愛よ、灰にかえれ (プラチナ文庫)愛よ、灰にかえれ (プラチナ文庫)
いとう 由貴

フランス書院 2010-02-10
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ボーイズラブ・レビュー


忙しかった期間にすごい勢いで増えた積読の消化を地味に開始しました。
でもこれ、いっつも上から本を取っていくから、地層のように下に未読の本が残って積もっていくんだなー。
さっき、一番下には何があるんだろ。
と、ちょっと下好奇心に駆られて確認してみたら、2006年に買ったボーイズラブでした。実に4年前の本です。
明日はこれ読もっかな……。

しかしそれにしてもプラチナ文庫、ホントに買いやすくなったなぁ!
表紙のキラキラ時代が嘘のようです。

このお話はバリバリの西洋ファンタジー。
ただし魔法とかそっち系はなしです。

以下ネタバレ妄想注意!

紹介文です。

元農民のユーニスは孤独を訴える皇帝ファハルに寵愛され、心から愛を捧げていた。だがその想いは、愚かなまでに純粋なユーニスの絶望に歪む顔が見たかっただけで、最初から愛してなどいないと嘲笑うファハルによって裏切られた。失意のまま出奔したユーニスは、やがてファハルの失墜を目論む他国の策謀を秘め帰郷し、彼と対峙する。すべては心を踏みにじられた報復のために…。


主従ラブというか復讐ラブというか、なんともジャンル区分が微妙な作品でして。
そもそも攻がちょい壊れ気味のろくでなし皇帝だったものですから、とりあえず受は振り回されます。
それはもう、国の最高権力者が相手ですから、一生涯レベルで振り回されるわけです。

なにしろ、おとなしく畑を耕していたところを、ちょっと気に入ったからと掠われて手込めにされ、夜ごと愛を囁かて素直に信じるもそれは実は嘘で、信じ切っていたところを策謀に利用するだけされて放り出されるわけです。
もうね、この純粋な少年が裏切られた時の顔が見たかったとか、おまえは小学校のいじめっ子か!? と叫びたくなるイケてない精神構造で、人の人生を年単位で弄ぶわけです。
そりゃ、腹も立つでしょうよ。

そんで受は復讐を誓って立派な大人になって立派な海賊稼業に手を染め、いざ!と皇帝のお家に忍び込みます。
でもあっさりバレます。
底抜けにあっさり見つかって、今度は身体で籠絡しようと頑張ってみますが、上手くいったように見えてその浅い魂胆は見透かされてます。
でも、やばい、ピンチ! と観念する前に皇帝の方が落ちてました。

これが、ミイラ取りが……というやつなんだろうか。
とりあえず、孤独のあまり人間不信に陥っていた傍迷惑な皇帝は真実の愛に目覚めて、本当は純真なままだった受と心も体も結ばれました。


いやあの、末永くお幸せに……?
幸せに暮らすのは良いけど、ちゃんと仕事もやってね陛下!
と、全編通してあんまり仕事してるように見えなかった皇帝陛下に言い諭してやりたい気分です。

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