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4044468117キスは大事にさりげなく
崎谷 はるひ 高永 ひなこ

角川書店 2005-06-30
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ボーイズラブ・レビュー



崎谷はるひさんの作品は、以前「目を閉じればいつかの海」を読んで感想を書いたきりでした。今回は、妹が面白かったよ! と、レポートで死にかけている私に持ってきてくれたのを、100%現実逃避で読んだのでした。
(卒業かかった講義のレポートの存在を〆切数日前まで忘れていて真っ青になり、すべてを投げ打って書いていました。まだ頭の中を数式が踊ってます。あわや留年かという崖っぷちを、ここ数日さまよっていたのです←アホ)

朦朧としながら読了して、面白かった。
と思いまして、提出が無事(?)済んでからゆっくり読みかえしました。

目を閉じれば~よりこちらの方が断然私の好みでした。
ちょっと受の子が19才にしては幼くないか?
とは思うものの、人物や情景がしっかり描写されていて全体的に完成度が高かったように思います。


以下ネタバレ妄想注意!






紹介文です。


日本画の大家である祖父の死により、
何もかもを失いかけていた藍は、
旧財閥系グループの跡取りである志澤に引き取られることに。
だが身にあまる自分への待遇に、
却って不安に苛まれた藍は志澤に反発してしまい…。


天涯孤独になった藍(受)の後見人になった志澤(攻)との恋愛です。
34歳と19歳……15歳差です。
これまで見てきた中で最高年齢差が41歳と17歳の24歳差なので、まぁ……許容範囲かな……? とは思うものの19歳の藍がどう見ても19歳に見えないので、下手すりゃ中学生に襲いかかった中年のおじさまという構図が脳内に浮かび上がってくるわけです。
(24歳差の受様(17歳)は、10代とは思えないしたたかさと色気をお持ちでしたので、あまり気にならなかったのかも。いつの間にか彼の年を大幅に超してしまってなにやら複雑な今日この頃です)

とにかく、未遂とはいえ強姦まがいの扱いを受けた藍が、
おじいさん、おじいさん、助けてっ!」
と叫んだ時なんか、中学生くらいにしか思えずに、哀れみを誘われました。
思わずこれまで一番頼りにしていた身内を呼んで泣いてしまったあたりがなんとも。

しかし。いくら世間から隔離されて祖父と二人で暮らしていたからと言って、果たしてあそこまで幼くなれるものなんでしょうか。
というか、気になったのは、むしろ祖父が亡くなって志澤に引き取られたあとの方が幼く見えてしまうところでしょうか。心細かったのかな? というレベルをちょっと超えてしまった感じはしました。
でも逆に、その浮世離れした感じが、芸術を扱っているこの作品にマッチしていたのかも知れません。

とりあえず、面白かったのです。
志澤さんが余裕無く藍の服を剥いて強姦(未遂)の末、後輩に「なんとかしてやってくれ」といって自分は酒浸ってしまうヘタレ具合もなかなか微笑ましい。
この後輩君がなかなか良い味を出していまして、むしろ藍は彼とくっついた方が良いのではないかな、と思わされます。少なくとも志澤よりは余裕を持ってお付き合いしてくれそうです。

個人的には、人里離れた古民家とか、見る人が見れば分かる美術品とか日本画とか、ものすごくツボなのです。ヨーロッパの家とか、日本の古民家とかも大好きなんです。
(写真集買ってしまうくらい好きです)

シリーズ1冊目ということで、なんとか二人がくっついてラストでエッチして終わりという、わりと良くあるパターンでしたが、話の半ばで延々タルいセックスシーンが始まって話の流れをぶった切るよりずっとマシです。

伏線として、なんか次巻以降、藍を嵌めてくれそうな男も出てきていますし、なかなか先が楽しみなシリーズです。
はまる、というより、続きを見守りたいなーという気分にさせてくれるお話でした。

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