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天涯行き (キャラ文庫)天涯行き (キャラ文庫)
凪良ゆう 高久尚子

徳間書店 2012-06-27
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ボーイズラブ・レビュー


2冊連続で高久尚子さんのイラストがついたBL小説の感想です。
なんというか、タイミングですなー。

明るく愉快な作品比率の高いボーイズラブですが、このお話は切な重めの内容です。
切ない系の作品は大好き。
楽しいアホエ口も好きだけどな!!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
名前しか知らない相手と、夜ごと激しく抱き合って眠る―。旅の青年・高知をなりゆきで家に住まわせることになった遠召。戻らない恋人を待ち続ける遠召と、人懐こい笑顔と裏腹に、なぜか素性を語らない高知。互いの秘密には触れない、共犯めいた奇妙な共同生活。この平穏で心地良い日々はいつまで続くんだろう…?けれどある日、高知が殺人未遂事件の容疑者として追われていると知って!?―。

精神的に満身創痍の男二人が、出会ったーみたいな話です。
ぱっと見は分かんなくても、とにかくこいつら2人ともボロボロです。

遠召は恋人というか義兄に精神的に支配されていてある部分依存していて、肉体関係あり暴力有りの、なかなかヘヴィーな関係です。しかも義兄、一方的に遠召を捨てています。
いや、捨ててるわけじゃないけどすぐ戻るつって8年放置はもうそれ捨てたよりひどいよね。 とにかく、歪みまくった関係が誇り被ったまま8年ですよもう病的。

一方の高知は、これまた新聞沙汰警察沙汰レベルの事件を身内相手に起こして逃亡中。
騙されて自死した姉のコトを思うと同情の余地しかないんですけども、とにかく世間的にはお尋ね者で、しかもやったことに関しては後悔してなかったりするんです。

その場しのぎというか、現実から目をそらしての同居と言ってしまえばそれまでなんですが、お互いがお互いの存在に慰められたり傾いたりっていうながれはすごく好き。
逃げてばっかじゃどうしようもないけど、逃げなきゃどうしようもないことだって世の中いっぱいあるわけですから。


最終的に、2人とも前を向いて建設的な方向に歩き始めたので、立派なハッピーエンドだと思います。
完全に決着が付いたかというと、そうとも言えなかったり……特に高知の姉婿はな!
天罰的なものが下ると良いと思うよ!!
遠召の義兄もなかなか救いがたい堕ちっぷりですが、彼は立ち直れるんですかね……。

メインの2人も、まだ色々ありそうなので続きとか、でたらいいなーと思います。
彼らは新しい家で、じんわり幸せになっていくと良い。

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