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ボーイズラブ・レビュー
すごいですねー。
月刊・榎田尤利。
たぶんもう1巻が発行された時点で2巻の原稿もあがってたんでしょう。
執筆ペースが速いのは、彼女の数多い美点のひとつでもあります。
相変わらず上手いなー。
榎田尤利の書くボーイズラブは、いつも安心して読めます。
好き嫌いはあっても、金返せコラッ! ってのはないですから。
この眠る探偵シリーズには、私かなり期待しているんです。
もしかしたら魚住くんに匹敵する彼女の代表作になるんじゃないかと。
魚住くんシリーズのクオリティは半端じゃなかったですから。
このボーイズラブだけは冗談抜きで、
ノーマルな人にも勧められると思ってます私。
榎田さんは、浮世離れした人間を書かせるとめちゃめちゃ上手いです。
魚住くんしかり、眠る探偵の真音しかり。
もしかして作者ももの凄く浮世離れしているんじゃないか。
と、時々疑りたくなるわけです。
でも真音には、魚住くんと違って執着するものがちゃんとあるから、
まだ安心して見ていられます。
なんつっても、
ボーイズラブ業界には異色の婚姻歴アリ実子持ち+弟の美形ですから!
以下ネタバレ妄想注意!
紹介文いっときましょう(短いです)
真音、何人殺せば、俺のものになる?
眠ることで事件の真相を探ることのできる超美形の探偵・市羅木真音。
真音を手に入れるため人を殺し続ける犯罪者・三条槇。
ふたりの新たな闘いが始まった!?
というか、今回の依頼者とか完璧スルーしてますね、紹介文。
確かの今回限りの登場で脇役っちゃそれまでなんですが。
それで良いのか。
まぁ、嫌がらせ原因の調査を依頼に来た女装癖持ちの中年なんぞ、
ストーリーの流れから見たらアウトオブ眼中なんかも知れませんが。
私は嫌いじゃなかったですよー。小山さん。
結局その小山さんも、槇が真音の気を引くために利用しただけの人なんですけどね。
槇の心理がつかめません。
それがこの物語の深みを増しているのかも知れませんが。
真音を攫いたいわけじゃない。
身体も欲しいが心も欲しい。
真音に依存している。
真音の弟をうらやみながらも、
最後には自分を選ぶと言い切る自信。
わけわかんねー。
真音にしても、槇を嫌いなわけではないんですよね。
真音の娘の笑子ちゃんは嫌いみたいですが。
真音、槇、笑子ちゃん、タカちゃん(←真音の弟)
この5人の人間関係模様が物語の中核を成しています。
真音と槇の関係がどうなっていくのかが気になります。
後は単純に、浮世離れしてるくせに、
弟と娘を溺愛してる、時々やたら人間臭い真音が好きです。
臆面もなく突然中学校に尋ねていって、
衆人観衆の中、娘を抱擁するのは止めなさいお父さん。
自分の顔がもたらす効力に関して無関心すぎますから!
そして。
もうひとつ特筆すべき事は。
この巻には、まったく全然、
エッチシーンがなかった!
ボーイズラブにあるまじき1冊ですよ奥さん。
でもねー。
これが、面白いから許されるんだわ。
世の中不公平なもんです。
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アキミ