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ボーイズラブ・レビュー



この作品のレビューがこんなに遅くなったことが謎です。
ずっと前から大好きで追いかけてるシリーズで、
カテゴリのSFは、これを入れるためのみに作りました

久能千明さん。

MY脳内データ。
文章:一級
エロ:一級
受けキャラ萌え度:無限大

つまり、相当のお気に入りなわけです。

古い作品ですが、最近リメイクされて、
出版社が変わって再版かかってますので、
かなり手に入りやすいと思います。
リニューアルは買ってないので新しく載った短編が読めておらず、
そのうちニューバージョンで揃えてやると息をまいております。


SF的なツッコミは、たぶん色々できるんでしょうが、
止めておきましょう。
というか、白状すると、私は数年前までSFのことを、
スペースファンタジー」だと信じていたくらいSFオンチなので、
その辺には的確に突っ込めないのです。
(銀英伝もキャラ萌のみで読了した強者ですよ。
ヤン大好き。あのシリーズは8巻で完結です)

コンピューターだのワープだの色々出てきますが大丈夫、読めます。
レイノルズ数とか次元解析が理解できなくても単位が取れるのと一緒で、
つまり日本語が読めて、キャラがツボにはまれば楽しく読めます。



以下ネタバレ妄想注意!





紹介文いきます。


新惑星Σ‐23を目指す惑星探査船のクルーとなった、
傭兵あがりの三四郎は、当直のその日、
コールドスリープから目覚める。
長い歳月を要するこの航海は、
コンピュータにより精神面はもちろん、
身体の相性も最高と判断された武官と文官の組み合わせ
“バディ”達によって運行される。
しかし、三四郎の相手として現れた人物は、
万華鏡の瞳をもつ月生まれの美しい男だったのだ。
驚きも束の間、二人を乗せた船が、突然軌道を外れ始め―。(上巻)

惑星探査船ジュール=ヴェルヌのクルー、
三四郎とカイは徐々にではあったが、
お互いに興味を抱き始める。
しかし、二人を乗せた船は突如暴走を始め、
彼らを窮地へと追い込む。
原因はコンピュータ中枢の『青ヲ探セ』をいう謎の指令だった。
暴走をくい止めるためカイはある行動に出ようとするが―!?
ブラックホールへと突き進む船、
気持ちがすれ違ってしまう三四郎とカイ。
―果たして、彼らが辿り着いた結末とは。(下巻)



上下巻で一応の区切りはついています。
ひとつこのあらすじに突っ込ませて頂くならば、
カイと三四郎、気持ちがすれ違うどころか、

接点自体が存在しませんでしたから!


そして、設定自体がもうかなりいっちゃってます。
コンピュータと人間の両方から相性バッチリ!
と太鼓判を押された二人組がペアになって、
宇宙船を操縦するわけです。
で、性格、仕事面で相性バッチリってコトは、
もちろん身体の相性もバッチリよね
ということで、仕事仲間兼セックスフレンドのバディ誕生。
この通称バディ飛行は別名「極楽飛行」でした。
……という。

なのに、主人公(攻)のバディはなんと男でした。
冗談じゃねー聞いてねーと三四郎(攻)は喚くし、
受のカイも、三四郎のことが気に入らない。

もう初期のカイが三四郎を見る眼なんて、
発情期の犬以下のモノを見るみたいに冷気漂ってましたから。

そもそもこの二人、性格も育ちも違いすぎるのです。
傭兵上がりの三四郎に、
生まれは月でも、エリート街道まっしぐらだったカイ。
接点=ゼロ
お互いを理解しようとする気遣い=マイナス

そりゃ上手くいきませんわ。

しかもカイは、もともと月出身の種族、月人(ルナン)。
この世界での設定では月人=快楽至上主義のエピキュリアン
種族自体が美形集団で、一般的なモラルは崩壊というか皆無、
気に入れば誰とでも肌を合わせて楽しめる、という人々なのです。
なのですが、カイはそんな自分の性質を嫌い抜いて、
それを無理矢理押さえ込んでいます。
超絶美しい顔は半分バイザーで隠し、
セクシーなハスキーヴォイスは抑揚を抑えて平坦にして。


でもねぇ。
……そんなんされたら押し倒してその仮面をはぐって、
思うさま喘がせてみたいと思ってしまうのは、

私の脳みそが腐ってるからでしょうか?




ええと。
とにかく、三四郎はほぼ100%本能のみ、
脊髄反射で行動してしまうドーブツなので、
屈折しまくったカイが理解できません。

仲間同士だというのに、銃で撃った打たれないの騒動までやらかし、
三四郎はカイの特殊能力のひとつ、
電撃(H×Hのキルアの能力みたいなの)をくらい、
それでも仕事の相性は良かったみたいで、
それぞれのないところは補い合い、
軌道を反れて暴走する船を助け、
もう一組のバディをハラハラさせながらも、
危機は無事脱しました、と、最後にエッチしてエンド。
(ハッピー、と言うわけではたぶんない)

三四郎の超法規的問題解決法はスカッとさせてくれますし、
カイの毒舌は、これまた相当のモノです。
お互い仕事もできて、プライドも高い。
そして二人とも人間としてどこか歪んでる。
見どころというか萌どころというか、
押さえるところは押さえてちゃんと読ませてくれます。
エロ描写も上手いですし(重要)。

まだシリーズ1作目なので、
どれだけカイがねじくれてるかとか、
自己嫌悪というより自己憎悪と言うくらいの爆弾を抱えてるとか、
あまりはっきり出てきません。

でも、とりあえず美形でトラウマ持ちの受というのが、
見事に私の萌ツボを刺激して下さり、
1年に1冊出るかでないかの新刊を、
もう8年以上も繰り返して待ち続け、
現在進行形でもだえ中です。

……今年は新刊出してくれるかな……。
出ると良いな……。
むしろ出ればラッキー?

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