大阪府の、平成21年度第1回青少年健全育成審議会第2部会議事概要の、ボーイズラブが有害図書指定される経過を読んで、モヤッとした、粘着質な怒りと空しさみたいなものが頭の中にぐちゃーっとなって荒れ狂っております。

なのでこの記事は本の感想とかでなく、理性的な反論とかでもないので「うへえ!」って思ったら畳んだ部分はそのままスルーしていただけるとー。


<この下、折り畳み>


なんかもう自分が何というか色々と大変というかアンバランスで不安定でぐらぐらしていた時代にお世話になりまくったジャンルを、こうまで否定されると、なんだかなーってなります。

「これを読むと青少年の健全な成長を阻害するだろう」と予測されるから有害指定されるんだそうです。

確かに裸の男が2人くんずほずれつベッドの上でギシアンやってるよーな作品を中学生とかの少女が読んでたら大人は眉を顰めたくなるんだと思う。
私が見ても、こりゃちょっとマズイんでないか。と感じるのも正直このジャンルにはいっぱいある。


でも有害って何かね。
見せたくないという感情はとても共感する。
悲しいかな、もう大人になっちゃって、子供は~という思考と視点を手に入れてしまった今、理解できる感情です。

でもボーイズラブの読者って、たぶん8割~9割が女ですよ。
何を持って有害とするのかね? って思っちゃうわけです。
ムラムラっときて実在の青少年に襲いかかったりするかな?
BL読んだ少女が自分も!って性に奔放になる、若しくはなったなんてことは周りにはなかったし、話を聞いたこともない。


他の人はどうかしらんが、私はこのジャンルと出会った当時まだ中学生でしたが、どうにも読むことを止められなかったのです。趣味なんて生ぬるいもんじゃないくらい、今から考えてもちょっと理解できないくらいむさぼってたと思います。
でもそのどっぷり具合が、当時の私にはたぶん必要だったんです。
今振り返っても健全な成長を阻害された覚えはありません。
むしろ、BLは卵の殻みたいなものでした。
外の世界に出るまで、殻の中で成長しないといけない何かがあって、その期間、私の脆い部分をガードしてくれたのがBLというジャンルでした。
生憎と理屈とかは説明できませんが、BLという世界観が必要だったのです。
今でこそ立派な皮を三枚ほど被って普通に社会人やってますが、当時はまだ毛も生えそろっていない未熟さで、それを隠すためのなにかを求めていて出会ったのです。

そんなこんなでBLは(だけじゃもちろんないけど)すごく沢山読みました。
相当過激な作品も中にはありました。まあでも真似したいとか、そういうのは全くなかった。まあ、のめり込みすぎた挙げ句、剣心は私の嫁! とは思ってたけど。


だからといって、BLが絶対不可侵のものだとか、成長過程の少女たちに与えるべきだとかは全然思わないし、ましてや神聖視するわけでもありません。
それでも、このジャンルが行政に目を付けられるほど成長してしまったのは、それを必要とする人たちが相当数いるからだと思うのです。

ゾーニングはしっかりやって良い。
むしろそれは大人としての良識というか義務だと思います。
でもゾーニングによって陳列場所が無くなってBLが本屋さんから駆逐されかねない現状は、本当に何とかしたい。

思春期の子どもがエ口を求めるのは古今東西の習いみたいなもんです。
ゾーニングされてれば、絶対に子供がそれを読まないなんて事はまずありえないって、自分の実体験に即して冷静に考えれば分かること。
でも、ゾーニングによって「本来はまだ読んではいけないものである」ことを子供に認識させることはできます。つーかそうやって背伸びして子供って成長するものだと思います。
読んでるところを見つけたら取り上げて焚書すれば良いのです。
親がする分には、問題ありません。まず間違いなく子供は激怒しますが。
子供は、親となら戦えますが行政とは戦えません。それは大人でも難しいことです。
子供の手の届かないところに、創作物を遠ざけるようなことはしないで欲しいのです。


BLは有害なんかじゃないよー。
BLが必要な子供だっているんだよー。

というかたぶん、もっとも切実に、BLという世界観を求める年代って、思春期の少女達なんじゃないかな。中学生から高校生くらいの。
もちろんこれは私の感覚で、統計とかとったわけではないのだけど。
だから、全年齢 or R18っていうのは、ちょっと乱暴な気もします。
R13 R15 R16 R18 くらいの別があってもいいかな?と。

今回みたいに、一方的に検閲してハイ有害! 
ってされて、直接問い合わせるまでどこがひっかかったかも分からないのはどうなんだろうなあと。

現状だと、行政がBLまるごと排除したがってるようにしか思えず、とても悲しいです。

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