ボーイズラブ作家紹介


4人目のBL作家紹介エントリです。

玄上八絹さん。
2007年と割と最近、ボーイズラブ業界にデビューした作家さんです。
デビュー作から全冊読んでます。
そしてかなりレアなことに、全冊ブログでレビューしてます
色々この下に書きますが、誤解なきよう最初に申しておきます。


大好きなんです。


この作家さんのデビュー作が、これがまたひたすら滅茶苦茶に読みにくくて。
いやもう、文法がおかしいとかそんなんじゃないんですけど、どうにもこうにも読みにくくて、普通投げるやろ! というくらい相性悪く感じたのですが、ここが不思議なところで全部読まされてしまったんですよね……。
こんなの本当に久しぶりでした。

妙な引力があります。
なんか、中毒になったみたいな気分で毎回読んでいるのです。

ちなみに文章は冊数を重ねるうちにずいぶん読みやすくなりました。
これは私が飼い慣らされたのか、玄上さんが小説界のあれやこれやに揉まれて丸くなったのかは分かりません。
分かりませんが、ハードルが下がったのはとても良いことだと思います。

既刊一覧
篝火の塔、沈黙の唇 (ルチル文庫)
千流のねがい (ルチル文庫)
しもべと犬 (ルチル文庫)
茨姫は犬の夢を見るか (ルチル文庫)
銀とシュガースノー (ルチル文庫)(合わせて読みたい同人
背中を抱きたい (ルチル文庫)
プライベートフライデー (ルチル文庫)
ゴールデンビッチ (ルチル文庫)
ゴールデンハニー (ルチル文庫)
トイチの男(ルチル文庫)

以上、現在7冊発行されています。


さて、彼女の作品の実に半分以上が緩いオムニバス形式のシリーズになっています。
世界観を共有して別キャラ、別カップルが主役になっていくというやり方はBLではけっこう頻繁に見られるので、別に珍しいことではありません。

「わんこシリーズ」と呼ばれることの多いシリーズですが、要は人間に犬の遺伝子をプラスして作られた人造人間が出てきます。
「犬」と呼ばれる彼らが必ず物語の中核にいて、泣いたり笑ったり恋したりします。
(千流のねがいは「きつね」が出てきます)

このシリーズの世界観が大好きで。
集められるだけ同人誌も集めました。
分量は間違いなく同人誌の方が多く、熱量も同人誌の方が上かもしれません。
他人の手がほとんど介在しないので、剥き出しの作家さんの個性みたいなのがダイレクトに伝わってきます。
ついでにBL界に蔓延するアンハッピーエンド系のタブーも華麗にスルー。
ほんとに好きに書いてるのが分かって読んでて楽しいです。

銀とシュガースノーに至っては同人誌の方が好みでした。
もちろん商業誌と合わせて読むことで威力を発揮する内容なわけですが、何とか構成を工夫して商業で出せば良かったのに!! とハンカチを噛んだものです。


とにかく、ちょっと癖のある作家さんなのですが、いっぺんはまったらやみつきになること請け合いです。
これからもどんどん、マイペースに本を出して欲しいなと思います。

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