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茶屋町 勝呂

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ボーイズラブ・レビュー


この作家さんは地雷だ、と思いつつも読んでしまう……。
(でも怖くて未だに裸んぼ3部作は手を出しかねている)
とはいえ、この作品はそんなに痛くなかったです。
まぁ、ボーイズラブか、という話になると、ちょっと、いやだいぶ、はみ出ている気はしなくもないですが。
どっちかというと、家族間の感情あれこれのほうが目立っていたので、恋愛とかそういう雰囲気は薄目でした。
面白ければカテゴライズなんかどーでも良い、といってしまえばそれまでのことです。
でも明るい気分になりたい時は読めないかなぁ。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
悪夢を抱え街を彷徨っていた啓太は、杉浦と出会いセックスを条件に泊めてもらう。男と寝たい訳ではなく、啓太は自分のアパートに帰りたくなかったのだ。都合のいい相手でしかなかったが、次第に杉浦の一途さに心が揺れだし…。

いやま、なんだ……。
その、自分のアパートに帰りたくない理由ってのが、

自分の男を殺して冷凍庫に詰め込んであるから。

という時点で、もうどうしてくれようかと。
暗いよ、おどろおどろしいよ、生臭いよ、勘弁してくれぇ!
という感じでした。

で、寝床欲しさに自分の身体をエサに相手を捜しているのが、今回の受の啓太。
啓太に惚れ込んで身代わり自首までやってのけたのが攻の充。

充は生まれつき文字の読み書きができないのですが、なんというかひたすら一途な愛すべき青年です。
大型犬です。

恥ずかしげもなく、

「きみは僕の『運命の人』だと思う」

とか言ってしまうのです。
アンタは恥ずかしくなくてもこっちが恥ずかしいわ!


結局、冷凍庫の中には死体なんかなくて、全部啓太の妄想だったわけですが。
なんとも傍迷惑な妄想ですよ。
警察なんか、充が身代わり自首なんかしてきたせいで空っぽの冷凍庫を海から引っ張り上げる羽目になり、充は警察沙汰を起こしたということで、世間体大事の父親からさっくり戸籍を抜かれてしまいます。
普通の神経してたら、子供の名前を戸籍から抜くなんてできないと思うわけですが。
ただでさえ読み書きもろくにできない息子を恥ずかしいと思っていた父親にとっては、家出の挙げ句警察沙汰なんてのは論外もいいとこの不始末だったようです。
そーいうアンタの子供に対する仕打ちの方がよっぽど恥ずかしいわ。
とは誰も突っ込めないご家族の面々。

この辺の家族に関するあれこれは、書き下ろしの2本でちょっとずつ進展していってます。個人的には、家族間のあれこれより、啓太と充が上手くやっていけてる様子が垣間見れて嬉しかったです。

作品の比重が家族>恋愛だったので、ちょっとボーイズラブを読んだ気分ではありませんが、読み応えはばっちりでございました。

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