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プラトニック・ダンス〈1〉プラトニック・ダンス〈1〉
川原 つばさ

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ボーイズラブ・レビュー


とりあえず、自分が社会人になったら絶対感想書いてやろうと息を捲いておりました。
主人公達の仕事に対する姿勢(手段ではないです。)が好きだったからです。

川原つばさ作品の中でも邪道・ナイトアウトに次いでお気に入りの作品ですが、ツッコミどころの多さでも群を抜いております。
なんというか、まさにグローバルホモ

受青年は5カ国語を操る秀才です。
カップリングはホスト×通訳。


オビのアオリ文句は、

優しくて淫らで少し意地悪
――一夜限りの極上の恋人



以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


五カ国語をあやつる穐谷絹一は、有能な通訳兼秘書。緊張の連続の毎日に、心身共に疲れている。そんな彼が、ある晩仕事先で出会ったのは、自称「日本一わがままなホスト」鷲尾香。どこか危険な香りをはらむ男に癒されたいと感じた絹一は、彼と一夜限りの契約をかわす―。友人でも、まして恋人でもなく、客とホストとして始まった二人。けれど、想いは会うたび揺らめいて…。



なんと受青年がホストの攻男を買うところからお話が始まります。
いやぁ、金にものを言わせて押し倒される受は結構色々と見てきましたが、
金にものを言わせて攻男を買う受ってちょっと貴重じゃないでしょうか。

そもそも受青年である絹一は設定からしてぶっ飛んでました。
彼はその語学力を活かして通訳+秘書という、相手の懐に深く入り込むような仕事をしています。(通訳以外にも海外から仕事に来る人の相談にのったり商談を補佐したり)そのため、クライアントの信頼を得ることは不可欠なわけですが、じゃあ彼はどうやってその信頼をもぎ取っていたのか。

俺は、てっとり早くお互いを知るには、肌で知るのが一番いいという主義だ


これが鷲尾(攻で職業ホスト)の台詞ならたいして違和感もなかったんでしょうが。
なんで通訳兼秘書の男の口から平然とこんな言葉が零れるのかと!
つーか絹一よ。

あんた、これまでの仕事相手とことごとく寝てきたのか!?

初めて読んだ時は鼻息も荒く突っ込んでしまいました。
変わった髪型(左右の長さに20㎝ほど差をつけているのです。表紙画像参照)もありまして、鷲尾よりホストっぽいんじゃないかと思ったものです。

エロ度はそこそこ高いです。
絹一が男心をそそるのが原因です。
彼は何故か仕事上の些細なミスを償うためにロスに呼び出され、ホテルの一室で強姦されたりしてしまうのです。……でも承知で行ったのなら強姦とは言わないのかしら。好きこのんでやられるわけでないのは確かなので陵辱とかになるのかな? 
しかも1泊して日本にとんぼ返りです。
好きでもない男に犯されるために海を渡った絹一。
半分は自業自得とはいえちょっと可哀想でした。

それでも仕事に関しては絹一は優秀です。
相場より高値が付いている(もうこの書き方で職業勘違いされそうですが)そうですし、5カ国語ペラペラですし、20代にして独立できそうなくらいの実力です。
しかし、それ以外のところは驚くほど初です。
というか生活能力が決定的に欠如しています。
部屋を借りたのは良いですが電気もガスも手配してません。
火傷を冷やそうとして水シャワーを浴びてしまって凍えかけるし、ちょっとやばいです。


でもこのアンバランスなところが良いんですよね? 鷲尾さん。
読んでるだけでもハラハラするんですから、実際隣にこんな男が住んでいたら気になってしまうに決まってます。

硬くて澄んだイメージですが、ヒビが入ると脆い青年です。
どんな風に彼が変わっていくのかも、この作品の見どころです。

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