隷辱の人魚 (白泉社花丸文庫)隷辱の人魚 (白泉社花丸文庫)
吉田 珠姫

白泉社 2010-04-20
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ボーイズラブ・レビュー


1ヶ月遅れのGWをさらっと取得。
目指すは代休消化率100%。
あとできれば有給もしっかり使いたい……さすがに全部は無理でも8割くらいはなんとかっ!
ボーイズラブ読みまくる為にとった休みなんで、せっせと積読消化したいと思います。各ジャンル色々積んでるので、そっちもできるだけ!

さて、お腰の剣とか受がわんこさん生活の作家さんです。
今回のは未来設定のSF。
苦手な人は苦手かも……。
でも私はかなり好きです、この設定。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

2000年代初頭、核戦争勃発。人類、生物はすべて死滅した。月基地にいたごく少数の人間だけが生き残り、何とか人類を増やそうと自然分娩を禁止し、人工授精、人工子宮での大量繁殖に踏み切った。やがて人類は人口を増やし再び地球に戻り、他の星々に植民地を作っていった。新暦1375年。喜多島勇は週に一度行われる精子採取の時、実際の性行為の経験など誰もないこの時代に、なぜか少年が犯されるイメージが脳裡に浮かぶのだった。これはいったい何を意味するのだろうか。


のっけから人類滅亡寸前です。
すごい設定……核戦争で地球上の生き物がすべて死滅して、わずかに生き残った月にいた人々が何とか生き延びて人口を増やして……という結構かなりせっぱ詰まった状況です。

なんと人間が人間を繁殖させてる世の中です。
自然分娩なんてもってのほか。
人間は全員強制的に精子卵子を政府に提出、無作為な組み合わせで人工子宮から子供が産み出されます。

いやもう、スペ○マとかいう単語がバンバン出てくるんですが、いや、日常会話でそんなに連発されてもこっちはどーすれば。
というか、ひちわさんとかの小説のHの中で出てきたらエ口いぜうわーってなるのに、この作中で使われると、とにかく何かいたたまれなさMAXで大変困りました。


男女ですら、にゃんにゃんしなくなっているこの舞台設定でどーやって男が2人恋をするんだ!?
とまずそこから心配せねばならないBLも珍しいでしょう。
もちろんそんな心配は杞憂で、ちゃんと恋愛します。


なぜか毎回、超優秀なスペ○マを連発できる喜多島は、いつも脳内に少年が犯されるイメージが沸く、という前振りがありまして、この脳内少年と喜多島が出会ってリアルで恋をするのです。

実はこの脳内少年は、弟を守るために政府に身体を差し出して娼夫みたいなことをさせられてる喜多島の兄だったのです。
しかし、実の兄とは気付かず、強引に関係を結んでしまう喜多島。
そして実の兄に恋してしまう喜多島。

兄は弟を守るために必死ですが、弟は頭の悪い大型犬よろしく、後先考えずに捕まっている兄を助けて逃亡を図ります。
ハッピーエンドに向けて大驀進なこのジャンルのこと、もちろんあれこれ無茶の大盤振る舞いで最高権力者を味方につけて移民船に乗り込みめでたしめでたし……となります。


ヘヴィーな設定の上、思いっきり近親○姦なんで、かなり好き嫌いが分かれるかなあという感じです。
でも寿命300年より100年未満の寿命だった人類の方が充実してるんじゃないのかとか真面目なことも色々考えさせられるお話で、個人的には大好き。
ちなみに、シリアス苦手めの友人には拒否られました。

萌えるのにー!
吉田さんお得意の言葉責めも健在だし、兄様の殺し文句、

「ずっとおまえだけが飼ってくれるなら……俺は、人魚のままでいい」

とか、悶えるのにー!!
なんという「私の萌えは他人の萎え」の好例かっ!

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