富士見二丁目交響楽団シリーズ第7部  選ばれし者 (角川ルビー文庫)富士見二丁目交響楽団シリーズ第7部 選ばれし者 (角川ルビー文庫)
秋月 こお 後藤 星

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-11-30
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ボーイズラブ・レビュー


ニコ生ガン見してその後あたふたとコピー行ったりあれこれしてたらこんな時間になってしまいました。

おなじみ、ご長寿ボーイズラブシリーズ・フジミの新刊です。
アマゾンで第7部との表示を見て、遠くまで来たもんだとちょっと遠い目になりました。
このシリーズとも、もう軽く十年以上付き合っているんだなあ。

相変わらず、抜群の安定感です。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。


ロン・ティポー国際音楽コンクールを目前に、バイオリニストとしての覚悟を恩師・福山先生から問われた悠季。フジミや最愛の恋人・圭との関係を断てと先生は言うけど、どちらも悠季には切り離せないもの。迷いを振り切るように演奏に没頭した悠季は、新たな飛躍のきっかけを掴むことに。その成果を土産にイタリアのエミリオ先生を訪れた悠季は、同じコンクールに挑戦するバイオリニスト・シャントレーと出会う。彼のライバル心剥き出しの態度は、悠季の闘志に火を点けて…。


もう圭との恋愛に関しては、非公式とはいえ結婚までしちゃってるのでそうそう激動の渦中に放り込まれたりしません。
愛情と音楽家としてのプライドが激突することはあっても、読んでいて気が気じゃなくなるような薄氷を踏む展開には、恐らくもうならないでしょう。

もうBL的展開は大前提の下敷きとなって、メインは悠季の音楽家としての成長になっております。
音楽とは何か、とか、ものすごく哲学的なことを考えて神社の森で迷子になったりしてるんですよー。
いちおう答えに辿り着き、音楽家としてもステップアップしながら ロン・ティポー国際音楽コンクール目指して邁進する悠季。
ここは優勝して欲しいなあ!

彼はとにかく自己卑下に長けていて、どうせ僕みたいな凡人は……と、後ろから蹴飛ばしたくなるような袋小路によく自分から突っ込んでいきます。
今回も突っ込みかけて、いや、駄目だもう僕には凡人といって逃げられないくらいの実績があるんだ……と、なんとか自己肯定につなげようと足掻いておりました。
ちょっと進化している!


悠季が一人前のヴァイオリンソリストになる日……。
そうなったときがこのシリーズの完結なのかなあと、終わりに思いを馳せております。

なんかこう、ジャンプじゃないけど、このシリーズに関しては「僕たちの人生はまだまだこれからだ!」的な終わり方をして欲しい気がしてます。
そんで最終ページに、音楽史に名を刻んだ偉大な……みたいなのが入ると良いなーと。

ここまで続くと、どう終わるのかがとても気になるのでした。

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