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4086148978ぼくはここにいる
ユール

集英社 2001-07
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ボーイズラブ・レビュー


手元に注文していたコバルトボーイズラブが全冊届きました。
コバルト・ボーイズラブってまとめ記事でも作ろうかな……。

そして今、1冊目を読み終えました。
この微妙にボーイズラブのようなそうでないような作品で、ユールさんはデビューされたんですね~。
コバルト文庫って、BLに手を出しつつも自分のとこでやってる賞は正統派(?)な少女小説で出したがっているような気がしていたので、BL色のあるこういうのも受賞していたのかとちょっと意外でした。……といっても、コバルトからほぼ足抜けして久しいので受賞作をくまなくチェックしているわけではないのですが。
(コバルトは卒業できてもBLからは卒業できない私……)

で、「ぼくはここにいる」です。
せつないです。
表紙のうす青い印象がそのまま文章になった感じでした。
ちなみに登場人物紹介のとこのゴールデンレトリバーと、扉絵で幸せそうに寝ている少年と犬のイラストにノックアウトされました。
(イラストも好みでした)


しかし……物心ついてから二十年以上、自宅で犬という生き物と暮らしており、小型犬は柴犬、大型犬はグレートピレニーズまで、頭数で言うなら7頭、産ませた子犬を入れれば20頭以上と同居経験があるわけですが(昔の親のバイト先も入れれば相当数だ)……。

未だかつて喜び勇んで風呂に入る犬を知りません。

今いる犬も風呂は嫌いです。
ついでにブラッシングが好きな犬も見たことない……。
背中は機嫌良くさせてくれても、毛が絡みやすい足の付け根とか全力で嫌がります。
風呂好きな犬って、話には聞くけどホントにいるのかなぁ。
WJで昔やってたワイルドハーフのサルサも風呂嫌いだったしな。

なにはともあれ、犬の出てくる話は大好きです。


以下ネタバレ妄想注意!





紹介文です。


小説家への夢を追いながら、フリーターと無職を繰り返している基晴に、飽きずに付き合ってくれる友人・恵。恵は基晴と同じく男なのだが、基晴に対して恋愛感情を抱いている。基晴はそれを知っていて、でも友人以上の付き合いはしない。そんな微妙な関係がもたらす緊張感が好きだった。このまま時が過ぎていくのだと、信じて疑わなかったのに―。優しくて、せつない、ピュア・ストーリー。


さて。
とりあえず今回は、受が私の好みじゃなかったんですね。
愛されてると自覚しながら、相手の気持ちを受け入れられない、でも向けられる好意は嬉しいからずっと親友でいる……。
気持ちは分かりますけどね。

舐めとんのかワレ

とお国言葉で凄みたくなります。
攻(恵)はひたすら可哀相。
しかし、私の受至上主義を上回ってこの攻様が素敵でした。
この攻様が好きな受にはきっとすばらしい魅力があるに違いないと思いこめるほど、攻が気に入りました。
なにこの理性とお人好しと純愛の塊。
今時いないよこんな人ーと思いつつはまる私……。
そんで、何でその私がとっても好きになった攻様が、
登場後、53ページ目であっさりお亡くなりになっているんで?

な、泣ける……。
非道い冗談ですよ。

その後は受が立ち直るまでの話と彼らの過去話と死ぬ直前までの攻様の回想です。
真ん中の過去話は、それなりに良かったけど蛇足だと思います……。
個人的には1話目と3話目だけで良かったかなぁ。

勧めて下さった方が、ボーイズラブじゃない気もしますが、みたいなことをおっしゃってましたが、これはボーイズラブ以前に恋愛未満の話です。
お互いに傷つかない、きれいな場所から一歩も踏み出せないまま、片方が死ぬことによって永遠にきれいな形のままで終わってしまった恋です。
確かにこれはBLじゃない。
かといってJUNEとも思えないし微妙なところです。

ちょっと思い出したのが、昔小説道場で栗本薫さんが言ってた
指一本触れないのに死ぬほどエロいJUNE
です、プラトニックという意味でだけですが。
実際にこの作品はエロくないですし。
(個人的に一度は読んでみたいですけど。
「指一本触れないのに死ぬほどエロいジュネ」誰か書いてくれませんかね……書いても最終的にエロがなきゃ出版してもらえないか……)

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