(ただし急いでいる時に読むとタルイと思います。早く話進めろよ! って)

攻の怜人はなんと事故で記憶喪失になってしまうんですが、その記憶を取り戻していく様子がすごく好きです。

「ずっと思ってたんだ。俺は――きみを好きだったんじゃないかな」

「俺はきみに好きだと告げた?」

「俺は――きみにキスをした?」


いいねー。これで大学生ですよ。
どんだけ純情というか、なんというか……幼いわけじゃないのに、この微妙に拙い感じの確認に激しく萌えましたとも。
ちなみに中学生の時は、こいつらそろって浮世離れして大人びてました。


で、子供たちが大人びている分、大きい人達はろくでなし率が非常に高いです。
レベルの低い脅し文句付きで有理(受)を押し倒そうとして逆に説教垂れられる弁護士とか、友達の家に家族ごと押しかけて、あまつさえ売り上げごまかして商品横流しして嫁さんの治療に使った挙げ句、嫁さんが死んだ後は二人の子供を放り出して失踪して二度と戻ってこなかった父親とか、好きな男に頼ってもらえなかったからと自暴自棄になって自棄酒読んで飲酒運転に息子を付き合わせて事故って死んでしまった父親とか。

まぁ、それぞれ事情はあったんですけどそれでも!
……子供がしっかりするわけです。


いいわー。私この本はドナドナしないです。
絶対定期的に読み返すだろうし。

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