先日、仕事の定刻を過ぎた頃に母から電話がかかってきました。

「あんた今日仕事は遅なるん?」

「いや? もう切り上げて帰るけど」

「ちょうどええわ。ちょっと話しあるから早く帰ってきて」


えーと。
こういう前置きがある場合、だいたいがろくでもない用件です。
もう二十数年付き合ってる家族ですからまず間違いありません。
ボーイズラブにおいて男が男とくっつくのと同じくらい自明なのです。

仕事つくって残業してやろうかとも思いましたが、先延ばしにしたところで話が消えてなくなるはずもないので、潔く諦めて帰宅しました。


玄関で靴を脱いでいたら、母が出迎えてくれて、問答無用の形相でリビングを指さします。
ちょっと部屋に戻ってから……とか言える空気じゃないわけです。
もう覚悟を決めるしかない。

私は腹をくくって断頭台にでも上るような気分でリビングに落ち着きました。



そうしたら、母は一抱えほどの本を抱えてやってきて、ドンと机の上に置きました。

「●●(←弟の名前)の部屋からこんなの出てきたわ」

………………。
なにやら肌色です。
私はその本たちを一瞥して、やれやれと首を振りました。


「何かと思ったら。もうあいつもいい年やし、オカズの10冊くらい持ってるのが普通でしょ。見なかったことにして戻しておいてあげればいいじゃん」

「アホ! よく見てみ!! 

  私も普通のエ口本やったらうるさいこと言わへんわ!


ほとんど絶叫する母に、今度は目の前に積まれた本を注視しました。




















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あー……あ、うん……。
これは大変申し訳ない。

いやー、まあ、表紙に収まってるのが男女の肌色ならともかく、男男の肌色表紙ならまあ、うん、色々と考えてしまうかもしれない、ね。

つーか自分の蔵書かと思った。
というか多分私のだねそれ。
まあほら、少年漫画とか色々持ってるから、読みたいのがあったら勝手に持って行っていいよーと普段から弟に言ってるわけですよ。
で。言い訳ですけど自分の蔵書とか多すぎてそんなに細かく管理してないのね。

だから。
弟が私の部屋から何を持ち出したとか、そんなモン把握してるわけない。
好奇心に駆られるお年頃だし笑って許してやって……と言える空気ではもちろんない。


「あんたがボーイズラブなんて読んでるから●●が影響されるんよ!」

まあそりゃそうかも。

「でもほら……読むだけなら勝手じゃん。好きにさせておけば……」

「あんたは女やから良いけど、あの子が彼氏とか連れてきたらどうすんの!」

それはないだろ母上!!
思ったけどヘタレな私はやっぱり言えない。
というか、このまま怒らせたら、十数年前のアキミ家マンガ焚書騒動の再来になるかもしらん。なんとか折りたたまねば。

「わかった。私が悪かったよ。弟にはちゃんと言って聞かせる。そしてもうあいつの目につくところにBLは置かないようにするよ」


……その代わり自分で買うようになったらもうそれは諦めてね母上。
しかし弟よ。
俺にそっちの趣味はないと言い放っていたアレは嘘だったんか。
というか、読み終わったら無精せず1冊ずつ返しに来いよ。


まあ今更言っても仕方ない。
仕方ないので、話が終わったあととりあえず実態を把握すべく弟の部屋に潜入してみた。
普通にコミックスが並んでる。
ラノベも並んでる。
普通の男の子の本棚に見える。
BLはない。…………ない。

むしろこの中からBLを探し出した母の嗅覚に敬意を表したい


一通りチェックした。

……チェックした。




あー……………………。







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あああーーーーー…………。

アーッ!



これ、は。
少女漫画と見せかけて上部のロゴマークがブルー……っ!
地味にロゴの色でジャンル分けされるこのコミックスは……BL


とりあえず見なかったことにして、自室に戻った。
なぜなら私のロマンチカの前半はコミックケースにしまってベッドの下にある。
そんなとこまで掘り返して読んでた、のか?

恐る恐る、ベッドの下のコミックケースを引っ張り出す。
そんで、中を確認する。


なんだ良かった全部揃ってんじゃん!



………って、あの。
じゃあ、弟の本棚にあったあの純情ロマンチカの1巻って。
あれって。

自分でお買いあげ、なのか!?



どうしよう母上。
なんかもう手遅れの匂いがしてきましたよ。

弟になんて話せばいいのかな。
とりあえず、読んでも良いからばれないように死ぬ気で隠せとでも?
うううーん。


とりあえず、私から話すから。この本預かって私が処分するから。
と言ってなんとか母を説き伏せた。
これからどうすべきか、わりと真剣に考えていますが、はてさて。
個人的には弟が腐男子でも全然気にならないわけですが……。
それを理由に自慢のBLコレクションを焚書されても困るわけで。

色々、切り抜ける方法を模索して慎重に事を進めたいと思います。















































































というエイプリルフールネタでした。
お粗末様です。

仕込みは本日、やっつけ仕事でやりました。
もちろん本人には断りました。
ネタに使うからちょっと部屋はいるよ、ってちゃんと言った。

そして弟の部屋に1冊BL本をさし込んで写真撮って、とりあえず本はそのまま放置してきました。

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