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ボーイズラブ・レビュー


シリーズ完結編になります。

1巻 / 2・3巻の感想

起承転結の結の1冊でした。
いや、綺麗にまとめましたね……。

でも私は1巻が一番好きです。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対五課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。ある日、大物ヤクザであり椎葉のエスでもある宗近が何者かの銃によって倒れた。宗近を守るため、ある決意のもと宗近から離れた椎葉は、五堂によって深い闇を知る。複雑に絡まり合う過去と因縁。錯綜する憎しみと愛。奪われた者は何で憎しみを忘れ、奪った者は何で赦しを得るのか。この闘いに意味はあるのか?闇の中でもがき続けた男たちの鎮魂曲。

ええ……コイツ、かなりイっちゃってるよ……。
とドン引きだった五堂にも、凄絶な過去がありました、というお話で。
このほとんど狂った男のまわりに集まってくる人間が、色々と興味深かったなー。
銃密造の手助けをする話せない女の子とか、ちょっと頭のネジの弛んだ宗近の弟とか。
五堂のまわりってなんか雰囲気が浮世離れしています。

でも正直、私はこの五堂という男がわりとどうでもよかったんですよね。
狂いっぷりが気に入らなかったのか、変なところで詰めが甘いので白けたのか。
理由は良く分からないんですが、きっとこの五堂に入り込めなかったので最終巻なのにあまり盛り上がれなかったんでしょう。


やるならもっと徹底的に監禁して嬲ってぐちゃぐちゃにしてやれば良かったのに。


と、五堂の椎葉に対する扱いに不満タラタラな私は、精神に相当ブラック入ってます。
限りなくBL100に近い黒さ加減です。
椎葉って、だって絶対Mですもん。


そして、とりあえず私がこの記事でしなければならないこと。
……椎葉の義兄に対する謝罪

2・3巻の感想で、

「個人的には、椎葉の義兄が気になります。
あの人絶対、嫁さんより椎葉のことが好きなんですよ!!」


と断言していた私。
もちろん脳内では、
「由佳里のことでいつまでも苦しむ君を、これ以上放ってはおけない!」
とかなんとかいって椎葉を押し倒してしまう妄想が数パターンにわたって展開
4巻ではそれが現実になって、宗近と椎葉と義兄で、男ばっかりの三つ巴修羅場が繰り広げられるものと勝手に確信しておりました。

しかし。
義兄は私の腐れた脳みそには眩しすぎるほどクリーンな御方でございました。

「……私は由佳里に対して、心の中でずっと詫び続けてきた。おそらく、その気持ちは死ぬまで変わらない。けれど自分を不幸だとは思わない。こんなにも誰かを思い続けることのできる私は、ある意味ではとても幸せな男だ」

ずーっと殺されてしまった奥さん一筋な男だったのです!
うううーん。
本当にすまなんだ。
純粋に、自分の嫁の弟のことを案じてあれこれやっていたのね……。

でも言い訳させてもらうなら、ボーイズラブ界では相当良くある展開なんですよ!
とりあえずおまえの姉(or妹)と結婚したけど本当に好きなのはおまえ(男)なんだ! という、結婚は口実パターンとか、気付けば姉(or妹)よりおまえ(男)のことばかり目で追っている……という心変わりパターンとか。

義兄は本当にいい人でした。
悪いのは私の、腐海に沈んだピンクの脳みそです。


全体的に、すべてが綺麗に片付いた、ということにはなっていないのですが、それなりにケリが付いてのエンドマークなので、特に不満はなかったです。
あえて言うなら、あれだけごたついてたヤクザの身内整理がたかが1年半で終わるのかよ! というあたりでしょうか。
むりだろー、あのろくでなし弟が一丁前に組のトップに立ってあれこれ切り回せるように教育して、それと同時進行で組内がきちんと機能するように整えるとかまず無理だろー! って。
だいたいねぇ……。

1年程度でなんとかなるなら誰も後継者教育で苦労しないんだよ!!

と言いたい。

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