ゴールデンビッチ (幻冬舎ルチル文庫)ゴールデンビッチ (幻冬舎ルチル文庫)
玄上 八絹 御景 椿

幻冬舎コミックス 2011-02-15
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ボーイズラブ・レビュー


今日は全部署の引き継ぎ間際のドタバタでチェック漏れしてたミスが発覚してちょっと凹みました。
うう。いかんなあ。
そして明日は最後の出張です。
これで紙媒体とはしばらく(つかもう戻れる気がしない)お別れかと思うと、大変だったけど切ない。
CMYKとはお別れして、今はRGBと戯れてます、ふう。


さて昨日発売で、今日手元に届きました。
ハリポタは発売日に届けてくれたくせに、こっちは1日遅れ。
逆でも全然良かったのに……っ!


ちなみにこれ1冊でも楽しめますが、同一設定のオムニバスとして、 警察絡みのお話が「しもべと犬」「茨姫は犬の夢を見るか」の2冊、設定のみ共有の「千流のねがい」の1冊があります。
主従ものボーイズラブ大好物の私にはたまらんお話でございます。

今回のはもうタイトルからしてパンチ効きまくってて、すっげー楽しみにしておりました。
いーじゃないですかゴールデンビッチ!
黄金のビッチですよ。滾るじゃないですか!!

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。


遺伝子操作で警察犬の能力を組み込んだ“犬”と呼ばれる人造人間。彼らは警察や公安の「人間」を主として危険な任務に就いていた。ある日、公安の窓際捜査官・灰原に下されたのは、狙撃で主を失いそのまま行方不明となった野良“犬”捕獲命令―。追手を翻弄し逃げ回る野良“犬”ゴールデンビッチが命を賭して主の仇を討つ覚悟だと気づいた灰原は―。


神の領域に両手を突っ込んで生まれてきた、人造人間「犬」。
聴覚・嗅覚能力、シックスセンスは犬並み、見た目は極上の彼は、主となる人物を目の前にしてその主を狙撃され、その場を逃亡して復讐を誓います。
彼は、自分の魅力を十二分に理解して利用し、犯人の可能性のある相手を次々に血祭り……じゃなく色仕掛けで絡め取って裸に剥いて身体に尋問して回ります。
やり方がそのへんのSMプレイも真っ青なえげつなさで、彼につけられたコードネームが『ゴールデンビッチ』。
由来は金髪と彼の行状です。

もう作中、誰も彼もが彼をビッチビッチて呼ぶの。
攻さんですらね。

でも彼は主になるはずだった男を心から慕って愛してたし、失って悲しみに狂いそうになりながら復讐だけを糧に生きている健気な子なのです。
メンテナンス無しでは長生きできない不完全な身体で、ボロボロになりながら仇だけを見据えて追い続けてきたのです。


頑なになった彼の心を、灰原が開いてくれて本当に良かった。
良かったけど、解決に至るまでの過程が相変わらずド派手です。
今回は、都会で無人ビルが複数、灰原が狙撃で倒した電柱に押しつぶされてドミノ倒しです。
凄いですねー、ビルでドミノですよ、関係者一同顔面蒼白です。
ビッチの仇ひとりを捕まえるために発生した被害総額が一体いくらになるのか気になるところです。

玄上さんの担当さんが空を見上げた後に、実際どのビル群を犠牲に選んだのか、ちょっと興味をそそられますね。


やることなすこと手加減なく、それでも最後は灰原の腕の中に収まったゴールデンビッチ。
灰原の恩人とビッチの主になる予定だった男は同一人物で、2人はこれから思い出も共有できるわけです。

ゴールデンビッチの本当の名前は「クラウディア」。

なんと、出来上がった彼の写真を見た主が、女の子と間違えて名前を付けてしまったんですね。プレゼントも髪飾りだし……。
それでもビッチにはどちらも大切な贈り物に違いなくて、それだけを手に赤子同然の知識のまま復讐の為だけに生きてきたのです。
すごいですよね……蛇口から水が出るって数ヶ月気付かないとか、ドライヤーを暖房器具と勘違いするとか。
頭の良さとそのあたりのギャップも可愛い。

これからは灰原の犬として、公私とも仲良く幸せになってほしいものです。
強くて健気で美人とか、もう超ドストライクなんですよー。
でも健康には気をつけてね!
メンテナンス前にボロボロの身体のまま抱き合って、最中に喀血した時には、おいおい抱き合う先に研究所行けよって、ちょっと思った。
そんな、命がけで愛情確認しなくても……ね。
気持ちは分かるけど命は大切に!

彼らの他の話、同人誌で出ないか、かなり期待してます。
つーかもうみんな、ビッチて呼ぶのは止めてあげてね!

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