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4813011152蒼天の覇者 ~風の系譜~
高岡 ミズミ 夢花李

大洋図書 2005-11-25
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ボーイズラブ・レビュー


モンゴル行きたいな……。
知人が行って感動して帰ってきたので、ますます行きたい。
(草原のトイレ事情はアレらしいですが……)

2冊続けて砂漠や草原の話を読んだので、もう私の心はモンゴルの下です。
(もう1冊は榎田さんの新刊・沙漠の王―金の髪のフェンリル―

この作中にもありましたが、空が本当にすごいらしいです。
昼間のモンゴリアンブルーと夜の星。
ゲルの集落。
そして砂漠。
うう……とりあえず、砂漠の写真集でも眺めて我慢します。


モンゴルの少数部族、財宝……なんてツボな設定なのでしょう。
かなり気に入った作品です。


以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


内アジアの風習を研究する大庭蒼は、大ハーンの財宝を守るた部族エフタルを訪ねるため、上司である大学教授と地図にない土地アルザナードに向かった。しかし、アルザナードは遠く、砂漠の激しい気候に倒れたとき、運命的な出会いを果たす。倒れかけた蒼を助けてくれた男こそが、エフタルの若き王者バアトルだったのだ!だが、蒼は禍を運ぶ者としてエフタルの民から冷たい視線を向けられる。そんななか、バアトルとその家族だけが蒼に優しくしてくれた。古の覇者を思わせるバアトルに惹かれる蒼。だが、蒼にはバアトルに言えない秘密があり…


遭難しかけたところを、目的地に住む部族の長に助けられた蒼は、いつの間にかその長を好きになってしまって、今さら「実は財宝があるかどうか調べにきたんです」とは言えなくなってしまったんですね。
しかし、蒼の上司にあたる教授が人を連れてアルザナードに押しかけてしまったため、目的が露見してしまいます。
でも、その時にはもう蒼は長であるバアトルが好きになっていたんです。日本人の立場では考えられなくなっていました。

……なんでだ……?

本当に、気付けば好きになってました。
という感じで、理屈も何もあったもんじゃない恋愛です。
雰囲気に流されてキスしてましたけど、男同士でお互い抵抗なかったのかな……。
四方、地平線まで臨める開放的な空間に心まで開放的になってたのでしょうか。


というか、今回、恋愛の障害になっていたのは、蒼が部外者であることによる周囲の反対くらいです。蒼の方がむしろ長の嫡子が……とまともな心配をしておりました。
皆さん、驚くほどあっさり長の恋人が男であることを受け入れております。
「男だから」駄目なわけではないのか!?
特に長の婚約者のような立場にあった女性・ボヤンも、いいんですか、婚約者が自分より男を選んでも? 逆に読んでるこっちが訊きたくなってきます。


しかし!
そこは砂漠マジック
いつの間にか、もういっか……。という気分にさせてくれます。
いいんですよ、族長がホモでも……。
きっと血は弟が残してくれます。
自分を抑えようとして抑えきれず、揺れる蒼は色っぽかった。
なんかもうそれだけですべて許せる気がします。
長は思いきりよすぎ。
長のゲルには余所者は入ってはいけないんですが、あっさり言います。

密談か夜伽のためなら許される、どちらがいいだろうか

男を自分のゲルに引き止めるのに、密談はともかく夜伽を理由の選択肢に入れるのは止めなさい。なんと言い訳しようと、最終的にやるのは夜伽の方になるわけですが。


最終的には、なんと部族みんなの前で蒼がカミングアウト。
バアトルの手を取った蒼が、泣きながら言います。

どうか……このひとを俺に、ください

娘さんを僕に下さい……の逆バージョンと考えて良いんでしょうか。
蒼は受な人なので。
(ちゃかして書いてますが、本文を読むとけっこう感動ものです)

なにはともあれ、二人が幸せになれたようで良かったです。

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