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木原 音瀬 小椋 ムク

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ボーイズラブ・レビュー


原作付きのBLコミックス、キャッスルマンゴー12(完)の小説番外編です。
当然、原作の木原 音瀬さんが書いてます。

攻の十亀の過去と、キャッスルマンゴーが完結したその後のお話です。
これは3冊セットで読んで完成する作品だなーと思いますので、コミックス読んだ人は是非こちらも……そのなんだ、安定の木原クオリティなので普通のボーイズラブばっかり読んでたら面食らうヘヴィーさですが、これでも木原作品の中では優しい方ですから大丈夫ですたぶんきっと!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
十亀にとって高校も友達もどうでもよくて、父親がつくった借金の返済に追われ、バイトをしながら姉弟と一日をなんとか食べて生きること、それがすべてだった。そんな時、ふとしたきっかけから同じクラスの二宮と口を利くようになり、彼の明るさに十亀の心は少しずつ癒されていく。しかし、二宮にほのかな想いを感じはじめた矢先、哀しい運命が十七歳の十亀を待ちかまえていた―。表題作に加え、大人に成長した十亀が優しい恋人・万と出会い、映画監督への道を歩み始めた「今」の葛藤を描いた書き下ろしを収録。

前半が十亀の過去、高校時代のお話です。
金のないキャラってボーイズラブにもラノベにも純文にもよく転がってますが、十亀の深刻さは現実味があって相当深刻です。マジで金がないの家に!
母親は他界、親父が借金してアル中で内臓やられて入院してて、姉は中卒で工場で働き、長男である十亀は高校に行きながらバイト三昧、末の弟は小学生。
家に食べ物がないとか、お風呂に入れないから盥にお湯を入れて震えながら身体を洗うとかなんかこう、つらい貧困なんですよね……身近にありそうで。
しかも母親の墓を建てられなくて骨を海に流してるんですよ……さらに、十亀は高校生のうちにこの家族全員を事故で失うんですよ……そしてやはり金が無くて骨を海に……おおおお、書いててテンションだだ下がりですわ。

この腰の曲がりそうな重い展開に二宮が天使です。
可愛い。真っ直ぐ育った感じのする男の子が眩しかった……。
もうこいつが二宮とくっつけば良かったのにと万が泣きそうなこと考えちゃいました。
あの時代、十亀に彼がいなかったら本当に救いがなさ過ぎます。

もともと殆ど持っていなかったのに、本当に何もかもなくして単身上京してなんとか生き抜いた十亀。
ああもう、十亀は高校時代に二宮という友人がいてよかったし、その後で万と出会えてよかった。これだけ叩きのめされたら、後半でめいっぱい幸せにならないと±が釣り合わないですからね!


そして後半が、キャッスルマンゴーと地続きのお話。
映画監督として頑張りつつ、そのせいで恋人とすれ違って……というBL的というか恋愛モノとしてとてもベーシックな展開なんですが、なにしろ十亀が背負ってる過去が過去ですから、反応が普通じゃありません。
この男、すれ違って相手からの連絡が途絶えたらそのまま自然消滅しちゃっても仕方ないかな、悲しいけど、みたいに諦めようとするんです。
オイコラちょっと待て、それじゃ話が成立しないから!
そこでアンタが諦めたらこの話、なんの救いもなく起承転結ガン無視状態で消滅するから!
とにかく、十亀は諦めすぎます。
もっと執着してよって、そりゃ恋人じゃなくても詰め寄りたくなります。
諦めるしかなかった高校時代を考えるとそれが彼の処世術になってても仕方ないかなとも思えて悲しいんですけども、いやでももうちょっと頑張ってよっていうね。

映画の撮影現場とか、すごい面白かったし十亀のできる具合も分かってその辺はすごく楽しかったです。十亀の仕事場に何とか潜り込んできた万の努力に私は涙目でした。
ほんとキャッスルマンゴーの時から万は良くやっているよ……。
本気で腹立つ脇キャラとかもおり、しっかり木原節が炸裂しています。
さすがの面白さですよ、重いけど!

これから十亀は諦めないことを学んで万とちゃんと幸せになっていただきたいと思います。
BGMには大事MANブラザーズのそれが大事を捧げますよ。
負けないこと・投げ出さない事・逃げ出さないこと・信じ抜くことっていうあれですあれ。

しかしこれ1冊読むと、キャッスルマンゴーの文章版も読みたくなるなあというのは読者のわがままでしょうね……。ちょっと読んでみたいんです。
コミックスもすごく良かったんですけども!
とりあえず、3冊セットでおすすめしたいお話でした。

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