酷いくらいに (ガッシュ文庫)酷いくらいに (ガッシュ文庫)
高遠 琉加 麻生 ミツ晃

海王社 2010-12
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ボーイズラブ・レビュー


年末→コミケ、年始→銀英伝舞台、9日→コミックシティ
怒濤のオタ充年末年始も今日で終わりです。
明日から仕事かと思うと台風でも来ないかしらと言う気分になります。
あー、読んでないボーイズラブとか溜まってるんだけどな……BL休暇とか欲しいなマジで。


さて高遠さんの新刊です。
淡い感じの表紙が内容にマッチしていて素敵です。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。


料理人見習いの瀬名広見は、兄の恋人だった愁藤秋をひそかに想っている。不幸な事故で家族と足の自由を失いながらも穏やかで優しく、懸命に生きている秋。片思いのままでもずっとそばにいて、彼の笑顔を守っていけたらいい。そう思っていたはずだったが、秋とあたたかい時間を重ねる中、愛しさとともに歪んだ欲望も募り―。せつなく愛しい年の差ラブ。


あらすじ読んで

兄弟どんぶりかよ!

って突っ込んだら駄目ですよ……。
まあその通りなんですけどね。

このお兄ちゃん、いい人なんですけど、なんか違うんですよね。
足が不自由な恋人をかわいそうにかわいそうにって、大事にするんだけど対等じゃなくて相手を下に見てる。
絶対的優位に立っていると確信して、か弱い恋人を守る優越感に酔ってる感じなのです。
悪い人じゃないけど、こんな恋愛じゃ守られる側は哀しいなあっていう。

翻って弟は、感覚的に相手を同じ目線で接して恋してるのですね。
兄貴の恋人だからと片恋を続けて、でも兄が女と結婚するからと秋を捨てたのを見て、ついに思いを打ち明けることに。

なんだかんだで秋は弟とくっつきます。


色々諦めて、神の愛に縋りでもしないと立っていられなかった秋が辛かったなあ。
広見が神様なんかいないって言っちゃったけど、誰かのよすがになってる神様は否定しちゃいかんと思うんだ。

あとわんこ可愛かった!
コーデリアちゃん、事故に遭っちゃって大変です。
作中では彼女が実は一番気の毒。
人間の都合で足を引きずる一生の傷とかね……走りたいのに走れない犬とか悲しすぎるよ。
恋愛要素以外にも色々と詰まっていて、じっくり読まされます。
愛と混乱のレストランのメンバーもちょこちょこ出てきて、そのあたりも楽しかったり。

秋を捨てた(正確には秋に捨てられた)兄ですが、彼って実は受属性だと思うんですよねー。
無理に攻になっちゃうから失敗したんだよ。
作者も後書きで言ってるし、今度、傲慢スーパー攻様に、強引にアラブっぽく溺愛されてみると良いと思うな!

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