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ボーイズラブ古典特集第2弾 byアキミ
公式データ
タイトル:グラビテーション
作者:村上真紀
出版社:ソニーマガジンズ→新装版を幻冬舎が発行
ノリと勢いで笑い飛ばせるスチャラカ・ボーイズラブギャグマンガです。
以下全巻完全ネタバレ注意!
グラビテーション (1)
いつものように紹介文を……と思ったんですが。
ミュージシャンを目指す高校生・新堂愁一の前に現れた超美形小説家・由貴瑛里。
二人を軸に展開するデンジャラス・ラブコメ!
以上、2行。
いやーこんな身も蓋もないアオリで良いんですかね?
と思いつつ読み返しました。
カップリングは瑛里×愁一。
なんですが。
ミュ-ジシャン目指して頑張ってる愁一は、
瑛里に初対面で自作の歌詞をボロクソに貶されます。
曰く、
「小学生以下だな たいした文章力だ
この程度でラブソングなんてケンカ売ってんのか?
才能ゼロだ やめちまえ」
……こんなんリアルで言われたら向こう3時間は立ち直れません。
よくこんな最悪の出会いが恋愛感情に発展したもんだと感心しきりです。
しかも2度目に瑛里を見かけた時は、友人の紹介でつきあい始めてた女を放り出して、
彼の車の前に立ちはだかるという無鉄砲ぶり。
(この頃は女とつきあうという選択肢も愁一にはあったんですね……)
しかもなんの弾みでか瑛里にもスイッチ入って突然愁一にキスしてみたりとえらい展開です。
「さいわい ムネがないから正気にもどった」by由貴……すごい言いようですね……。
そしてこの漫画のキーパーソン・由貴瑛里ですが、彼の人間関係はけっこう入り組んでます。
彼と関わったばっかりに、愁一は試験の真っ最中に瑛里の姉に教室から拉致られ、
彼を実家に帰るよう説得しろと言われちゃったりします。
(瑛里の実家は寺。)
その報酬が、瑛里の姉の旦那(音楽事務所の社長・瀬口冬馬)への口利きだったと。
まぁ結局、
「そんなコネ無くても実力でのしあがってやるわい!」
と大見栄きって断るわけですが、実力で突っ込んだデモテープはあえなく撃沈。
由貴とはキス止まりで終わった1巻。
なんか展開、滅茶苦茶です……。
私、愁一の親友で相棒のヒロシが気に入ってるんですが1巻ではまだ影が薄いです。
きっと、ノリと勢いで1話ずつ描いたんだろうなー。
と、なにげにコミックの墨にある空きスペースの作者コメントを眺めてみました。
このスチャラカな展開がすべて納得できる一言を発見しました。
「ぶっこわれた男の子だらけのハーレムなマンガを描きたい。
という不純なドーキで始まったこのグラビテーション」
なるほど……。でも男だらけのハーレムって……。
作者コメントって読み飛ばすのがほとんどだったんですが、
これからはきっちり読もうと思いました。
グラビテーション(2)
愁一のバンドプロデビューと由貴との初Hの2本だての2巻。
のっけから、俺もう音楽辞める発言をかました愁一の相棒ヒロシ。
デビュー前から解散の危機ですよBAD LUCK。
まぁ、数ページ後には愁一と殴り合いのケンカをし。
兄貴に説教されて大学行くのを止めたヒロシは、
入試の問題わけわからんと、試験時間をほとんど寝て過ごし、見事不合格。
しかも、その大学落ちました報告&やっぱ音楽続けます発言を、
卒業式の答辞で全校生徒を前に言い放ったものですから大変です。
先生は泣きそうで生徒は大喜び。
そして愁一、親友の肩を叩いて一言。
「不合格おめでとう」
そのまま卒業式は即興ライブに突入。
ヒロシの不合格を祝してバンザイ三唱ーッ!
とやり始めてしまいます。
私が教師だったら確実に卒倒してます。
こんな生徒ばっかだったら確実に胃に穴が空きます絶対にイヤだ……。
で、そのライブの最中に、プロデューサー坂野がきて、
「きみたち CD出してみないか」
となるわけです。
なんかデビューできそうな雰囲気ですよ。
よかったですねー卒業後、職探ししなくてすんで。
で、由貴との初エッチも、良くわからんテンションのまま突入して無事終了。
作者の思い入れが深かった割にあっさり済んでしまいます。
作者コメント曰く、
「第1話を描いたあの日。
「いつかはこの時が来る……いや、絶対に来させるぜ」
とひそかにもえていたわたし」
ということなのですが、直接的な描写は軽くスルーされてました。
(ちなみにそのストレスがどこで発散されているのかというと、
リミックスグラビテーションと題して発行されている同人誌でなんですね、あはは)
とりあえず、デビューは決まった、シンセのメンバーも決まった、
由貴との初Hもできたという2巻。
由貴の婚約者が登場したところで次巻に続く……。
いやはやまったく、ものすごいテンションの高さです。
愁一は馬鹿だし由貴は無駄に美形だし登場人物みんなぶっ飛んでるし展開早いしギャグ満載。
むしろこのシリーズ自体がギャグ。
でもまだこの頃は地に足のついたギャグだったんですよねー。
グラビテーション(3)
婚約者と愁一が由貴をめぐってすったもんだ……というか、
愁一が一人でぐるぐる悩みまくります。
で、悩んだ末になにをしたかというと、由貴と綾加さん(婚約者)も聴きに来てたデビューライブで、
マイク片手に声を張り上げて愛の告白をいたしました。
「由貴はーッ
オレのもんだーッ!!!」
告白された由貴ご本人は目を剥いて絶句。
読んでた私も一緒に絶句。
由貴が男の名前に聞こえないのがせめてもの救いでしょうか?
そしてなぜか騒然とするライブの舞台に飛び入り参加をする、
愁一憧れの超天才ボーカリスト佐久間竜一。
もうとっくに30まわってるはずのこの人は、なぜか愁一と同い年にしか見えません。
ものすごい若作りです。
というか。
……この流れがどうにもわからん。
なんで乱入するんだこんなとこに?
というまっとうな疑問は物置に放り込んで忘れましょう。
忘れられなかった場合、いたたまれなくなって職場放棄しそうになった哀れなプロデューサー・坂野さんのようになってしまいます。
彼もたいがい、苦労人です。
そしてなんとか乗り越えた(?)デビューライブの後。
バッド・ラックにテレビ出演の話が来ます。
……クイズ番組ですけど。
そこでも愁一はやってくれました。
収録前には同じ事務所の先輩にケンカを売り、
カメラが回り始めると素で爆弾を投下してくれます。
「あのーすみません。
オレたち100万円いらないんで、
優勝したらここで1曲歌っても良いですか?」
もちろん打ち合わせなし!
全部独断。
坂野さんは、「だからバラエティーはイヤだったんだァーッ!」
と頭を抱えて血を吐くような絶叫をしますが後の祭りというものです。
しかもホントに優勝して歌ってしまったというこの恐ろしいマンガ。
(しかしあれですね……
「犬と言えばDOG、では猫は?」という小学生でも分かりそうな問題に、
平然と「ドッグ!」と答えてしまうようなお馬鹿な愁一を優勝させた作者は凄いです。乾杯!)
そしてその結果、ランキングでケンカを売った先輩バンドASKに勝ってしまい、
完全に彼らを敵に回すことになります。
そりゃね……いくら歌上手くて才能あっても、
あんなふざけた男に負けたら腹も立ちますよね……。
気持ちは良く分かりますが、なんかこの時点で捨て駒の雰囲気満載の哀れなASKです。
一方、由貴との恋愛ですが、愁一はいつの間にか押しかけ女房に成り果てております。
鍋釜の代わりに楽器一式背負ってやってきて、由貴の家に住みついてしまいました。
それを受けて、最終ページで由貴は、
「明日で1週間だな バイバイ これでお別れだよ愁一クン」
とおっしゃってます……。
読み返さないと先の展開が思い出せません。
由貴って性格以前にどっか人格が破損してるので、行動が読めなかったりします。
ハイテンション&ローテンションとアップダウンの激しいマンガです。
グラビテーション(4)
やってしまいました。
ついにやってしまいました。
男なのになぜか見せしめに強姦+輪姦される愁一。
前の巻の続きで由貴に振られた愁一はASKの相沢滝につかまって、
彼に雇われた男たちにマワされてしまいます。
そしてそれをヒロシから聞かされた由貴はぶち切れてASKに殴り込み。
(これを見るに、どうも愁一が嫌いで振ったってわけでもなさそうなんですが)
「愁ちゃんのお味はどうだった?
このオレが丹誠込めて調教したんだ 最高だっただろ?
それをアホらしい理由でタダ食いしたうえに記念撮影までしたそうじゃねえか え?」
うわ~。
あの美形にどアップでこんなこと言われるんですよ。
こえぇー……。
由貴、目がいっちゃってます。
なまじ美形なだけのものすごい迫力でした。
で、です。
格好良く愁一が強姦された現場のネガを取り返した由貴を待っていたのが。
なぜか由貴のために、
セーラー服着て女装した愁一。
当然のように逃走を図る由貴。
追いかける愁一は、セーラー服姿で人混みに向かって逃げる由貴に叫びます。
「オレが男だから全部悪いんだろッ
オレが男だから嫌いなんだろ!!!」
何度も言いますがセーラー服で叫んだんですよヒィー!
お願いだからセーラー服着てこんなセリフを吐くのは止めて下さい。
腹が捩れますから!
(でも作者は大喜び。↓コメントで喜びを表明しておられます。
「ついにやりました!!
セーラー服です!!
コスチューム・プレイです!!
まるでこれを描きたいがために今まで連載をしてきたかのような私の喜びよう!!」
……さりげにものすごいこと言ってます)
しかしこの愁一のセーラー服作戦も由貴との復縁を叶えることは出来ず、
由貴は、数冊前に出てきた許嫁の綾加に結婚を申し込んでしまいます。
この先が問題です。
愁一がそれを知って何をしたか。
女装して自分が綾加だと言い張り、由貴の実家に乗り込み、
超絶強引に綾加と由貴の婚約を解消させてしまいました。
……コミックス1冊の中で2回も女装した主役って一体……?
そしてなんか勢いに押されるようにして、由貴と愁一は仲直りし、
由貴は、そのまま、「オレ人殺し」告白。あっさり受け入れる愁一。
ホントにこれで良いのかこいつら……。
どんどん展開がドシリアスに突っ込んでいっているというのに、
主人公がアホなので無駄に笑えます。
そして過保護な由貴の義理の兄・瀬口は、ASKに警告します。
「私情で申し訳ないけど、少しでも瑛里さんに近付いたら殺しますよ」
数字的には伸びそうだけど、そんなはした金より義弟のほうがずっと大事な瀬口冬馬でした。
みんなどっかぶっ飛んでるんですねぇ。このマンガのキャラは。
グラビテーション(5)
冒頭からいきなり謎の金髪外人新キャラに拉致られ、愁一はTVの前に放り出されてます。
佐久間竜一(大物ミュージシャン)の代わりに。
顔がそっくりだという理由で。
……。
事務所の面々が気付いた時にはすでに手遅れ。
皆さん画面の前で硬直なさいます。
しかし愁一は突発で出演してしまった番組でも見事な歌唱力を披露しました。
それに嫉妬心をかき立てられたASKの相沢滝は、
やめときゃいいのにまた愁一と瑛里に手を出そうとします。
もちろん、瀬口が黙っていません。
「さようなら、相沢さん」
と、笑顔で自分の事務所に所属してるミュージシャンを車道に突き飛ばしてしまいます。
怒らせてはいけない人って、世の中結構多いですよね……。
アーメン。
そして突如出現した新キャラK(いつの間にか愁一率いるバッド・ラックのマネージャーに就任)によって、
さらにこのマンガのギャグ路線が強化されます。
なんで一介のマネージャーが銃持ってるんでしょうかね?
しかも愁一、眉間打ち抜かれてるし……。ものすごいギャグ表現です。
このあたりから、実弾と虚弾の区別が微妙になりはじめます。
こんなにラリパッパな展開にもめげず、由貴サイドはシリアス路線を驀進中。
愁一は由貴に、一枚の写真をもらいます。
由貴が殺した相手と由貴のツーショットです。
↓コレ。
上のコマの向かって左が、由貴に殺された男で、その隣が由貴本人。
愁一も言ってますが、むしろ気になるのは左の男の死因より、右の男の現在に至る変貌ぶり。
なんでこんなに爽やかに笑ってた少年が、ここまでひねくれちゃったんでしょうかね?
この恋愛、どう発展していくのか予測がつかないです……。
つーかこの話の落としどころがまったく見えません。
K……この先散々、ストーリーを引っかき回してくれる厄介なキャラです。
でもまぁ、比較的、問題なく済んだ巻ですよね、5巻って……←遠い目。
グラビテーション(6)
この巻でCD100万枚売って由貴とディズニーランドでデートしてプリクラ作戦が発動。
すべてが100万枚のために動き出します。
そんな中に転がってきたTV出演の話。
またもやTVネタですが今度はひと味違います。
ミュージシャンなのになかなか歌番組で歌わせてもらえないバッド・ラック。
今度は料理番組です。
この番組収録中に、成り行きで由貴(だけど実はそっくりさんの弟・樹把)とキスをぶちかましてしまいます。
いくらそこがカットされたからといって目撃者は多数。
業界内にカミングアウトしたも同然の状況に陥ってしまいます。
翌日、由貴の自宅前はマスコミで満員御礼。
たまたまニューヨークに墓参りに行っていた由貴が戻ってくる頃には大変なことになってました。
しかし実際、直木賞候補作家っつーだけでそんなに注目されるものか?
愁一は売り出し中のミュージシャンですが、みんな由貴の方を撮りたがってたしなー。
肩書きより顔ってことなんでしょーか。みんな現金ですね……私もだけど。
しかしさて、どうやって切り抜けるのかな~?
と思いますよね……。
由貴がリポーターくどいて丸め込むとか、詐欺師まがいの弁舌を振るってすっとぼけるとか、
普通考えますよね……でもこいつらは違いました……。
全国ネットでカミングアウトしました。
事務所は騒然、坂野さんは首を吊り救急車を呼ぶ騒ぎに。
視聴者からは苦情が殺到し、当の二人は、
「だからホモだっつってんだろオオ
ほかになにとりてえんだよあ――――!!?」
と開き直って逆ギレ。
このスキャンダルを機にCD売りまくるぜ!
と発言したマネージャーのKに、そこまでして売りたいのかよとヒロシがぶち切れ。
もう降りるぜと宣言。
しかもここで6巻終了。
行き当たりばったりという言葉が頭の中を乱舞いたしました。
シリアスになりきれず、どうあってもギャグ中心で構成されるこのストーリー。
責任の1/5くらいはKと愁一にあると思うんですが、
明らかに残り4/5は作者の責任ですよねコレ……。
グラビテーション(7)
この巻は、なんというか……、ヒロシと愁一の打算友情物語、ですたぶん。
前巻でホモ宣言を派手にぶちかました作家・由貴瑛里とミュージシャン・愁一。
結果は、
由貴の前著作、馬鹿売れ
BAD LUCKのヒットチャート、1位
みんな好きだねぇ。
でも、「このカミングアウトのおかげでCD馬鹿売れだぜ!」
とマネージャーKが業界人の本音をぽろっと漏らしてしまったものだから、 それを横で聞いていた愁一の相棒・ヒロシはプッツンきてしまいます。
どうやらこの徹底した商業主義がお気に召さなかったご様子です。
さて、ヒロシはBAD LUCKを抜けてしまうのか。
CD100万枚の夢は潰えたのか……。
というところで、ヒロシが密かに恋している由貴のもと婚約者・綾加ちゃんが現れます。
彼女は言いました。
「私とデートしたかったらCD100万枚売って下さい」
……商業主義バンザイ・売ったろうやんけ100万枚!!
というわけでヒロシ復帰。
愁一は由貴とプリクラ取ってミッキーに会うために、
ヒロシは綾香ちゃんとデートするために、100万枚に向けて驀進します。
そして達成された100万枚。
……こいつらにはミリオンセラーCDを出したミュージシャンとしての喜びはないのか。
ミッキーめがけてまっしぐらです。
まぁ、結局、軍人K(何で軍人がマネージャー何かやってるんだ……)
が護衛と称した破壊工作を行使してディ○ニーランドが壊滅。
しかし、実弾とか撃って良いのかな……。
「安全な弾だ、死にはしない」
と言いつつ発射されたその安全な弾の命中先で吹っ飛んでる車は、あれは何なんだろう……。
なんか爆発とか起こってるような?
安全な弾に狙撃されて「ツチノコ出版万歳!」と運転者が絶叫しながら炎上する、あの車は何なんだろ……。
深く考えない方が良さそうです。
なんか彼らが所属する事務所も、衛星狙撃かなんかでどさくさに紛れて吹っ飛ばされてますけど、 冗談ですよきっと……だってギャグマンガだし。
だいたい、何でこんなギャグ満載なページのすぐ後に、由貴の過去話打ち明けが来てたりするんだろう。
恐ろしい漫画です。
グラビテーション(8)
どんどん話が破壊加速していくグラビテーション8巻。
前巻で念願の由貴とのデート&プリクラを果たした愁一ですが、彼の受難は続きます。
翌日出社したところ、傷だらけ、ホータイまみれの坂野さん(N-G社員)が迎えて下さいます。
……そう、Kが発射した爆弾もどきは、もどきじゃなくリアル宇宙兵器だったらしく。
N-Gビルは跡形もなく吹っ飛んでしまっていたのです。
(宇宙兵器ぶちかましてよくビル1つですんだよな)
安全な弾も、きっと安全じゃなかったんですね……なんで警察出てこないんだろう。
で、出社するなり社長(冬馬)に呼び出され、 やべぇ、バレたらクビだよと怯える爆弾発射加担者たちですが。
用件はそこじゃなかったんですね。ビルの件は無問題だそうです。
建て替える予定があったとかで、クビにはならない模様。
実際に用事があったのは愁一ひとり。
社長の要求→BAD LUCK潰されたくなかったら由貴と別れろ。
過保護にすぎる冬馬は、愁一が由貴の負担になっていると判断し、 レーベルの社長であることを利用してあからさまな圧力を愁一にかけたのです。
「もう2度と瑛里さんに近付かないで下さい(中略)
あなたは目障りなんですよ。すっかり瑛里さんを独占したつもりみたいですが、 瑛里さんはボクのものなんですから勘違いしないで下さい。
それでもまだ勘違いを続けるようでしたら、
誰のおかげでBAD LUCKが成功したのか、よく考えてみて下さいね」
あからさまに脅迫してます。
取り繕うつもりとかまったくありません、直球です。
そしてこの冬馬の脅迫から紆余曲折を経て、愁一は突然現れたKの嫁さんにNYに拉致られます。
何が起こったのか(読者が)よく把握できないウチに、愁一は飛行機に乗せられて輸送。
Kは愁一奪還のため、外壁から生身で飛行機を襲撃。
……!? K、あきらかに人間辞めてます。
飛行中の飛行機の羽の上に、なんで直立できるんですか。ありえねぇ!!
しかし、Kの抵抗も虚しくアメリカ到着。
アメリカデビューに向けて、当の愁一の意志は完全無視で話は突き進んでいきます。
この漫画の行き着く先がまったく読めなくなった巻でした。
グラビテーション(9)
さて、物語はどんどん意味不明に暴走していきます。9巻です。
愁一を取り合うXMR社とN-G社。
萌要素を勘違いしているとしか思えないXMR社の海外同人娘・レイジと、
日本から愁一を追いかけてきた坂野さんとK、そして由貴。
壮絶に繰り広げられる市街戦。
「市街戦は得意じゃないんだけどなー」
と呟きながらKが発砲すれば、飛んでいたヘリは墜落してビルに激突。
「自覚してんならもっと慎重に撃ったらどうだ!」
という愁一のツッコミも虚しく、戦線は拡大していきます。
ヘリを撃ち落とされてレイジは激怒し、謎のパンダ型ロボット兵器に乗って登場。
なぜか誰が誰を好きだどうしたという告白が銃弾と共に飛び交い、 原因不明のまま街は破壊されていきます。
以下、作中の中継です。
(ギャグ表現じゃなく、リアルで撃った撃たれた爆発したをやっております。
アメリカだぞ……軍隊とかきてもおかしくないんだぞ、どーなってんだ)
「マンハッタンMadison Ave.で、白昼突然の銃撃戦
銃撃戦と呼んでいいのか!? これは戦争です!! いや戦争か!?
ご覧下さい、まるでSF映画のような光景がくりひろげられておりますー!!!
会話の随所に見られるこの「ユキ」「エイリ」という単語が
なにか重要なカギかと思われます!!
おおっと!? どーしたんでしょうか、急にあたりが暗く…
なっ、なんだ!?あの光は 雲の上から…」
画面暗転して中継終了。
……世界最強のアメリカ軍はなにやってんですかー!!
アンタの国で意味不明なパンダの巨大ロボットが暴れ回ってんですよ。
バズーカだのミサイルだの謎の宇宙兵器だのが、
天下のマンハッタンを破壊して回ってんですよ。
呑気に民間に中継さしてていいんっすかー!?
しかも戦闘終了後、Kが発した言葉が、
「アレは安全な兵器だ。
ケガはしても死にはしない」
ちなみに↓
安全な兵器をぶっ放した結果、機能停止したパンダ兵器と廃墟と化した街の図。
ああもう、なにをかいわんや。
そして由貴サイドでは、由貴を強姦しようとして殺された男・北沢の弟とか登場してます。
由貴は彼に地味に嫌がらせをされます。
それでもなんとか愁一との仲を修復し、愁一は日本に帰ると決意。
……なぜか飛行機と並んで飛ぶパンダ兵器。
……父親を脅迫して会社を辞めて愁一を追いかけてきたレイジです。
……ついでに北沢の弟もなぜか飛行機に乗ってます。
いいのかなー制空権とか、いいのかな……
絶対あれ、許可とかとらずに飛行してるよなー。
つーかこんなん日本に連れてきて、
ちゃんと話がまとまるのかな……………。
グラビテーション(10~12)はこちら
いつものように紹介文を……と思ったんですが。
ミュージシャンを目指す高校生・新堂愁一の前に現れた超美形小説家・由貴瑛里。
二人を軸に展開するデンジャラス・ラブコメ!
以上、2行。
いやーこんな身も蓋もないアオリで良いんですかね?
と思いつつ読み返しました。
カップリングは瑛里×愁一。
なんですが。
ミュ-ジシャン目指して頑張ってる愁一は、
瑛里に初対面で自作の歌詞をボロクソに貶されます。
曰く、
「小学生以下だな たいした文章力だ
この程度でラブソングなんてケンカ売ってんのか?
才能ゼロだ やめちまえ」
……こんなんリアルで言われたら向こう3時間は立ち直れません。
よくこんな最悪の出会いが恋愛感情に発展したもんだと感心しきりです。
しかも2度目に瑛里を見かけた時は、友人の紹介でつきあい始めてた女を放り出して、
彼の車の前に立ちはだかるという無鉄砲ぶり。
(この頃は女とつきあうという選択肢も愁一にはあったんですね……)
しかもなんの弾みでか瑛里にもスイッチ入って突然愁一にキスしてみたりとえらい展開です。
「さいわい ムネがないから正気にもどった」by由貴……すごい言いようですね……。
そしてこの漫画のキーパーソン・由貴瑛里ですが、彼の人間関係はけっこう入り組んでます。
彼と関わったばっかりに、愁一は試験の真っ最中に瑛里の姉に教室から拉致られ、
彼を実家に帰るよう説得しろと言われちゃったりします。
(瑛里の実家は寺。)
その報酬が、瑛里の姉の旦那(音楽事務所の社長・瀬口冬馬)への口利きだったと。
まぁ結局、
「そんなコネ無くても実力でのしあがってやるわい!」
と大見栄きって断るわけですが、実力で突っ込んだデモテープはあえなく撃沈。
由貴とはキス止まりで終わった1巻。
なんか展開、滅茶苦茶です……。
私、愁一の親友で相棒のヒロシが気に入ってるんですが1巻ではまだ影が薄いです。
きっと、ノリと勢いで1話ずつ描いたんだろうなー。
と、なにげにコミックの墨にある空きスペースの作者コメントを眺めてみました。
このスチャラカな展開がすべて納得できる一言を発見しました。
「ぶっこわれた男の子だらけのハーレムなマンガを描きたい。
という不純なドーキで始まったこのグラビテーション」
なるほど……。でも男だらけのハーレムって……。
作者コメントって読み飛ばすのがほとんどだったんですが、
これからはきっちり読もうと思いました。
グラビテーション(2)
愁一のバンドプロデビューと由貴との初Hの2本だての2巻。
のっけから、俺もう音楽辞める発言をかました愁一の相棒ヒロシ。
デビュー前から解散の危機ですよBAD LUCK。
まぁ、数ページ後には愁一と殴り合いのケンカをし。
兄貴に説教されて大学行くのを止めたヒロシは、
入試の問題わけわからんと、試験時間をほとんど寝て過ごし、見事不合格。
しかも、その大学落ちました報告&やっぱ音楽続けます発言を、
卒業式の答辞で全校生徒を前に言い放ったものですから大変です。
先生は泣きそうで生徒は大喜び。
そして愁一、親友の肩を叩いて一言。
「不合格おめでとう」
そのまま卒業式は即興ライブに突入。
ヒロシの不合格を祝してバンザイ三唱ーッ!
とやり始めてしまいます。
私が教師だったら確実に卒倒してます。
こんな生徒ばっかだったら確実に胃に穴が空きます絶対にイヤだ……。
で、そのライブの最中に、プロデューサー坂野がきて、
「きみたち CD出してみないか」
となるわけです。
なんかデビューできそうな雰囲気ですよ。
よかったですねー卒業後、職探ししなくてすんで。
で、由貴との初エッチも、良くわからんテンションのまま突入して無事終了。
作者の思い入れが深かった割にあっさり済んでしまいます。
作者コメント曰く、
「第1話を描いたあの日。
「いつかはこの時が来る……いや、絶対に来させるぜ」
とひそかにもえていたわたし」
ということなのですが、直接的な描写は軽くスルーされてました。
(ちなみにそのストレスがどこで発散されているのかというと、
リミックスグラビテーションと題して発行されている同人誌でなんですね、あはは)
とりあえず、デビューは決まった、シンセのメンバーも決まった、
由貴との初Hもできたという2巻。
由貴の婚約者が登場したところで次巻に続く……。
いやはやまったく、ものすごいテンションの高さです。
愁一は馬鹿だし由貴は無駄に美形だし登場人物みんなぶっ飛んでるし展開早いしギャグ満載。
むしろこのシリーズ自体がギャグ。
でもまだこの頃は地に足のついたギャグだったんですよねー。
グラビテーション(3)
婚約者と愁一が由貴をめぐってすったもんだ……というか、
愁一が一人でぐるぐる悩みまくります。
で、悩んだ末になにをしたかというと、由貴と綾加さん(婚約者)も聴きに来てたデビューライブで、
マイク片手に声を張り上げて愛の告白をいたしました。
「由貴はーッ
オレのもんだーッ!!!」
告白された由貴ご本人は目を剥いて絶句。
読んでた私も一緒に絶句。
由貴が男の名前に聞こえないのがせめてもの救いでしょうか?
そしてなぜか騒然とするライブの舞台に飛び入り参加をする、
愁一憧れの超天才ボーカリスト佐久間竜一。
もうとっくに30まわってるはずのこの人は、なぜか愁一と同い年にしか見えません。
ものすごい若作りです。
というか。
……この流れがどうにもわからん。
なんで乱入するんだこんなとこに?
というまっとうな疑問は物置に放り込んで忘れましょう。
忘れられなかった場合、いたたまれなくなって職場放棄しそうになった哀れなプロデューサー・坂野さんのようになってしまいます。
彼もたいがい、苦労人です。
そしてなんとか乗り越えた(?)デビューライブの後。
バッド・ラックにテレビ出演の話が来ます。
……クイズ番組ですけど。
そこでも愁一はやってくれました。
収録前には同じ事務所の先輩にケンカを売り、
カメラが回り始めると素で爆弾を投下してくれます。
「あのーすみません。
オレたち100万円いらないんで、
優勝したらここで1曲歌っても良いですか?」
もちろん打ち合わせなし!
全部独断。
坂野さんは、「だからバラエティーはイヤだったんだァーッ!」
と頭を抱えて血を吐くような絶叫をしますが後の祭りというものです。
しかもホントに優勝して歌ってしまったというこの恐ろしいマンガ。
(しかしあれですね……
「犬と言えばDOG、では猫は?」という小学生でも分かりそうな問題に、
平然と「ドッグ!」と答えてしまうようなお馬鹿な愁一を優勝させた作者は凄いです。乾杯!)
そしてその結果、ランキングでケンカを売った先輩バンドASKに勝ってしまい、
完全に彼らを敵に回すことになります。
そりゃね……いくら歌上手くて才能あっても、
あんなふざけた男に負けたら腹も立ちますよね……。
気持ちは良く分かりますが、なんかこの時点で捨て駒の雰囲気満載の哀れなASKです。
一方、由貴との恋愛ですが、愁一はいつの間にか押しかけ女房に成り果てております。
鍋釜の代わりに楽器一式背負ってやってきて、由貴の家に住みついてしまいました。
それを受けて、最終ページで由貴は、
「明日で1週間だな バイバイ これでお別れだよ愁一クン」
とおっしゃってます……。
読み返さないと先の展開が思い出せません。
由貴って性格以前にどっか人格が破損してるので、行動が読めなかったりします。
ハイテンション&ローテンションとアップダウンの激しいマンガです。
グラビテーション(4)
やってしまいました。
ついにやってしまいました。
男なのになぜか見せしめに強姦+輪姦される愁一。
前の巻の続きで由貴に振られた愁一はASKの相沢滝につかまって、
彼に雇われた男たちにマワされてしまいます。
そしてそれをヒロシから聞かされた由貴はぶち切れてASKに殴り込み。
(これを見るに、どうも愁一が嫌いで振ったってわけでもなさそうなんですが)
「愁ちゃんのお味はどうだった?
このオレが丹誠込めて調教したんだ 最高だっただろ?
それをアホらしい理由でタダ食いしたうえに記念撮影までしたそうじゃねえか え?」
うわ~。
あの美形にどアップでこんなこと言われるんですよ。
こえぇー……。
由貴、目がいっちゃってます。
なまじ美形なだけのものすごい迫力でした。
で、です。
格好良く愁一が強姦された現場のネガを取り返した由貴を待っていたのが。
なぜか由貴のために、
セーラー服着て女装した愁一。
当然のように逃走を図る由貴。
追いかける愁一は、セーラー服姿で人混みに向かって逃げる由貴に叫びます。
「オレが男だから全部悪いんだろッ
オレが男だから嫌いなんだろ!!!」
何度も言いますがセーラー服で叫んだんですよヒィー!
お願いだからセーラー服着てこんなセリフを吐くのは止めて下さい。
腹が捩れますから!
(でも作者は大喜び。↓コメントで喜びを表明しておられます。
「ついにやりました!!
セーラー服です!!
コスチューム・プレイです!!
まるでこれを描きたいがために今まで連載をしてきたかのような私の喜びよう!!」
……さりげにものすごいこと言ってます)
しかしこの愁一のセーラー服作戦も由貴との復縁を叶えることは出来ず、
由貴は、数冊前に出てきた許嫁の綾加に結婚を申し込んでしまいます。
この先が問題です。
愁一がそれを知って何をしたか。
女装して自分が綾加だと言い張り、由貴の実家に乗り込み、
超絶強引に綾加と由貴の婚約を解消させてしまいました。
……コミックス1冊の中で2回も女装した主役って一体……?
そしてなんか勢いに押されるようにして、由貴と愁一は仲直りし、
由貴は、そのまま、「オレ人殺し」告白。あっさり受け入れる愁一。
ホントにこれで良いのかこいつら……。
どんどん展開がドシリアスに突っ込んでいっているというのに、
主人公がアホなので無駄に笑えます。
そして過保護な由貴の義理の兄・瀬口は、ASKに警告します。
「私情で申し訳ないけど、少しでも瑛里さんに近付いたら殺しますよ」
数字的には伸びそうだけど、そんなはした金より義弟のほうがずっと大事な瀬口冬馬でした。
みんなどっかぶっ飛んでるんですねぇ。このマンガのキャラは。
グラビテーション(5)
冒頭からいきなり謎の金髪外人新キャラに拉致られ、愁一はTVの前に放り出されてます。
佐久間竜一(大物ミュージシャン)の代わりに。
顔がそっくりだという理由で。
……。
事務所の面々が気付いた時にはすでに手遅れ。
皆さん画面の前で硬直なさいます。
しかし愁一は突発で出演してしまった番組でも見事な歌唱力を披露しました。
それに嫉妬心をかき立てられたASKの相沢滝は、
やめときゃいいのにまた愁一と瑛里に手を出そうとします。
もちろん、瀬口が黙っていません。
「さようなら、相沢さん」
と、笑顔で自分の事務所に所属してるミュージシャンを車道に突き飛ばしてしまいます。
怒らせてはいけない人って、世の中結構多いですよね……。
アーメン。
そして突如出現した新キャラK(いつの間にか愁一率いるバッド・ラックのマネージャーに就任)によって、
さらにこのマンガのギャグ路線が強化されます。
なんで一介のマネージャーが銃持ってるんでしょうかね?
しかも愁一、眉間打ち抜かれてるし……。ものすごいギャグ表現です。
このあたりから、実弾と虚弾の区別が微妙になりはじめます。
こんなにラリパッパな展開にもめげず、由貴サイドはシリアス路線を驀進中。
愁一は由貴に、一枚の写真をもらいます。
由貴が殺した相手と由貴のツーショットです。
↓コレ。
上のコマの向かって左が、由貴に殺された男で、その隣が由貴本人。
愁一も言ってますが、むしろ気になるのは左の男の死因より、右の男の現在に至る変貌ぶり。
なんでこんなに爽やかに笑ってた少年が、ここまでひねくれちゃったんでしょうかね?
この恋愛、どう発展していくのか予測がつかないです……。
つーかこの話の落としどころがまったく見えません。
K……この先散々、ストーリーを引っかき回してくれる厄介なキャラです。
でもまぁ、比較的、問題なく済んだ巻ですよね、5巻って……←遠い目。
グラビテーション(6)
この巻でCD100万枚売って由貴とディズニーランドでデートしてプリクラ作戦が発動。
すべてが100万枚のために動き出します。
そんな中に転がってきたTV出演の話。
またもやTVネタですが今度はひと味違います。
ミュージシャンなのになかなか歌番組で歌わせてもらえないバッド・ラック。
今度は料理番組です。
この番組収録中に、成り行きで由貴(だけど実はそっくりさんの弟・樹把)とキスをぶちかましてしまいます。
いくらそこがカットされたからといって目撃者は多数。
業界内にカミングアウトしたも同然の状況に陥ってしまいます。
翌日、由貴の自宅前はマスコミで満員御礼。
たまたまニューヨークに墓参りに行っていた由貴が戻ってくる頃には大変なことになってました。
しかし実際、直木賞候補作家っつーだけでそんなに注目されるものか?
愁一は売り出し中のミュージシャンですが、みんな由貴の方を撮りたがってたしなー。
肩書きより顔ってことなんでしょーか。みんな現金ですね……私もだけど。
しかしさて、どうやって切り抜けるのかな~?
と思いますよね……。
由貴がリポーターくどいて丸め込むとか、詐欺師まがいの弁舌を振るってすっとぼけるとか、
普通考えますよね……でもこいつらは違いました……。
全国ネットでカミングアウトしました。
事務所は騒然、坂野さんは首を吊り救急車を呼ぶ騒ぎに。
視聴者からは苦情が殺到し、当の二人は、
「だからホモだっつってんだろオオ
ほかになにとりてえんだよあ――――!!?」
と開き直って逆ギレ。
このスキャンダルを機にCD売りまくるぜ!
と発言したマネージャーのKに、そこまでして売りたいのかよとヒロシがぶち切れ。
もう降りるぜと宣言。
しかもここで6巻終了。
行き当たりばったりという言葉が頭の中を乱舞いたしました。
シリアスになりきれず、どうあってもギャグ中心で構成されるこのストーリー。
責任の1/5くらいはKと愁一にあると思うんですが、
明らかに残り4/5は作者の責任ですよねコレ……。
グラビテーション(7)
この巻は、なんというか……、ヒロシと愁一の打算友情物語、ですたぶん。
前巻でホモ宣言を派手にぶちかました作家・由貴瑛里とミュージシャン・愁一。
結果は、
由貴の前著作、馬鹿売れ
BAD LUCKのヒットチャート、1位
みんな好きだねぇ。
でも、「このカミングアウトのおかげでCD馬鹿売れだぜ!」
とマネージャーKが業界人の本音をぽろっと漏らしてしまったものだから、 それを横で聞いていた愁一の相棒・ヒロシはプッツンきてしまいます。
どうやらこの徹底した商業主義がお気に召さなかったご様子です。
さて、ヒロシはBAD LUCKを抜けてしまうのか。
CD100万枚の夢は潰えたのか……。
というところで、ヒロシが密かに恋している由貴のもと婚約者・綾加ちゃんが現れます。
彼女は言いました。
「私とデートしたかったらCD100万枚売って下さい」
……商業主義バンザイ・売ったろうやんけ100万枚!!
というわけでヒロシ復帰。
愁一は由貴とプリクラ取ってミッキーに会うために、
ヒロシは綾香ちゃんとデートするために、100万枚に向けて驀進します。
そして達成された100万枚。
……こいつらにはミリオンセラーCDを出したミュージシャンとしての喜びはないのか。
ミッキーめがけてまっしぐらです。
まぁ、結局、軍人K(何で軍人がマネージャー何かやってるんだ……)
が護衛と称した破壊工作を行使してディ○ニーランドが壊滅。
しかし、実弾とか撃って良いのかな……。
「安全な弾だ、死にはしない」
と言いつつ発射されたその安全な弾の命中先で吹っ飛んでる車は、あれは何なんだろう……。
なんか爆発とか起こってるような?
安全な弾に狙撃されて「ツチノコ出版万歳!」と運転者が絶叫しながら炎上する、あの車は何なんだろ……。
深く考えない方が良さそうです。
なんか彼らが所属する事務所も、衛星狙撃かなんかでどさくさに紛れて吹っ飛ばされてますけど、 冗談ですよきっと……だってギャグマンガだし。
だいたい、何でこんなギャグ満載なページのすぐ後に、由貴の過去話打ち明けが来てたりするんだろう。
恐ろしい漫画です。
グラビテーション(8)
どんどん話が
前巻で念願の由貴とのデート&プリクラを果たした愁一ですが、彼の受難は続きます。
翌日出社したところ、傷だらけ、ホータイまみれの坂野さん(N-G社員)が迎えて下さいます。
……そう、Kが発射した爆弾もどきは、もどきじゃなくリアル宇宙兵器だったらしく。
N-Gビルは跡形もなく吹っ飛んでしまっていたのです。
(宇宙兵器ぶちかましてよくビル1つですんだよな)
安全な弾も、きっと安全じゃなかったんですね……なんで警察出てこないんだろう。
で、出社するなり社長(冬馬)に呼び出され、 やべぇ、バレたらクビだよと怯える爆弾発射加担者たちですが。
用件はそこじゃなかったんですね。ビルの件は無問題だそうです。
建て替える予定があったとかで、クビにはならない模様。
実際に用事があったのは愁一ひとり。
社長の要求→BAD LUCK潰されたくなかったら由貴と別れろ。
過保護にすぎる冬馬は、愁一が由貴の負担になっていると判断し、 レーベルの社長であることを利用してあからさまな圧力を愁一にかけたのです。
「もう2度と瑛里さんに近付かないで下さい(中略)
あなたは目障りなんですよ。すっかり瑛里さんを独占したつもりみたいですが、 瑛里さんはボクのものなんですから勘違いしないで下さい。
それでもまだ勘違いを続けるようでしたら、
誰のおかげでBAD LUCKが成功したのか、よく考えてみて下さいね」
あからさまに脅迫してます。
取り繕うつもりとかまったくありません、直球です。
そしてこの冬馬の脅迫から紆余曲折を経て、愁一は突然現れたKの嫁さんにNYに拉致られます。
何が起こったのか(読者が)よく把握できないウチに、愁一は飛行機に乗せられて輸送。
Kは愁一奪還のため、外壁から生身で飛行機を襲撃。
……!? K、あきらかに人間辞めてます。
飛行中の飛行機の羽の上に、なんで直立できるんですか。ありえねぇ!!
しかし、Kの抵抗も虚しくアメリカ到着。
アメリカデビューに向けて、当の愁一の意志は完全無視で話は突き進んでいきます。
この漫画の行き着く先がまったく読めなくなった巻でした。
グラビテーション(9)
さて、物語はどんどん意味不明に暴走していきます。9巻です。
愁一を取り合うXMR社とN-G社。
萌要素を勘違いしているとしか思えないXMR社の海外同人娘・レイジと、
日本から愁一を追いかけてきた坂野さんとK、そして由貴。
壮絶に繰り広げられる市街戦。
「市街戦は得意じゃないんだけどなー」
と呟きながらKが発砲すれば、飛んでいたヘリは墜落してビルに激突。
「自覚してんならもっと慎重に撃ったらどうだ!」
という愁一のツッコミも虚しく、戦線は拡大していきます。
ヘリを撃ち落とされてレイジは激怒し、謎のパンダ型ロボット兵器に乗って登場。
なぜか誰が誰を好きだどうしたという告白が銃弾と共に飛び交い、 原因不明のまま街は破壊されていきます。
以下、作中の中継です。
(ギャグ表現じゃなく、リアルで撃った撃たれた爆発したをやっております。
アメリカだぞ……軍隊とかきてもおかしくないんだぞ、どーなってんだ)
「マンハッタンMadison Ave.で、白昼突然の銃撃戦
銃撃戦と呼んでいいのか!? これは戦争です!! いや戦争か!?
ご覧下さい、まるでSF映画のような光景がくりひろげられておりますー!!!
会話の随所に見られるこの「ユキ」「エイリ」という単語が
なにか重要なカギかと思われます!!
おおっと!? どーしたんでしょうか、急にあたりが暗く…
なっ、なんだ!?あの光は 雲の上から…」
画面暗転して中継終了。
……世界最強のアメリカ軍はなにやってんですかー!!
アンタの国で意味不明なパンダの巨大ロボットが暴れ回ってんですよ。
バズーカだのミサイルだの謎の宇宙兵器だのが、
天下のマンハッタンを破壊して回ってんですよ。
呑気に民間に中継さしてていいんっすかー!?
しかも戦闘終了後、Kが発した言葉が、
「アレは安全な兵器だ。
ケガはしても死にはしない」
ちなみに↓
安全な兵器をぶっ放した結果、機能停止したパンダ兵器と廃墟と化した街の図。
ああもう、なにをかいわんや。
そして由貴サイドでは、由貴を強姦しようとして殺された男・北沢の弟とか登場してます。
由貴は彼に地味に嫌がらせをされます。
それでもなんとか愁一との仲を修復し、愁一は日本に帰ると決意。
……なぜか飛行機と並んで飛ぶパンダ兵器。
……父親を脅迫して会社を辞めて愁一を追いかけてきたレイジです。
……ついでに北沢の弟もなぜか飛行機に乗ってます。
いいのかなー制空権とか、いいのかな……
絶対あれ、許可とかとらずに飛行してるよなー。
つーかこんなん日本に連れてきて、
ちゃんと話がまとまるのかな……………。
グラビテーション(10~12)はこちら
↓WEB拍手です↓
アキミ
臨場感溢れるコメントがグラビへの愛を感じますね〜。
後日のレビューも楽しみに待ってます!