つめたくて甘い支配 (大誠社リリ文庫)つめたくて甘い支配 (大誠社リリ文庫)
河井 珠蘭

大誠社 2010-04-12
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ボーイズラブ・レビュー


ボーイズラブ業界が逆境に晒されている中、創刊されたリリ文庫。

この文庫、すげーな、分かっていらっしゃる!
なところがあって、文庫内でジャンル分けが明確になされるっぽいのです。
花・月・雪の宝塚みたいな3ジャンルございまして、それぞれ違ったテイストのBLが楽しめるとのこと。
帯によると、

・花は甘くて熱くて、泣いて怒って。ハッピーエンド・スイートラブ。
・月はディープな偏愛でもバッドエンドでも、たった一人の運命の人。クール&ハード
・雪は、花と月では伝えられない、絆と痛み。恋を知らない彼ら、愛を凌駕した彼ら。


という3STEPなことになるみたいです。
ただしこれ、今のところ予告とかにはどの作品がどのジャンルかは分からなくて、本の背表紙に花とかが印刷されているだけっぽい。

できたら新刊予告の段階で花月雪のどれかが分かると大変ありがたいなーと。

現状、ボーイズラブって基本ハッピーエンド推奨の死ネタNGな風潮なので、月と雪には是非とも頑張っていただきたいところです。


そして、今回のこの作品は「花」。
ハッピーエンドが約束されたラブラブなお話です。
表紙のロープで引いちゃダメ。
ちゃんと愛あるSMです。


以下ネタバレ妄想注意!


紹介文です。

恋、なんてしないと思っていた。ただ一人が泣き叫ぶほど欲しいなんて、運命を見くびっていた。司法修習を習えたばかりの悠矢は、堅実に生きている。だが、偶然知ったフェティッシュ・バーへ気まぐれで足を踏み入れ、そこで、強く美しい玲司に出逢う。優しさの奥に底知れぬ熱を持つ彼によって、悠矢は蕩けるほどに甘やかされ、沈め隠していた美貌とトラウマに塗れた快楽を暴かれる!際限のない愛欲。怯えた悠矢は心を偽るが、思わぬ場所で玲司の素性を知る。


弁護士見習いの受さんがフラっと、ちょっとした出来心で入ってしまった妖しげなお店で、超イケメンにナンパされてお持ち帰りされて口説かれて美味しく頂かれるお話です。

ソフトめSM。 さらっと命令口調に移行して、なんかその場のノリと勢いで手枷が出てきたりロープが出てきたり……あれよあれよといううちに、受さんは命令口調が快感のスイッチになると言う立派なMになりました。
攻の辣腕っぷりに脱帽でございます。

そしてその後、何かこのままだとはまりすぎてヤバイ!
との危機感を抱いた受は、攻と唐突に離れようと電話メールを無視、そして攻が別の男と部屋に入っていくのを見るに当たって番号を変更。

しかし、自分から離れたにもかかわらず、攻が好きすぎて気になる。
離れられて安堵すればいいはずなのにどんどん苦しくなる……突き放されてどん底に突き落とされる。

あかん、アンタもうそれしっかりはまっちゃってるよ!

というドツボ展開です。
そうか、これが究極の見えない鎖ってヤツか!

やっぱり攻すげえ!

なんか偶然、距離を置き始めた頃に受の勤める事務所に攻も勤めだしたりと、揺さぶりエピソードには事欠かない楽しいお話で、面白く読めました。


リリ文庫、結構やるかも知らん。
と思い、とりあえず一緒に発売されてたもう1冊も注文してきました。
しばらくこのレーベル、追いかけてみようかな。

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