4044344108東京ナイトアウト (4)
川原 つばさ

角川書店 1999-12
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ボーイズラブ・レビュー



なんかもう、学園モノに分類するのが申し訳ないほど、
学校なんかほとんど出てこない最終巻でございました。

なんとも感慨深いものがあります、この最終巻。
私事ですが、これをリアルタイムで読んだ時、
私はまだ彼らと同じ学校という機関に(かろうじで)通っておりました。
どっちかというと、楽しい学園生活だったと思います。
学校はきらいだったけど、パソコン教えてくれる先生(犀川先生のイメージにそっくりの先生だった)と、本読み友だちと化しつつあった先生(どっちの先生にも授業はならってなかった)は好きだったし、一生付き合っていけるという友人達ともここで出会いました。

勉強は全然真面目にしなかったので、模試なんかも進学校の生徒にあるまじき数字(200点満点の数学が28点とかだったもんなー)をはじき出し、学内試験でも英数は赤点常連で担任に頭を抱えさせ、大学受験本番では、あわや浪人かと言わんばかりの恐ろしげなセンター結果で両親は顔面蒼白、担任は虚ろな眼で「近畿圏の国立は諦めろ、地方に行けばまだ望みはある!」とのたまい、でも結局第1志望に突っ込んで気弱な担任を卒倒させかけ、でもまぁなんとかひっかかって浪人は免れたとか。
成績に関してはろくな思い出がないですね……。
この辺でやめとこう、恥晒すだけだぞ俺


しかしまぁ、だから、
桔梗には全巻を通して、
ものすごーく親近感を覚えたわけですよ。
この子もずいぶん成長しました。
(そして自分も成長したと信じていいですか……?)


以下ネタバレ妄想注意!






では紹介文をどうぞ。


「男同士の約束だ。危ないことはしない。」
その言葉と城堂の部屋を残して一樹が姿を消してから、
1週間が経った。
一樹の安否を気遣いながらも、
何もできないでいた桔梗のいらだちがピークに達した頃、
バカンス中のエマから一樹を見たと電話が入る。
それは変換を間近に控えてますます混沌とした英国領、
「香港」からだった……。



もう主役は一樹さんだと思っていいですね

攫われたあげくパスポートもナシで香港に連れ出され、
ホテルのスウィートルームに軟禁

卓也と桔梗が会いに行っても面会拒否。

で、長年の宿敵、桜庭との決着。
(桜庭は銃で撃たれて死亡)

中心になって動いてたの、
明らかに一樹さんな1冊でした。

伏線はほとんど消化され、桔梗の夢遊病の原因も分かり、
根元は始末され、物語は次ののステージへ、
と言うところで終わっています。


最後のシーンで、桔梗が卓也に、
学校辞めてモデルやる!」
と宣言した後、俺が綺麗になったら嬉しいでしょ?
俺は美人に興味ない、じゃあどんなのがいいの、などと、
飛行機の搭乗口の前でやり合う二人に笑いました。
ホモ宣言決定の話題だというのに、卓也さん、
すでに違和感もなく桔梗ペースです。

いろんな事に一生懸命な桔梗が可愛くてもう大変です。
弟にしたいわあ(アシュレイと二人……でもきっと、
こんな弟たちがいたら家は戦争状態ですねー)

なんというか、全体的にシリアスタッチで進んだため、
これと言ってツッコミどころがないのですが、
全巻通して読み終わった後、元気になれる小説です。

自分が生徒やってた時代に読んだものですから、
共感できた部分も多くて、いっぱい読み返しました。

まだこの先に番外編が3冊あります。
でもこの1冊がひとつの区切りには違いないわけでー。

うん、良いシリーズでした。
そろそろ桔梗が去年プロデュースしたシャツが着られる季節です。
(去年、リアル世界でホントに商品化してました。
姉妹で1枚ずつ所有してる我が家。まわりにもなかなか評判良いです。
ナイトアウト関連グッズは使い良いのが多いので、色々持ってます)
ああ、ぼつぼつレビュー書いていると、
一気に読み返したくなってきました。
落ち着いたら徹夜で全作読み通しとかやってみましょうかね。
そしてここでレポートしていくのです。
誰か一緒にやりませんか~(笑)

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