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略奪者の弓 (キャラ文庫)略奪者の弓 (キャラ文庫)
春原いずみ Ciel

徳間書店 2012-05-26
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ボーイズラブ・レビュー


春原いずみさんの新刊です。
弓道の家元のお家騒動というか後継問題というか……。
どことなくジュネ的な香りのする設定ですが、激しくドロドロしてるわけでもないのでご安心くださいという。
私好みの長髪美人の箱入り息子が受でございます。
和装の似合う受さん最高!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
僕の弓は誰にも負けない―弓道家元に養子入りし、後継者として身を捧げてきた尊は、ある日、石堂颯と名乗る青年と出会う。人なつこく飄々としながらも、颯は、自分こそが家元の血を引く正当な後継者だと宣言!しかも、愕然とする尊に「俺が本当に欲しいのはおまえだ」と告げてきた!地位も将来も奪ったくせに、僕まで手に入れようというのか―颯という名の嵐に運命が動き出す。

跡取りがいないので養子をとって後継者として育てたけど、ある時突然自分の血を引く息子がすげー弓の才能を引っさげてあらわれたものですから大変です。
家元、悩みましたが結局、

「自分の血を引いてる才能のある人物が現れたんだからそっちに継がせる!」

って宣言したからもう大変です。
いくらなんでもそれは酷くないですか……という展開です。
もちろん、後継者として育てられた受さんは茫然自失。
まともな判断力大丈夫? というくらい大混乱の中、ずっと自分の世話をしてくれていた成瀬に愛の告白をされ、なんとそのまま最後まで致してしまいます。
え、あれ、表紙とカップリング違うよ!? って焦りましたが案の定当て馬でした。
結構重要人物だしさて当て馬か3Pコースかと迷いましたが当て馬の方でした。
なんかこう、気の毒としか……!

しかも気の毒だわーと思ってたら、突然出てきた隠し子に弓を教えた張本人で、ええええ、キミ、かわいそうだと思ってたら実は黒幕だったんです!? という。
なんだかんだで受さんを箱入りに育てた張本人でもあり、愛の形が様々すぎるってことを思い知らされた気分であります。

ちなみに攻さんは、受の居場所を薙ぎ払った張本人なんですが、驚くほど憎めないイケメン爽やかボーイです。まるで攻になるために生まれてきたよーな男ですよ!
攻に強引に連れられてしばらく一緒に暮らして、自分がいかに箱入りだったかを自覚していく受さん。
この流れがかなり好みです。なんかこう、光源氏の葵ちゃん変形版みたいなのがね。

最終、どっちが跡を継ぐかは決まらなくて、種を蒔いた張本人たる家元は、最後すごいいい人ぶってて全力で突っ込みました。
そもそもてめーが悪いんだぞもっとしおらしく反省しろジジイっていうね!!

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