汚された聖王子~黒犬婚姻譚~(下) (二見書房 シャレード文庫)汚された聖王子~黒犬婚姻譚~(下) (二見書房 シャレード文庫)
矢城 米花 佐々木 久美子

二見書房 2010-10-25
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ボーイズラブ・レビュー


アマゾンより楽天の方が足が速かったようです。
佐川さーん、頑張って!早く私にF&B16を持ってきてください。
そういえば佐川とネコのカップリングなボーイズラブ漫画も出るとか。
買わないとな!

なんにせよ宅配業者はやっぱりネコか……と思う今日この頃。

しかしこのお話のメインは忠犬の奮闘です。
ようやく下巻が読めました。
まあ遅れたのは私の間抜けっぷりが招いた事態で自業自得なのですが。

以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。
体内に埋め込まれた淫気を求める草を鎮めるため、従者の夜刃に抱かれるフィルス。 愛しい相手との義務的な行為に、心は悲しみに満ちて…
古の血が蘇り、犬へ変身したことでダイラート帝からフィルスを救出した夜刃。しかしフィルスの体内に埋め込まれた淫幽草は 男の淫気を求め、その体を蝕んでいた。夜刃は自らの精をフィルスに与えながらも、本心を悟られまいと従者の態度を貫き通し、 一方のフィルスも、汚された己は忌むべき存在であると、報われない夜刃への想いをひた隠していた。しかし再び追手は迫り、 フィルスは捕えられ、自国民の前であられもない姿を晒すことに。己の片目と片肺で魔道士セレニアと取引をした夜刃は、 満身創痍で救出に向かうが――。


せっかく逃亡に成功して一緒にいるというのに、いちおう人間用の言葉をしゃべっているはずなのに、何でこの忠犬と主人は意思の疎通がこんなにも不自由なのだ!?

以心伝心大好きな日本人だってここまで残念なコミュニケーション能力しかないなんてことはないんじゃないのか。
ないないと並べ立てましたが、彼ら、ホントにダメなんだもん。
これで両思いとか片腹痛いわ! ってくらい、共通言語で喋ってるとは思えないすれ違いっぷりですよ。

そしてお互い好きなのに全く伝えられないまま、また王子様が囚われる。
ホントよく捕まる人です。
敵の皇帝たいがいな性格ですが、ここまでテンプレに自己中老人だと逆に天晴れかなとか思ってみたり……。


でもまあ、酷い目に遭いっぷりは上巻よりは若干マシです。
いやこれでマシってどうよ? という気がしないでもないですが、まあ心持ちマシです。
物足りないようなホッとしたような気分の私はSっ気があるに違いありません。
でも美人な王子は裸に剥かれて大勢の慰みものにされてなんぼって言い切る作者様よりはまだ……ははは。
この作家さん、ホント好きですよねー私も好きだけどね!
下克上ラブBLなんですが、そっちより受の受難度の方が目立っているため、忠犬攻はちょっと報われません。
あんなに頑張ってるのにちょっと哀れ。

王子様もさんざん目に遭いますが、それでもラストはちゃんと大団円。
しっかりハッピーエンドで結ばれておりますので、道のりが多少でこぼこしてても大丈夫です。


この受の受難はBLにおける義務ですから! と言わんばかりの作風の作家さんが、今度はアラブものをお書きになる模様。
いやー、ジャンルと作風のベストマッチっていうんですかね。
これって鴨ネギって言うんでしょうか。
そろそろ鍋の美味しい季節です、出汁の用意でもして楽しみに待つとしましょう。

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