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ハッピーエンドアパートメント (シトロンコミックス) ハッピーエンドアパートメント (シトロンコミックス)
えすとえむ

リブレ出版 2011-08-12
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ボーイズラブコミック・レビュー


短編集っぽいですがメインカップルはずっと作中にいるタイプのオムニバスなBLとなっております。
短編は短編でも、このタイプは脳内で大きな切り替えをする必要がないので助かります。
受攻の2人セットで描かれることが多いボーイズラブの表紙ですが、この作品はにぎやか。

すごく好きなお話でした。
ただし、肌色シーンはなし!
でもお洋服脱がなくたって腐女子はMAX萌えられるんですよー。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
同棲相手に追い出されたルカは部屋探しへ。入居募集の張り紙を見つけ行ってみると部屋は空いておらず大家が「俺と一緒に住まないか?」と誘ってきた。超不審だが背に腹は変えられず住むことを決める。さらにそのアパートは奇妙な住人ばかりで・・・。

売れない小説家のルカ(男)は、同棲相手から部屋を追い出されます。
あ、同棲相手というのはもちろん男です。
そして、なぜか入居しようと思ったアパートの大家に強く請われて同居することに。

ルカはスランプです。
編集者にはハッピーエンドで書いてくれないとー、と言われるも、自分の人生が全然ハッピーじゃないため、ンなモン書けねーよ! という状況です。
いやそこは想像でなんとか……! というところですが、まあそれができれば苦労しません。
そこで大家に提案されたのが、このアパートの住人を使ってハッピーエンドを捏造すればいい、ということ。
身近な人物を作品のテーマに。

そういうわけで、さてこれは現実? それともルカの創作……?
という形で物語は走り始めます。

ある日突然引きこもってすっぽんぽんで生活を始めて3年になる恋人と暮らす男の話。
いや君、いくらなんでもそりゃ臆病すぎるだろう! っていう理由で服を着なくなった彼ですが、そこが愛しいそこが良い。
「常に裸の相手に欲情するのはけっこう難しい」
というような攻さんの切実な台詞が印象的でございました。
そだよね、脱がしたり隠れてる場所をあれこれ妄想するのが楽しいもんねー。

あとは双子のどちらかを恋人として選べずにどっちも大好きっていって一緒に暮らし始める男。 選べないにもほどがあるってくらい、同じ顔した2人を同じくらい愛しちゃってます。
なんだこれ羨ましいぞ誰も不幸にならない!

人形師の恋とか、耳の聞こえない青年とオカマの恋とか、どのお話もギュっと詰まってて素敵なお話。みんな立派な短編なのにあんまりそんな感じがしません。
そしてメインディッシュがもちろん、ルカ本人のハッピーエンドです。

大家のバビは恋人と声が似ていたルカを無理矢理、同居に持ち込みます。
失った恋人の声を生きて喋るルカ……。
声が似ていたからという理由を知って、暗い部屋で何度もバビを呼ぶルカ。
きみたちはこれから2人で幸せになりんさい。


全体的にゆるーく温かい空気が流れているような素敵な本です。
日常の中にあるちょっとした非日常という感じでしょうか。
まあ、アパートの住人がそろいも揃って個性的すぎるので彼らの存在自体が非日常という気もします。
ド派手な展開とか演出はないけど、優しくてじんわり沁みる作品ばかりです。
肌色シーンがないので、そっちが苦手な人でも全然OK。
これから幸せになるんだよーって余韻が溢れてて、その雰囲気が大好きです。
えすとえむさん、すごいなあ。
毎度、楽しませてくれる作家さんです。

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