FLESH & BLOOD 15 (キャラ文庫)FLESH & BLOOD 15 (キャラ文庫)
松岡 なつき 彩

徳間書店 2010-06-26
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ボーイズラブ・レビュー


次の新刊まで、その存在を忘れる努力をしないと色々耐えられないシリーズのひとつです。
ボーイズラブ系のシリーズで15冊目!
ご長寿シリーズです。
そのうち「超」とか頭につけたくなる日が来るかもしれません。
頼むから私が結婚して出産とかするまでに完結してね……。
と、最近ではずいぶん気が長くなって参りました。
腹に子どもがいる時に週刊誌並みの引きで「待て次回!」ってなったら、色々まずいと思うので!


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

凍てつく冬の16世紀から、半年ずれた夏の現代へ──。ホーの丘から無事タイムスリップに成功した海斗。そこで海斗を出迎えたのは、なんと親友の和哉だった!! 一方、ウォルシンガムの手に落ちたジェフリーは、国家反逆罪の汚名を着せられ、厳しい拷問に晒されて!? 海斗不在の喪失感に苛まれる海賊達、そして病と闘いながらも帰還を誓う海斗の、時空を隔てた葛藤を描く、新展開の現代編!!

ついに始まった現代編。
やれカイトとジェフリーがじれったい、なかなか最後まで行ってくれない、いつまで引っ張れば気が済むの!?
と10年越しで待てを食らっている読者とジェフリーですが、なんとこの巻にいたって、時空を越えた遠距離恋愛にまで進んでしまいました。

これまでは掠われたとかでもイングランドとスペインと、とりあえず時空だけは隔たってなかった。海は繋がってる!状態だったのですが、今回は時代ごと離ればなれです。
もうジェフリーとか、二度と会えない気分でいっぱいです。

まあBL界には転生レベルの遠恋を繰り広げている強者のファンタジーもありますが、時空を隔てるのだってたいがい厳しい状況設定です。

カイトは病気を完治させて16世紀のイングランドに舞い戻る気満々ですが、現代にもカイトを大事に思う親友はいて、ジェフリーのいる時代に戻ることは彼をいずれ裏切ることと同義です。
現代にもしがらみがたくさん、16世紀にも問題は山積み。

そして、歴史にジェフリーの名前が残っていない理由を調べ始めるカイト。


15巻に来て、話は風呂敷をたたみ始めるどころかさらに広がっていく様相を呈しています。
まだ広げるの!? と目ン玉ひん剥いて本編を凝視してみましたが、間違いなく広がってます。
この勢いだと30巻越えるかも知らん……。
少なくともあと5冊ではまとまらないでしょう。

とにかく壮大なタイムスリップBLに成長を遂げてしまったこのシリーズ。
未だにカップルが最後まで身体の関係を結べていない希有なBLですが、そんでこの巻は色恋っぽい話はほとんどないのですが、特に意識せず読まされてしまいます。
登場人物たちはそれぞれの場所でそれぞれの戦いをしているし、その様を追いかけるのが純粋に楽しいのです。

カズヤにも一緒に16世紀に飛んで欲しい気もするし、それは禁じ手にも思えるし、なかなか難しい。
ジェフリーを助けるためにナイジェルを筆頭としたメイトたちも次の巻から色々動いてくれそうです。
15巻はまさに濃厚な、助走の為の1冊と言えるでしょう。
……あまり待たずに次が読みたいものです。

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